銀行員の仕事   (番外編)_0_Excel_1

田中はEXCELに関心を持った。

本部から配布された決算書分析ソフト(EXCEL)は、非常によく出来ており、セルの計算式を見る事でキャッシュ・フロー計算書に対する理解も深まった。

そして
「日々の管理資料の作成」をEXCELで行う」事を思いついた。

土、日曜日を活用し、EXCEL関数により「訪問日誌、ネタ管理表、期末融資平残予測表」を作成した。

※ネタ管理表とは、「新規融資」「既存融資先への融資増額」「信用保証協会付融資」等の見込先を一覧表にしたもの。実行見込の高い準に確度A,B,C,Dを付け、毎週、確度毎に、件数、金額を手作業で集計する。

※期末融資平残予想表とは、「現在の自店の融資平残、既存貸金の返済日•返済額、融資案件の実行日•融資金額」を元に計算し、期末融資平残を算出するもの。
営業チーフが作成するが、平残の算出は、貸金1本ごとの期末までの日数を算出する必要があり、手作業で行うと、半日はかかる面倒な事務作業である。

期末融資平残予想表のEXCEL化は、営業チーフからとても喜ばれた。

営業チーフは、期末が近づくと支店長室に頻繁に呼ばれ、期末融資平残目標の達成見込について、支店長から詰められる。
グラフ化された期末融資平残予想表は、説得力があった。

しかし、訪問日誌、ネタ管理表のEXCEL化は、営業課の先輩行員から、激し反発を受けることになる。


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