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【はじめての商談会】2022年2月 大日本市

 わからないことだらけの商談会に向けて、何を準備し、何が良かったのか何が足りなかったのか、など振り返って今後に繋げたいと思います。商談会って何?という方にとっても、何かお役に立てるのではないかと思います。

 2022年2月に東京・恵比寿で行われた「大日本市」に出展しました。大日本市は中川政七商店さんが主催する商談会です。私としても播磨屋茶舗としても、はじめての商談会でした。

大日本市とは

 まず大日本市の紹介と、出展の目的についてご説明します。

2022年2月に開催された大日本市

中川政七商店主催の工芸に特化した合同展示会「大日本市」は、"日本のいいものといい伝え手を繋ぐ"をミッションに、全国の工芸メーカーと小売店バイヤーが集う場として、約3,000名の来場規模に拡大してきました。"暮らしを愉しむものづくり"をテーマに迎える第8回は、初出展となる19ブランドをはじめ、過去最多73社の日本のものづくりが一堂に会します。
(中略)
大日本市は見本市ではなく商談会。各ブースでは日本のものづく
りに触れながら、その場で商談・注文することが可能です。普段は
なかなか出会えない全国各地のつくり手と直接繋がれる機会とし
て、ぜひご活用ください。

中川政七商店HP

 上記引用部にもあるように大日本市は全国からバイヤーさんが来られたり、またメディア関係者の方も来られます。バイヤーさんは、雑貨店やライフスタイルショップを運営されている方が多く来られます。出展者は、主に工芸や雑貨などですが、一部弊社のような食品を扱う会社さんも来られています。

 弊社は2021年の10月に自社ブランドt to(ティートゥー)を立ち上げたばかり。自力で取引先を増やすことやメディアに取り上げてもらう事は難しいので、大日本市には出展したいと思っていました。

 ですので出展の目的は、「取引先を増やす」「メディア露出を増やす」の2点です。

準備したもの(什器)

 さて、出展が決定したものの、具体的に何を準備すればよいのか。。。
なにせ会社にもノウハウはゼロです。

 そこで、知人に、什器等作成できる方を紹介してもらい、ブースの作り方など丁寧に教えて頂きながら作りました。実際にt to(ティートゥー)の場合はどのように考えたのか、流れをご説明します。

 まず、どんな世界観を目指しているのか、参考になる画像を探します。ブランドを作る際にだいたいどんなイメージなのかはあるかと思いますが、お店になった場合はどんな空間なのか、どんな質感の素材を使用するのか具体的にイメージしていきます。

 次に「ブースで何をするか」です。t to(ティートゥー)は、お茶という商材の特性上、試飲してもらえるならその方がより商品の良さを知ってもらえます。なので物販スペースと試飲スペースが必要になります。

 こうしてブース内で行う動作が決まったので、什器の高さや幅などが決められます。またお客さんの層によっても什器の高さは変わります。t to(ティートゥー)の場合、女性が多いのであまり高くなりすぎないようにしました。そして、会場の動線やブースのサイズを見ながらレイアウトを考えます。

大日本市での実際のレイアウト

 最後に、POPの作成です。ポップアップや大日本市の時点では、これがかなり甘かったと反省しています。詳細はのちほど。。

 補足ですが、商談会では什器の貸し出しもあります。大日本市は、一部有料ですが、基本的な什器は無料で貸してくれます。
 ブランド立ち上げ期に什器までお金をかけるのが大変ですし、自分が作りたいブースの具体的なイメージができてから什器を作るのも手かと思います。
 t to(ティートゥー)の場合は、商談会だけでなくポップアップもたくさん出ようと思っていたので、最初から作りました。

心斎橋パルコでのポップアップ

準備したもの(資料)

 什器の次は、商談で使用する資料を準備します。什器についても正直商談会でどんな反応されるかわかりませんでしたが、もっとよくわからなかったことが「商談の流れ」と「必要な資料」です。

 ポップアップなど直接お客さんに買ってもらうのであれば、流れはイメージできます。が、商談会については「どうやったら受注になるの?」というレベルの理解度で、どんな資料を作れば良いかわかりませんでした。

 そこで大日本市担当の方に相談したところ、準備しておいた方が便利な資料3種類をお送り頂き、(ありがとうございました!)「注文書」「お取引条件」「お取引先情報登録書」の3点を作成しました。

 「注文書」はExcelで作成しました。商品名や価格、ロット数を記載しており、大日本市では即時受注を推奨していたので、発注数量を記入できるようにしました。ただ、注文書は表なので文字が小さく画像もないため、別途「商品リスト」も作成しました。

注文書
商品リスト

 「お取引条件」は、掛け率や送料、支払い条件について記載している資料です。資料としてまとめていない出展者さんもいるそうで、バイヤーさんからは「わかりやすくて良い」と言って頂けました。

