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夜の時間

夜の底に大したものはない。
若いという時間が終わりかけていた頃の話ですけど。
そんなふうに考えたことがありました。悟った風に。
それでもまだ夜な夜な飲み歩いていた時代の話です。

その夜の一杯目の酒は美味いものです。
日中がどんなにしんどかったとしても、グラスの中で揺れる琥珀の液体は気分を高揚させてくれます。夜の始まりです。
テーマパークの門をくぐった時の気持ちに似てるんですかね?
よし、隅々まで楽しんでやろう、みたいな。

一杯目を飲み干した時点ですでに心は躍っているわけですから、もう一杯飲んだらもっと楽しくなるのでは、と杯を重ねていくわけです。
夜は入り口ですでに楽しい。もっと奥に、もっと深くに行くともっと楽しいはず。
アホな理論です。
まあ三杯目くらいまではこの定義が当てはまるとして。
果たして数時間後、一人の部屋に白々とした朝日が差し込んできた時に、ああ、夜の底には大したものはなかったな、と毎回思うわけです。

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