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江戸時代を楽しむ・大岡越前と新田開発

 地域史の勉強会に参加すると、しろうとながら、notoとかに江戸時代が載っていると、思わず寄り道してしまうようになる(あるある)
 今日は大岡越前の別の顔に驚いた。

大岡越前の第一印象

 テレビの時代劇、祖父がチャンネル権を握っていたころ、それしか見られなかった記憶がある。あと、大相撲と。
 そんなこんなで、『大岡越前』もテレビで見た。『三方一両損』とか、お白州での一休さんぶりが何とも爽快に描かれ、市井の方との印象だった。

新田開発のエキスパート

 さて。その大岡越前と再会したのは、地域史(武蔵野の新田開発)の代官の本なのである。
 大岡越前の手下に、代官の主たるお仕事<納税と訴訟>を取り扱わないエキスパートがいた、というのだ。

 大岡越前は、第8代将軍・徳川吉宗(江戸の中興の祖)の側近として、40歳で南町奉行に就任。「享保の改革」では、徳川吉宗を支えたナンバー2。

Wikipedia

 おおっとぉ。資料を見返してもう一度驚いた。大岡越前は、町奉行。
 新田開発=関東支配は勘定奉行のお仕事のハズ・・・(ここはすぐ理解できないであろうことなので・・そっとしておく) 

 大岡越前配下のメンバーは、以下の通り。
 彼らは、新田開発のエキスパートとして登用された。

大岡配下の代官グループ1722-1745
 岩出藤左衛門信猶 1722-1732 小普請→代官
 荻原源八郎乗秀  1722-1734 小普請→代官
 小林平六     1722-1729 浪人→元締手代
 野村時右衛門   1722-1729 浪人→元締手代
 田中休愚喜古   1723-1729 元川崎宿名主
 蓑笠之助正高   1729-1745 猿楽師
 田中休蔵喜乗   1730-1740 喜古の子
 上坂安左衛門政形 1732-1743 町奉行与力→代官
 川崎平右衛門定孝 1739-1745 押立村名主
※ みんながずっとチームを組んでいたわけではない

 1744年、大岡越前は政界を引退し、武蔵野台地の新田に関しては、関東郡代・伊那氏の支配になる(すみません、他の地方は誰が引き継いだか、調べる気がなえてしまい・・・根気がなく・・・)

 私は1840年ぐらいに興味があるだけなので、大岡越前は100年前の方だから、この代官の本を読まなければ出会えなかった情報。
 上の表にある小林平六と野村時右衛門(ともに浪人→持締手代)は、一説には紀州浪人で、上総国東金(東金市)の開発を目安箱へ投稿したことを契機に、大岡越前に見いだされて、新田開発に着手とある。
 でも、全然うまくいかず、年貢を払う約束の年には収穫に結び付かないまま、借金(開拓資金から名目外に引き出した件)も明らかになり、首になってしまう・・・これも後の話。

武蔵野台地の新田開発

 大岡さまの目的は、江戸市中。江戸の市井への野菜等の供給を目的として事業を開始した、とのことです。武蔵国一円について事業を着手。
 ここでは、武蔵野台地関連に注目。

川崎平右衛門さんへの感謝の行事

 Wikipedia

まとめ

 江戸時代って、すごい土木工事が何件もある。
 荒川や利根川の流れを替えちゃったり
 埋め立てを精力的に・・・どんどん海を陸に変え(これは、小氷期と関係あり。海が50センチも低くなって、海退が起ったため、今まで遠浅だったものが、現れて!・・・火山噴火で火山灰がすごい量降ったこととも、関係がある模様・・でもこれは別の話)
 
 そして、それらのファンダメンタルの上に、新田開発はある。

 もちろん、大工事で終わりでなく・・・工事は続くんだろうけど。
 例えば、新田開発のために、水を引いたり、貯水池を作ったり、堤を築いたり、山を崩したりといった工事がありそう・・・

 仕切り直して
 江戸時代初期の川の流れを変えたりといった工事の後にできた新田は、田圃で、しかもコメの収量も多い、すごい開発だったそうだ。
 江戸中期になると、すぐには開発できなかった荒れ野などを開発していったから、初期とは別の苦労があって、しかも、収量もそんなでもない(江戸末期までには倍増しているところ多し)。
 アイディアと、新作物(例えば芋とか、大豆のように痩せ地でもOKなもの
)、金肥があればどうにかなるという研究というか、そういう、経験だけではない知識が必要だったみたいだ。 

 つまり、大岡越前は、新田開発の必要性を痛感し、エキスパートを探す力もあって、成功に導いた。・・・20年で土地は出来ないのかもしれないけど、事業はちゃんと引き継がれていた。
 それにしても、それを実現させた「代官」たちは、身分は低かったかもしれないけど、すごい仕事師だ!

 ・・・

 新田開発は、お金がかかるし幕府はお金がないんだし(投資家が必要)、土地ができたら入植者を探して、その家族を支えなくてはならないし、ああ、たいへんだったんだなぁ、と、本に向ってためいきついたりしている。

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