ポケカのSNSにおける誹謗中傷とその対応について

もう削除してしまいましたが、先日の記事ではお騒がせしました。
その件については、詳しくは書きませんが無事解決しています。

今回テーマにしたいのはその事件に付随して起きたことについてです。

具体的にはこの騒動が起こった直後にこのような投稿がなされました。

モンペは否定しません
有名(n=1)
これに対し多くの人から「地元で聞いたことない」というコメントをいただきました、
ありがとうございます

私の息子がイカサマの常習犯で、地元では有名という書き込みです。

現在は削除されているしそんな事実どこにもないので別にいいのですが、これはこういったことに悩まされる人たちへのいいケーススタディになるのではないかと思って調べてみました。

具体的にはこういう書き込みが訴訟の対象になりうるかということです。

名誉毀損に当たるか?

まずは弁護士資格持っている友人に聞いてみました。
その友人は企業法務が専門で民事は専門ではないので確かなことは言えない、という前置きをしながらも十分に訴訟を起こすとことができる可能性はある、という意見でした。

その意見と私が独自に調べた見解を書きます。
どういう罪で訴訟を起こせるかというと「名誉棄損」になります。

名誉棄損で訴えるためには次の3つの要件が重要になるということです。

① 公然

これは不特定多数の人が見ることができる状態になっているか?ということです。
今回はX上で投稿されたものなので、明らかに公然ということができます。
現在は削除されている、あるいは鍵アカでの発信であるから公然に当たらない、というのは当然認められません。

② 事実を適示

これは人の社会性を害するに足りる事実を適示しているかどうか、ということです。
この事実はイカサマをしているかどうか、という事実ではなく特定の人物の名誉が害される程度に具体的であるか、ということです。

その意味で私に対する「モンペ」という発言は具体的である、とは言えないと思いますが、「イカサマをしている」という発言は十分に具体的な表現だと考えられます。

③ 人の名誉を毀損
こちらについては社会的評価を害する恐れを生じさせたかどうか?ということで、実際にそれが発生するかどうかは問題ではありません。

この件についていうと、イカサマをしている、という評判が流布することにより今後のポケカの活動がやりにくくなる、具体的には自主大会等への参加を断られる、あるいはプレイヤーズIDを停止させられる、といった実害が発生する恐れがあるため、十分に名誉を毀損している、ということができると思います。

訴訟の対象者

この場合は次の2人(以上)が対象になると思っています。

・この投稿を実際にした人物
・この投稿者に「イカサマをしている」、「地元で有名」という情報を提供した人物

どちらも1名とは限らないので2名以上になる可能性もあります。

訴訟を起こすには発信した人物の特定が必要で、ネット上ではそれが難しい、と言われています。
しかし今回は発信した人物もポケカを行っており、戦績等も公開してることからID、そこから得られる情報等で本人の特定は容易です。

一回もこの人のアカウントにアクセスしたことないのに私をブロックしている時点で、
答え合わせは完了していますよね

そもそも、先日のCL愛知の出場者でもシニアは1,000人ほどしかいない世界で、しかも大会でリアルで集まることがあり、CLなどでは本名も公開されるのに個人を特定する情報を隠し通すことなど不可能だと思います。

反証の可能性

ここまで、私はこの情報を「デマ」という表現を使っていません。それは相手の主張が真実であるという可能性もゼロではないためです。
当然、私も息子の行動を完全に把握しているわけではないので、実際に息子がイカサマをしている可能性を完全に否定できるわけではありません。

ただ、このイカサマをしている、という情報の中には私が相手の手札を後ろから見て息子に教える、というイカサマをしているという情報もあったようですが、それは明らかにやっていないし証拠が出せることはありません。
(てかそんな手段あったこと初めて知った)

この「イカサマをしていない」というのは悪魔の証明なようなもので、非常に証明が難しく、それゆえにこうも簡単に「イカサマをしている」という発信がなされてしまうのでしょう。

いわゆる「言い得」のような状態になってしまっています。

もし彼らからイカサマをしているという証明がなされれば、たとえ訴訟を起こしたとしてもこちらが勝つのは難しいでしょう。

しかし、イカサマをしているという証明をするのも同様に難しく、訴訟で有効な証拠となるようなレベルでしたら、「自分が見た」、「誰かが言っていた」、「地元で有名」など個人の発言は当然証拠になり得ず、

