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わたしの京都移住プロジェクト#2

ちょうど2ヶ月ほど前のこと。
意を決して、4月から京都へ半分移住することを決断しました。

しかしながら、今現在、私は東京の自宅にいます。
世間はコロナ騒動の最中、京都行きは延期することにしました

理由はいくつかあるのですが、今このタイミングで移住をすることで、感染拡大の一因になってしまう可能性があることや、京都で周囲の方に不安を与えてしまうことや、万が一東京に住む夫が感染した時に何もできないことなど、最悪のパターンを想像すると、とても京都へ行ける状況ではないことを確信したためです。

それからというもの、私の心境はコロコロ変わり、一時は心が荒れ果てていたのですが、今はようやく明るい気持ちを取り戻しました。

せっかくなので、自分の気持ちの整理も兼ねて、ここ3週間ほどの状況と心境の変化を、Twitterの投稿を引用しながら振り返ってみます。
99%自己満足なのですが、ちょっと前の私のように、心が荒れ果てている方の心に少しでも風が吹けば…なんておこがましいことを言うのはやめておきます。

<3/23>料理教室2周年パーティーの延期を決定

主宰している日本酒マリアージュ料理教室の2周年を記念して、3月末に25名様ほどの生徒さんを集めてのパーティーを予定していました。

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しかし、この頃からすでに「3つの密を避けるように」と言われており、通常の少人数制の料理教室ならまだしも、同人数で開催した昨年の1周年パーティーの密集具合から考えて、延期せざるを得ませんでした。

この決断に関して悩んだのは、楽しみにしてくださっていた生徒さんはもとより、ケータリングをお願いしていた愛菜食堂がじゅま〜るさんへのキャンセルです。コロナの影響で、既に3月〜4月のケータリング案件が色々と飛んでいると伺っていたため、キャンセルするのが忍びなかったのです…。

幸い、延期の相談をした時はまだ食材の準備をしていなかったとのことでしたが、予定もスタッフの方も確保していただき、きっと春らしいメニューをお考えいただいていたであろうに、延期とはいえキャンセルするのはとても心苦しかったです。
しかし、決断した数日後に小池都知事から週末の外出自粛要請(パーティーはまさにその週末に予定していました)が出たため、この判断は間違っていなかったかと思います。

ところが、ここから私の心はみるみる荒んでいったのです…。

<3/27>過度な情報収拾でじわじわとストレスが溜まってくる

パーティーの延期は決めたものの、京都行きはどうするべきか…。ちょっと前までは行く気満々でしたが、日に日に東京の感染者数は増えていき、いよいよ延期も視野に入れ始めた3/27頃。

国も東京都も「感染爆発の重大局面だが、緊急事態宣言を出す段階では無い」と繰り返すばかりで、先の予定が決められない。「いっそのこと早く緊急事態宣言を出してくれ!」と心の奥で祈りながら、京都行きの可否をジャッジするためにネットで情報を集めまくりました。

こうしてネットやSNSで様々な情報に触れ続けると、人間ってかなりのストレスを感じるようで。気づかぬうちに、怒りや悲しみなど様々に感情が揺れ動き、心がすり減っていくのです。

もう、この時は隙あらばジャルジャルのコントを見まくっていました。「くだらないなあ」なんて言いながらゲラゲラ笑うだけで、心が救われたのです。ジャルジャル様、ありがとうございます。

そして、音楽にも救われた。
初めて外出自粛が要請された週末、お天気が悪かったこともありますが、まるで外には見えない魔物がいるかの如く、家から一歩も出ずに過ごしました。しとしと雨も相まって、夜になると急激に虚しさに襲われ、こんな時は無理に元気を出そうとせずに、音楽に身を委ねるのが一番なのです。

その翌日はまさかの雪。満開の桜に雪だなんて、なんて幻想的なのでしょう。しかし、この日ばかりは外に出て見に行くのも憚れました。自分が世界から切り離されていく。

<3/30>京都行き延期の決定と、怒りのピーク

外出自粛明けの月曜日、夫はいつも通り会社へ出勤していきました。
週末だけ家にこもったって、満員電車に乗って会社へ行ったら意味ないじゃん。如何にもこうにも不条理でしかなく、心はモヤモヤ。

そして、先行き不透明な中で京都へ行くことはリスクが大きいと判断し、京都行きを延期することにしました。

その夜、小池都知事が20時から緊急会見を行うとのことで、いよいよ緊急事態宣言が出されるのかとテレビ画面に張り付いて見守っていたところ…

この時が怒りのピークでしたね。笑
当時の都知事の会見では「重大局面」が繰り返されるばかりで、明確な補償の話は無しに、特定の業種を名指しで自粛対象としたりと、とにかく論理性に欠けた説明だと私は思いました。

