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まだ受け入れきれてないこと

昨日は本屋さんをふらふらして、ずっと気になっていたヒグチユウコさんの絵本を買いました。

家に帰ってワクワクしながら本を開いたのですが、12ページ目にして手が止まってしました。
この一節で、一気に過去に引き戻されたから。

さわった子はつめたく
やわらかいはずのからだは
そとに放り投げられたぬいぐるみのようです。

ヒグチユウコ「いらないねこ」より

2020年5月に、実家で飼っていたうさぎのむぎちゃんがこの世を去ってしまいました。

仕事中に母からLINEをもらい、夜、急いで実家へ向かいました。

ケージに横たわるむぎちゃん。
2ヶ月ほど病気で酸素室に入っていたのですが、本当に痩せてしまって。

私はむぎちゃんの前足を撫でました。
足触ると怒るから、あまり触ることはなかったけど。
その時の感触は「いらないねこ」の一節そのままでした。

かたくて、冷たいともいえない、温度がないかんじ。

亡くなった祖父母や親戚、昔飼っていた犬も、その瞬間から何か別のものになってしまう。
同じ空間にいるのに、一緒にいない。
あの隔たり、一体なんなんだろう。

そうしてむぎちゃんはいなくなりました。
私の宝物だったのに。

むぎちゃんも、その前に飼っていた犬のホームズのことも、いまだにいないことが腑に落ちてません。

頭では理解してるんですが。
今はどこか違うところにいるだけみたいな。
そんなことはないんですが、そういうふうなんです。

気持ちが整理できてないということなんでしょう。
整理した方がいいに決まっているんでしょうが、整理するのが怖いです。
永遠に失うことに等しい。
そう感じるからです。

こういうのペットロスって言うんですよね、きっと。
治そうとする人たちがいるけど、治すが正しいのか、乗り越えるだけが強さなのか、もやもやし続けるのは心が弱い証拠なのか。

わからないけど、ホームズやむぎちゃんはずっと私の宝物です。
うちに来てくれてありがとうね。

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