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【詩】それ以上の

奇跡というものがあるのなら
引き寄せてつかみ取り
抱きしめたい


スーッとカラスの翼をつけた
悪魔がかぁと鳴く


一羽二羽と近くに降り
静かにこちらを見定めては
近づく


餌を狙ってあるように
餌食はすぐそこにあるように


それでもたじろくことなく
唇をかみしめ
負けやしないと腕をくむ


焚火をし薪をくべ
絶やすことなく
火をつけ続ける


漆黒にはさせない


大丈夫

大丈夫

大丈夫


頭の中に響く声


根拠のないもの
きっと何もかも
絶望を手繰り寄せる
自分自身が

きっと奇跡があると言いながら
自分でそれを否定して
膝をつく


何にも代えがたいもの
それは大丈夫なところに
現れる


ここにある枯れ葉が
全部新緑に変われ

緑色の海が透き通る水になれ

霧に覆われた道の
霞を取り除け


きっとそうなる


望んでいなかった形で
鳩が悪魔を蹴散らし
一つの羽を目の前に
ひらりと置く


望んだ以上のもので
目の前を明るくする



それを奇跡と呼ぶ









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