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366.十分に発達した科学技術は、魔法と見分けがつかない

表題の名言をご存知でしょうか。

クラークの三法則の第三法則です。

「十分に発達した科学技術は、魔法と見分けがつかない。」

世の中ブラックボックス化が進んでいます。

スマートフォンがどういう仕組みで動き、通信をし、電話ができてSNSが投稿できるのか。
電子レンジがどうして物を温めることができるのか。

こうした身近で何とかイメージできそうなものもあれば、ChatGPTがどうやって人間との会話を成り立たせているのか、自動運転はどのように実現が可能なのか、説明されてもわからないような現象もすぐそこで起こっています。

ただこれは科学技術だけでなく、全ての分野において起こっていることではないでしょうか。

目に見えないものを信じることができるかどうか。
最新技術やその道の一流の人はきっと、そういった見えない世界の領域に存在していると思うのです。

まあ、よくよく考えればわかること。

足先の力を順番に伝え、バットの先でボールに伝えて解放する

例えば僕の経験からいうと、14年間取り組んできた野球の感覚。

バッティングに関しては足先から内転筋、股関節を通して力を身体の内側に閉じ、しならせた腕を通じてバットの先まで伝える。
まるで釘を打つハンマーのようにボールに対して打点で力を解放させる。

守備に関しては、僕は外野手のど真ん中のセンターを守っていました。
見逃し方でどっちに飛んできそうか予想ができます。
ピッチャーが投げてからバッターが打つまでに、左足をほんの少し後ろにずらすことによって、打球に対する一歩目の出方を調整していました。

と、まあ文字だけでは意味不明な感覚だと思います。
実際に見ていても、多分わからないと思います。

そんな領域で野球をやっていました。
ただ、プロ野球選手や20年以上やっている人はもっと研ぎ澄まされた感覚があるかもしれません。

同じように、達人、名人、プロと呼ばれる人には、一般人が見たところで到底理解できない世界で生きていることがわかると思います。

見ただけで理解しようとするのは傲慢にも程がある

合気道の達人に、塩田剛三という伝説の方がいらっしゃるそうです。

その方のお孫さんもまた合気道の道を進まれていますが、YouTubeチャンネルを開設されており、当時の塩田剛三氏の映像が見られます。

こういった映像を見ると、「弟子がヤラセでやっている」などという声が飛び交います。

個人的には経験も知識もない人が何を言っているんだと思いますが、確かにどうしてそれで立てなくなるのか全然わかりません。
お弟子さんが気を遣って倒れているように見えなくもないですが、それほどうまく受け身を取らないと関節かどこかが破壊されてしまうのだろうかとも思います。

知り合いに少林寺拳法の実力者がいるのですが、「ちょっと立てなくなる感じでやってみて」と頼んでみたら本当に手をちょっと撚るだけで身体がそう動かざるを得ないほどの強制力を体感しました。

合気道とは別ではありますが、きっとこのような人体についての学問を知り尽くしてそのような領域に至っていくのでしょう。

特に数十年その道を極めてこられた方の為す技なんてものは、素人には到底理解し難い現象が起こっているようにしか見えないのでしょう。

それこそ例えるなら、江戸時代の人が電子レンジで物を温めたときの驚きのようなものかもしれません。

そういった、目に見える現象の裏で起こっている本当のことは、頭で理解したところでそれでもまだ訳がわからないものだと思うのです。

訳のわからない世界にこそ飛び込む価値が眠っている

何かにチャレンジするとき、先人や先生、師匠など教わる人がいるでしょう。

正直、最初はその凄さが目に見えてわかるものではないと思います。
なぜかというと、本当に凄さを感じるステージに自分がまだいないからです。

とんでもない科学技術が誰にでも使えるようになっているように、凄さというのは度を超えるともはや凄くないように見えてしまうというのも、もしかしたらこの世界の真理なのかもしれません。

何がそんなに凄いのかわからない、でも凄いらしいとか、何か感じるとか、そういった感性は働く。

もしそういった場があるとしたら、それこそ飛び込んでみる価値があるものかもしれません。

きっと教えてもらっても完全に腑に落ちることはないです。

すべては自分で気づくか、自分で体験するか、それでしか自分を納得させるものはないのですから。

わかる世界だけで身の回りを固めていると、訳のわかる未来しか訪れません。

時には訳のわからない世界に踏み込んでみて、今の自分では想像もできない未来を手にしてみてはいかがでしょうか。

それこそが、人生の可能性。

だから世界のブラックボックス化は、これからも永遠に続いていくのです。

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