<3/31>京都行きを諦め、気持ちを切り替える

都知事の会見から一夜明け、まだイライラは収まらないものの、京都行き延期を決定したことで、少しだけ気持ちの整理がつきました。

この記事を書いている今も改めて強く思うのですが、この正解がどこにもない状況下において、「いつでも明るく元気に頑張ろう」なんて無理。頑張ってどうにかなるものではないし、落ち込む時は落ち込むしかない。

とことん落ち込めば、そのうち落ち込むことに飽きてくるから、その時に頑張ればいい。この心持ちで乗り切るのだ。

ちなみに、その週の平日は未着手だった確定申告に追われ、その忙しさでどうにかメンタルを保ちながら一週間を終えることができました。
そして迎えた、二度目の自粛要請の週末

<4/4>気持ちの行き場がなく、狂ったように麹を作りまくる

なんだかんだで暇ということも無いし、初めてのオンライン飲みも楽しいし、おうち時間を充実させたりと、何かと楽しんではいたものの、夜になると、ふと虚無感に襲われました。

「本当は今頃京都にいたはずなのに」と。

そもそも私が京都へ行こうと決めた理由の一つに「人も自然も、みんな関係し合って生きている」という感覚を、京都での暮らしを通して学び取りたかったから。

それなのに、まさか都会の狭い部屋で誰とも会わず、膨大なインターネットの情報を収集しながら、買いたいものはamazonで注文し、Netflixで映画を観るというバリバリの現代型の"個"の生活しかできないなんて。

鴨川で広い空を見たい。
京都の町を自転車で駆け巡りたい。
農家さんに会いにいきたい。
醸造のお蔵さんに伺いたい。

…でも、どうにもならないことを思いつめるのは良くないぞと自分に言い聞かせる。でも、やっぱり気持ちは落ち込む。

そんな時に私を救ってくれたのが、麹作りでした。

この時ほど「都会から逃げ出して広い畑で農作業をしたい!」と思ったことは未だかつて無く(ろくに農作業やったことないけど…)、畑へ行くのが叶わない中でも、麹作りにはそれに近いものを感じました

麹菌の種をまき、温度や湿度に気を配りながら育てていると、これまた心が穏やかになるのです。

また、忙しい毎日ではなかなか麹を作っている時間は無く、なんだかんだで一人で最初から最後まで作ったことがなかったので、「いっそのこと、この状況を利用して麹名人になるのだ!!」と心に誓ったのです。

このような不可抗力な事態において、今置かれている状況に自分で意味を見出すことが、自分を救うことになるのかもしれないですね

<4/7>緊急事態宣言発出を受け、料理教室の中止を決定

いよいよ発出された、緊急事態宣言。「ようやく出たか…」と安堵する一方、相変わらず精神論ばかり語る安倍首相に辟易。…ということはひとまず置いておいて、いよいよ今月の料理教室の開催を自粛せざるを得ないことを悟り、中止を決定。生徒様たちに中止の連絡を入れ始めました。
今月は見事に全日程満席だったんだけどなあ…。

…生々しい話ですが、私はキッチン併設のオフィスも含めて借りているので、毎月のオフィス賃料がウン万円かかっています(いつもはレッスン料でペイできています)。今回は非常事態なので、オーナーさんの配慮により、キッチンのキャンセル料は免除していただきましたが、オフィス賃料は通常通り発生します。つまり、料理教室だけ見れば今月は完全にウン万円の赤字です。あいたたた…。

いっときは真っ青になりましたが、フリーランスにも最大100万円の給付があるそうなので、それを信じるしかありません。「条件はどうなってるの!?」とか喚いても、決まってこなければ分からないので、大人しく見守ることにしています。

また、ありがたいことに新規のお仕事もぽつぽつと頂けているので、なんとか生きていけそうです。お仕事を頂けるありがたみを、改めて実感しています。本当にありがとうございます…!!

<4/11>悟りの境地へ

初めての週末外出自粛から3回目の週末、いよいよ我を取り戻しました。
もがいたって、どうしようもない。今できることを、粛々と。

ちょっと前までは、「一体この先どうなるの!?」「国の対応遅すぎない!?」「自分に今できることってなに!?」などいろいろな感情が渦巻いていたため、読みたかった本を読み始めても頭に入って来ず、結局すぐにスマホに手を伸ばしてネットニュースやSNSを見てしまっていましたが、今は「家にいるだけで人の命を救えるのだ」と悟り、心穏やかな週末を送ることができました。

「時間が無限にあったらやりたいこと」をしまくっていた年末年始のように遊び呆けるつもりはありませんが、今の自分たちの暮らしを大切にしながら、私の場合は、自然が恋しくなったら麹を作り、エネルギーがあるときは自己研鑽に励み、心にゆとりがあるときは本や映画にたくさん触れ、無理して「コロナが終息した時に成長した自分になれるように」なんて気張らず、今この時間を大切にして生きたいと思います。

どうか皆様も、少しでも心身ともに穏やかに過ごせますように。

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