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想像力と共感力

水曜日担当、公認心理師の高杉ゆう子です。
受験期も終盤、いよいよ卒業シーズンですね〜🎓
毎年のことながら、今年も6園ほどにお祝いのアレンジメントをお送りしました。
みんな、素敵な1年生になるんだろうな…

さて先日、あるお母さんから、何気に話しかけられた内容が、なかなか深かったので、そのエピソードを…

あるスポーツクラブでのこと。
その子は球技が好きで、いつも1人で練習していたところ、それならば…
と、入団して来たのだそうです。
親御さんは、練習場所がなくなってしまったので、
仕方なくスポーツクラブに入れた…
と、おっしゃってたようで…

まず、ここで違和感。
「仕方なく…」って何だよ…と。

ま、話の焦点はそこではなく、とある日の練習で起きます。
割とハードなスポーツなので。だいたいみんな、飲み物を持ってくるのですが、
そのお母さんは、忘れた子はいないか、確認していたのだそうです。
確認の時は、自分のドリンクはある旨を伝えたその子。

確認していたお母さんは、飲み物を持ってない子に、
「ドリンクを買って来てあげるよ‼️」
と、伝えたのだそうです。

すると…

自分の飲み物は持参している…
と、告げたはずのその子が、飲み物は持っていない…
と、後申告。
その時点で、確認したお母さんは不快に思い、
「なんでそんな嘘つくの❓」
と、注意したんだそうです。

で、そのお母さんは、その時、自分はどうしたら良かったのか…
と、私にエピソードを打ち明けてくれました。

💡ここで想像力発動💡

いろいろポイントはあると思うのですが…
咄嗟にそのような嘘が出るということは、普段からそういう嘘をついてるってこと。
では、その背後に何があるのでしょう…🤔

⚫︎日常的に、親が、自分の行動を誤魔化すための嘘をついている。
それを真似して、嘘をつくことに何の罪悪感もない。

⚫︎日々の暮らしの中で、嘘をつかないと、自分を保てない環境で育っている。

私が想像できたのは、この2つでした。
まず、親の仕事や思考から、親が「嘘も方便」と、思っていたら、子も、その考え方を受け継ぎます。
だって、日常生活が「嘘も方便」で流れているから。
親にとっては、ほんのちょっとの誤魔化しの嘘も、子どもは的確に見ています。
そりゃ、真似するでしょ。
経験値がないからバレるだけで。

もう一つは、嘘をつかなければ、自分のいのちが危ないくらいの生育環境にいる。
これも、結構な割合で存在すると、思っています。

虐待のニュースが出た後に、
「まさか、あのお母さんが…」
とか、
「ふだんは、子煩悩で優しそうなお父さんでした」
とかのコメントは、よく聞きますよね。
でも、現代社会は核家族化しているので、家庭同士が分離され、家庭内で、どんなことが行われているのか、どんなやりとりがされているかなんて、
我が子の家庭でもわかりません。

そして、子どもはある程度の年齢まで、愛情を100%親に向けてます。
どんなに酷いことをされてても、親を庇うんです。
自分が悪い…と、本気で思ってる。

嘘をついた彼が、もし、こんな背景を持っていたとしたら、いきなり頭ごなしに怒れますか❓

子どもとだけでなく、人との関わりの中で、
相手に対する想像力を、どれだけ働かせられるか…
これは共感力ともいいます。
どうやら日本人は、共感力に秀でているようなので、
これからの時代の必須能力になるだろうな…
と、私は思っています。

想像力と共感力、豊かな人を目指して…
今日も良き1日を…

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