お取引条件

 「お取引先情報登録書」は、お取引先さまの請求先や納品先などの情報をまとめておくためのもの。こんな資料まで当日書いてもらうなんてめちゃくちゃ難易度高くないか、、と思っていましたが当日書いてもらう必要はありません。受注が決まればメールでお送りして、記載して返送してもらうようにお願いすれば大丈夫です。

 こうして資料は作成できましたが、当日を迎えるまでは実際にどのような流れなのかイメージできませんでした。

 そんな私が、大日本市を一度経験して感じた受注までのステップを私なりに整理しました。「足止め」「ブランド説明」「質疑応答」「名刺交換」「フォローメール」です。

 バイヤーさんが足をとめてブースをみてくださり、会社やブランド、商品の説明をします。興味を持って頂けたら取引条件などを聞かれます。もちろんプレゼンではなく会話なので、何を聞かれて何を説明するかはその時々で違います。接客の腕の見せ所です。
 その後、名刺交換出来た方には、商談会終了後にフォローメールを送り、受注に繋がれば完了です。

良かった点

 では、実際に商談会を終えてみて良かったと感じた点を振り返ります。3つあります。

 まずは、オリジナルの什器を持ち込んだことです。バイヤーさんはオリジナルの什器かそうでないかは分かります。オリジナルの什器を使用したことでバイヤーさんの目を引くことができ「什器までこだわっていて良いですね」と言って頂けました。

 2つ目は、試飲ができたことです。味には自信がある商品ですが、説明したところでなかなか伝わりません。ただ、飲んで頂けた方は、その後もっと前のめりに説明を聞いてもらえるようになりました。
 また、試飲をすすめる時も少し工夫しました。「良かったら試飲もできますので」と言いながらコップにお茶を入れてしまうという作戦です。
 興味があっても実際に試飲するまでには意外と心理的ハードルがあります。しかし実際に準備されると断る方がハードルが高くなり、飲んでもらえる確率が一気に上がります。

 3つ目は、純粋に「経験」です。バイヤーさんとお話する経験はなかなかないので、どんな説明が刺さっていそうなのか、どこに何をおけば前を通った時に興味を持ってもらえるか、会期中も試行錯誤しました。そこから、次回への反省点も多く見つかりました。

反省点

 そして、はじめての商談会を終えて感じた反省点についても振り返ります。一番の反省点は「足止めが少なかった」点です。そこについてもう少し具体的に振り返ります。

 まず、「準備したもの(什器)」でも触れましたがPOPが甘かったです。値札POPと商品説明のPOPを作りましたが、文字が小さいので通りかかっただけではどんな商品なのかよくわかりませんし、価格もパッと見て分かるものではありません。
 また、商品説明POPには商品の詳細な情報が書いてありましたが、ブランド全体の説明をするものがありませんでした。
 なので、前を通った人が「何のブランドで」「何がウリで」「その根拠は何か」がわかりにくく、立ち止まりにくかったかと思いました。

 2つ目は、前を通った方にアプローチする方法がなかったことです。足止めするための声掛けがなかったり渡すものも準備していなかったので、せっかく前を通ってくれているのにこちらからアプローチする事が出来ず、足止めが増えませんでした。

 また、一人の方に説明している時に、別の方に見てもらうものもリーフレットのみだったので、かなりもったいなかったです。

改善したこと

 これらの反省点を踏まえて次回の商談会では何点か改善して臨みたいと思います。

 まずPOPについて。値札のPOPは3周りほど大きくしました。そして、ブランドの説明POPも作りました。A3サイズなので前を通ればある程度読めるくらいの大きさだと思います。同じものをA4サイズのチラシにし、声掛けと一緒にお渡ししようと思います。

前回までの反省をいかして作成した
A3サイズPOPとチラシ用の画像

 滞留が出来たときに見てもらえる動画も作成しました。

 また、商談会での反省ではありませんが、実際にお取り扱い頂いたお店を見に行った時に感じた反省点があります。
 商品が倒れやすいものなので、そのままで陳列できないですが、その入れ物がなかなか良いものがない、ということでした。
 ですので、t to(ティートゥー)のブースで使用しているものと同じものをご購入いただけるようにしました。今後はPOPもお取引先に提供していきたいです。

最後に

 商談会がまったくわからない状態だったことを考えると少しは進歩したかなと思いますが、改善できるところはまだまだあると思います。

 会期中にいろんなことを試しながら、他の出展者さんのブースも参考にしながら、また次回に繋がる学びを得たいと思います。

 最後までお読みいただきありがとうございました。

t to(ティートゥー)のブランドサイトは、こちらから。

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