・○○という大会で○○というイカサマをして失格になったという大会運営者からの証明
・○○という大会でイカサマをした瞬間の動画を位置情報やタイムスタンプ付き(捏造、改竄されたものではない)で保存してる

ぐらいの具体的な証拠が必要でしょう。それも「地元で有名」というのであれば複数回での証拠が必要になると思われます。

幸い、私が見ている限りではそういう事実も証拠も見たこともないので立証は難しいと思っていますが、こればかりは絶対、とは言えません。


余談ですが、先日の愛知CLの決勝トーナメント前のデッキチェックの時、チェックしてくれたジャッジの方から、

「とてもカードをきれいに使っているね」

とお褒めの言葉をいただいたそうです。

息子がイカサマをしている、と言っていた人物の発言では「なんでもやる」という内容があったようですが、マーキング等のイカサマをしているのであれば、こんな言葉はいただけないでしょう。

ポケカにおけるカードは、テニスにおけるラケットのようなものだと思っていて、大事に使うよう意識づけているつもりだったので嬉しかったです。

まとめ

どちらも発信した人物の特定も済んでいるので、実際に起こそうとしたところで成立するかも勝訴するかもわからないですが、
当人たちから訂正や連絡がない場合は、前述の友人に紹介してもらえそうなので、今度は民事の専門家に相談するぐらいのことはしようかと考えています。

その友人からは同時に「けど民事に相談してもあまり金にならなそうだから、乗り気にはなってくれないと思うよ」とも言われました。
まあここまで来たら、もはや「この訴訟が成立するか?」という仮説を検証したいという興味の領域と、子供達が今後長い間楽しんでもらうための環境整備への投資と思い、自分が金銭的な大損してもやってみてもいい気がしています。

今回この情報発信をした人に知っておいて欲しいことは、他人を誹謗、中傷すること、デマを流すということはこのようなリスクのある行為であるということ、また匿名のSNSであろうが鍵アカウントにしようがDMでやり取りしようが発信した情報を完全に隠すことは不可能で、流れるときは流れてしまう、ということです。

それが未成年だとしても許されるものではありません。

とは言え、当人同士で解決するのが理想であることは間違いないので、イカサマの証拠があるのであれば直接提示して欲しいし、そうでないのであれば訂正をいただきたいものです。

根本的な解決

発信された中傷に対する対応はこのような形でできる可能性はありますが、そもそもこんな発信が起こらない状況になれば、こんなことをする必要がありません。

根本的な解決を考えるならば、こういう他人を誹謗中傷する人たちが一番恐れることが抑止力として準備できればいいと思います。
これらの誹謗中傷はポケカの世界でのことであるため、彼らが一番恐れるのは「彼らがポケカができなくなること」だと思います。

それを実行できるのは公式の運営しかありません。

今回の事件を機に、私は問い合わせフォームから今回発生したことと、以下のことを要望する問い合わせを行いました。

① SNS発信を含めたマナー向上の啓発活動の実施
② 著しく問題がある行動、発信を行ったプレイヤーへのID停止などの罰則規定の制定

期待はしていませんでしたが、今のところ返答はありません。
運営側としても手間がかかるので触れたくない話題なのでしょう。

罰則を設定しようとするとそのガイドラインと基準の設定が非常に難しく、逆にその制度を利用して特定のプレイヤーを貶めようとする行為も発生すると予想されるため、簡単にできることではないことも理解しています。

①などは発信するだけなのですぐにでも可能だし、実際に罰則を明言しなくても発信するだけで十分に効果はあると思うのですが。

しかし、運営側も客商売であるため一人の声では動きませんが、多くのユーザーの声があれば動かざるを得ません。

これは数が重要になるので、もしこれまでに同様の被害を受けたことがある、子供が今後安心して遊ばせるために今の状況は不安だ、などという方がいらっしゃいましたら問い合わせフォームへの発信等、アクションを起こしていただければと思います。

問い合わせページ
https://pcg-cs.pokemon-support.com/hc/ja/requests/new

黙っていたら何も解決しません。

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