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京都での暮らし(6/28-6/29)

京都に来て、早1週間。
毎日がゆっくりと、しかしあっという間に過ぎてゆく。

6/28(日) 読書と昼寝と滋賀酒の休日

昨夜もお喋りに花が咲き、どっぷり夜中まで盛り上がってしまった。ファスティングの効果は絶大で、どんなに遅い時間に寝ても、毎朝6時前に目が覚める。

今朝の京都は雨。
昨日までの京都日記をゆっくり書いて、興奮した心を落ち着かせる。

2日に1回、近所の松井酒造さんに水を汲みに行っている。最近は、飲み水も料理用の水も、全て松井酒造さんの仕込み水。豊かな暮らしって、こういうことなのか。
隣のスーパーに寄って食材を買い出し、この日のお昼ご飯はガパオライス。

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Twitterでフードライターの白央篤司さんの投稿を見て無性に食べたくなり、角谷さんに頂いたバジルをたっぷり使って作りました。美味しかったなあ。

今日は日曜日なので、これといった仕事はせずに、ゆっくり読書。
うとうと寝落ちし、気づけば3時間も爆睡。
ぐうぐう寝ている間に、雨が上がったみたい。

晴れてきたので、哲学の道を散歩しよう。

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大好きな哲学の道が、家から歩いて行ける距離にある。
西田幾多郎に思いを馳せつつ、心を無にして耳をすませる。木々のざわめきと、鳥のさえずり。時々ゴーンと聞こえる鐘の音は、銀閣寺からだろうか。

京都に来てから、やたらと哲学的な思索に耽っている。
京都では、仕事に活かせるような良いインプットができているけど、それは決して本来の目的ではない。私が食の仕事をしているのは、私の中の一つの面なのであって、実はもっと本質的な部分がある。うまく言葉にはできないけれど、京都では、本当に本当の意味で自分と向き合えており、人生にとって、かけがえのない時間を過ごしている。むしろ、この時間のために生きていると言っても良いかもしれない。

そんなトリトメのないことを考えていたら、日が傾いてきた。
そうだ、今夜はオンライン滋賀酒の会「琵琶湖さかずき」に参加するのだ。蔵元座談会で私は吉田酒造さんチームなので、日本酒『竹生島』を買いに行こう。
しかし、お目当の酒屋さんは定休日。絶体絶命。

目を血走らせて竹生島を扱っている酒屋さんを探し回っていたところ、近所の日本酒専門店「yoshidaさかみち」さんに『竹生島』の文字があるのを目ざとく発見。無事にテイクアウトできました。期限付酒類小売業免許さまさま。
ついでに牛すじもテイクアウト。これすごく美味しかったから、次回は普通に食べに(もとい、飲みに)行きたいな。

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夕方は近所のカフェでまたまた読書。
おしゃれカフェ風なのに、エンドレスでストーンズが流れているし、司馬遼太郎が置いてある。これは今後入り浸ることになりそうだ。

「ビンタン食堂」さんで生春巻きもテイクアウトし、スタンバイOK。
(光栄菊の中身は、テイクアウトした竹生島です)

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滋賀酒ラバーによる、滋賀酒ラバーのためのオンラインイベント。
滋賀のお酒は、飲み手が積極的にアクションを起こしているからすごい。

モデレーターは、滋賀酒を愛する家鴨あひるさん。ずっと昔から滋賀酒の普及に貢献されてきた、すごい方です。ボランティアで活動されているというのだから、頭が上がらない。これが無償の愛というやつなのか。

面白かったのは、蔵元さん同士で質問をし合っていくコーナー。
最近山廃仕込みを始めたという初桜さんから、不老泉の上原さんに、"山廃仕込みの秘訣"について質問。乳酸を添加せず、蔵にいる乳酸菌の力で酛を立てる山廃仕込みは、最初の立ち上げが難しいそうなのです(最初は蔵付きの乳酸菌があまりいないため)。
そんな質問に対して、「最初に硝酸還元菌をしっかり増やすのが何よりも大事。1日目〜7日目までに、いかに亜硝酸反応をさせられるかが勝負。あとは自然に任せればいいよ。」と、上原さん。いちいち語り口がカッコいい。
なるほど、最終的には全滅する硝酸還元菌が最重要であるというのは、興味深い。また上原さんにじっくりお話を伺いたいな。

