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映画の感想。主に、おうち時間、amazon prime videoで見てます。
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映画『さいはてにて やさしい香りと待ちながら』

映画『さいはてにて やさしい香りと待ちながら』

2014年製作/118分
監督:チアン・ショウチョン/出演:永作博美、佐々木希

澄んだ青空・青い海を見て
静かな波やコーヒー豆の音を聞いて
やさしいコーヒーの香りを感じる作品

仲間と共に漁に出たまま戻らない
子供の頃に別れた父親を
思い出の場所で静かに待ち続ける主人公岬

向かいの民宿に暮らす絵里子家族や小学校の先生
漁に出て戻らない家族を待つ人々との時間も
何らかの辛さを抱えているからこその

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映画『祈りのちから』

映画『祈りのちから』

2015年製作/120分/米
監督:アレックス・ケンドリック

「祈り」をテーマにレポートを書く課題があって、参考に鑑賞。

夫婦間の人間関係に悩みを抱える妻の「祈り」によって、人生が好転していくお話。

キリスト教のお話なので、バックボーンによって、抵抗があるかもしれない。でも、宗教のあるなしに関係なく、人間関係で悩んだことのある人には、学びのある映画かもしれない。

アドラーも言ってるように「

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映画『しゃぼん玉』

映画『しゃぼん玉』

2016年製作/108分
監督:東伸児/原作:乃南アサ/出演:林遣都・市原悦子・綿引勝彦

林遣都さん演じる主人公の再生のものがたり。
2年前に亡くなった市原悦子さんの遺作映画となった作品。

舞台となる宮崎県椎葉村の山間の景色。ほかほかごはん。
言葉少ないけど「ぼうはええ子じゃ」と温かいまなざしを注ぎ続けるばあちゃん。
手も出すし時に言葉も厳しいけど、根底には愛のあるしげじい。

日本むかし話を

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映画『レンタネコ』

映画『レンタネコ』

2011年製作/110分
監督・脚本:荻上直子/出演:市川実日子

「寂しい人にネコ貸します」

ネコ好きで、荻上直子さんの描く人物や暮らしが好きな私には、お気に入り。昨年末に観た『彼らが本気で編むときは、』の方がさらに好きだけど、これはこれで、ネコがたくさん出てくるし、主人公の住んでいるおうちの雰囲気も好み。

主人公が、実は、一番ネコに心の穴ぼこ埋めてもらっていて、その恩を他のさみしい人にも送

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映画『ツナグ』

映画『ツナグ』

2012年製作/129分
監督:平川雄一郎/原作:辻村深月/出演:松坂桃李・樹木希林

樹木希林さんの出演する映画を観たいなと思って選択した『ツナグ』。

『ツナグ』の仕事をつなぐ家族。その仕事をつなぐ中で、喜びだけでなく、悲しみも背負う。

悲しみや後悔といった胸の痛みをいくつも感じたものの、最期には静かに温かく、「さあ、明日へ」という気持ちになる映画だった。

心に響く言葉もたくさんあった。

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映画『チア男子!!』

映画『チア男子!!』

2019年製作/118分
原作:朝井リョウ/監督:風間太樹/出演:横浜流星・中尾暢樹・瀬戸利樹

「誰かの背中を押すことが、自分の力になる」

元気をもらえる映画を観たい!!と思って選択。
チアに、文字通り、元気をもらいました。

それぞれのメンバーに「ものがたり」があって、
チアの練習が進む中で、関わり合い、変化していく。

思いをまっすぐに伝え合うことの大切さを改めて感じました。
「助けて」っ

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映画『長いお別れ』

2019年製作/127分
監督:中野量太/出演:蒼井優・竹内結子・松原智恵子・山崎努

やさしい気持ちをくれた作品。

「見たいな」と気にかけていたのだけど、日々の仕事にごく近い作品なので、日常に追われている中では、鑑賞することをなんとなく避けていた。冬休みに入って、気持ちにゆとりができて鑑賞。

アルツハイマー型認知症の家族を看る10年の家族の時間を描く作品。
原作者 中島京子さんが、父親を介護

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映画『コーヒーが冷めないうちに』

2018年製作/116分
出演:有村架純・伊藤健太郎・林遣都・石田ゆり子・薬師丸ひろ子

「たったコーヒー一杯分の時間でも、心は変わる」
希望を見せてくれる、心が前を向く、光を感じる作品

「本屋大賞2017」にノミネートされた川口俊和さんの同名小説が原作

過去は変えられなくても、未来は変えられる
その未来を変えるのは、「心」だ
「心」が動けば行動が変わる
行動が未来を創る

作中の薬師丸ひろ子

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映画『彼らが本気で編むときは、』

2017年製作/127分
監督:荻上直子/出演:生田斗真・桐谷健太・柿原りんか

切ないんだけど、やさしい気持ちになる作品

「普通」ってなんだろう…

子育てを放棄してふらっと家出し、ふらっと帰ってくる母親
介護施設で穏やかに働き、恋人の姪を母性で包み込むトランスジェンダーの女性
トランスジェンダーの女性を誠実に愛する男性
男の先輩に恋をし、ラブレターをしたため、それを母親に否定され自殺未遂する

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映画『羊と鋼の森』

2018年製作/134分/監督:橋本光二郎/原作:宮下奈都
出演:山崎賢人、三浦友和、鈴木亮平、上白石萌音、上白石萌歌

2016年本屋大賞を受賞した作品。
将来の夢も希望もなく生きていた主人公が、高校でピアノ調律師と出会い、
生まれ育った森から出て、ピアノ調律師を目指す。専門学校を出て、新米調律師として働く。自分に「才能がない」と悲観的になりつつも、調律を通して知り合った人々との関わりによって、

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映画『ダンシング・ベートーヴェン』

2016製作/83分/スイス・スペイン合作

「ベートーヴェンは第九を作曲した当時、すでに聴力を失っていた」
「ベジャールの第九は音楽を見るための試みといえるのでは」

第九、歓喜の歌

今年はベートーヴェン生誕250の年。
第九のバレエがあるとは、この映画で初めて知った。

先に音としてよく耳にしている楽曲。
その音のひとつひとつが、ダンサーによって視覚化されていく。
「音楽を見る」という表現が

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映画『日日是好日』

新しいテレビで時間の使い方が変わりそう...と昨日記事に書きました。
そして、早速、映画見ました!

『日日是好日』
2018年製作/100分
監督:大森立嗣/出演:黒木華・樹木希林・多部未華子

所作、着物、お茶の道具、お菓子、空間(お茶室、掛け軸、お庭...)
全てがシンプルで美しく、整っている。

風・雨・水の音、季節や時間帯によって変わる光、季節感あふれる花木...
樹木希林さん演じる先生

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