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吉田さんとの座談会もとても楽しかった!4年ほど前に蔵に伺ったのですが、私のことを覚えていてくださっていて嬉しい。(あの時は化粧ポーチを忘れてほぼスッピンで蔵に伺うという無礼を働いた。ごめんなさい。)
吉田さんは前季からワンオペでお酒を仕込むことになったそうなのですが、相変わらずヨキトギは美味しかった。「とにかく良い麹を作れば、良い酒ができる」と仰っていて、やっぱり日本酒は微生物をいかにコントロールするかが肝なのだと思った。

滋賀の酒蔵さんはみんな仲が良いらしく、お互いを尊重し合っている様子にグッときた。私は日本酒の味はもちろん大好きだけど、それ以上に"日本酒を通して見えてくる人間の魅力"に惹かれている。
美味しい滋賀のお酒とおつまみと、楽しくて勉強になるお話、京都の夜風。
落ち着けたはずの私の心は再び熱くなり、いても立ってもいられず、またまた蓮さんへダッシュ。優しいお燗にぬくぬく浸るほどに、心はゆるゆるとほぐれていく。

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店主の優さん、ある小説に出てくるカレーの描写に魅了されて、同じような味のカレーを探し求めているらしい。そういうの大好き。

6/29 (月) 京都ぐるぐるサイクリング

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昨日も夜中2時半頃に寝たのに、シャキッと6時起き。
睡眠の質が上がったのはあるけど、もうちょっと寝ないとお肌に良くない。

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朝からサイクリングに出かけたら、サボテン屋の駒さんに遭遇。ご挨拶しようと何度もお店を覗いたけどなかなかお会いできず、まさかこんな早朝に会えるとは。
久しぶりに会った駒さんは、また色々と面白いことを始めていた。
京都に来るたびに遊んでもらっていたけど、これからはご近所さんとしてお付き合いできるのが嬉しい。駒さんと出会えたから、私は本気で京都に住みたいと思ったのだ。

また今度、会う約束をした。

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この日は、本当に気持ちのいい朝だった。
湿度が低く、涼しくて、カラッと晴れた清々しい朝。

朝ごはんを食べようと、市中を自転車でぐるぐる。
京都はモーニングをやっている喫茶店は多いけれど、今朝はなんだか「塩鯖定食」なんかを食べたい気分。しかし、朝営業されている定食屋さんがなかなか見つからない。

気づけば朝ごはん難民となり、2時間近くサイクリング。
たどり着いたのは、元田中の定食屋さん「ケニア」。
店名のイメージとは程遠い、昔ながらの学生向けの定食屋さん。

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『鯖味噌煮牛丼』という謎のパワーメニューを頼んだら、「こっちのがウマいで」と言われ、半強制的に『ぽん唐定食』を頼むことに。500円+10円(この10円が謎)で、このボリューム。ぬか漬けも美味しい。トレーの右上の余白は、「余白の美学」というべきものなのか。じわじわくる。

50円で追加できるサラダを頼もうとしたらデフォルトで付いていたし、朝ごはんメニューはオール500円均一なのに、『ワンコイン定食』という名の目玉焼き定食のメニューがあり、ツッコミどころ満載。全部ワンコインやん!
こういうお店大好き。

いつか、『鯖味噌煮牛丼』をリベンジしたい。

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午後は、お買い物をしたり、本を読んだり、料理をしたり、ちょこちょこ仕事したり、美容院に行って髪をバッサリ切ったり。角谷さんに頂いたビーツで作ったスープ、美味しくできた。

夜は、またまたシェアメイトと語らいの時間。
生物学が専門だという理学部の院生と、生物学の視点で発酵についてのあれこれを。発酵って、要は微生物の働きによるものだから、生物学がベースになってくるのですよね。それにしても、生物の系統樹は難しくて未だによく分からない。

その院生の子は、「そもそも"微"生物と名付けるのって、微生物に失礼じゃないですか?」と。いい意味で視点がやばい。このシェアハウス、頭良すぎてぶっ飛んだ人が多くて最高。

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無性に食べたくなって、ゴーヤーチャンプルー。
オリオンビールほど、ゴーヤーチャンプルーに合うビールはあるまい。
京都の夜は長い。

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