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《絵本レビュー》だいちゃんとうみ


わたしらの頃は、ふらっと海に行って、ふらっと掘れば、ふらっとアサリが出てきとったもんです。

掘った貝は、ズボンのポケットにパンパンに入れて泥まみれ、塩まみれで得意げに家に帰ってました。

『今夜は、アサリの味噌汁にしようかね』みたいに。

ただいま潮干狩りの時期なんですけど、数年前から料金と規制が発生しとるとです。

これじゃ、好き勝手に潮干狩りできんとです。
どこもここも、大変とです。
海も汚いとです。

さぁ今日は、そんなことを思い出させてくれた絵本【だいちゃんとうみ】のレビューをしようと思います。パチパチパチ。

〔共同制作〕太田大八
〔発行所〕福音館書店
〔初版〕1979年8月
〔価格〕800(税別)
〔ページ数〕32P

《ストーリーについて》


主人公のだいちゃんは、夏休みに従兄弟のこうちゃんの家に遊びにきました。

翌朝、海や川に行き泳いだり魚釣りをしてみんなで楽しみます。もちろん帰り道も、杉鉄炮をつくったり、木登ったり…

長崎出身の作者が、子供の頃に生活をした夏の海辺の生活をイキイキと描いた物語です。

長崎県民の皆様、昭和生まれの皆様は、懐かしさを感じるんじゃないでしょうか。

ちなみに私も、長崎で生まれました。

《10コの視点》


【主なキャラクター】
・だいちゃん
・従兄弟のこうちゃん
・こうちゃんのお母さん
・こうちゃんの知り合いのえいぞうさん
・こうちゃんのお兄さんのさぶろうさん
・こうちゃんの兄妹

【舞台】
・こうちゃんの家
・長崎の海
・長崎の川

【構成】
夏休み、だいちゃんは従兄弟のこうちゃんの家に遊びに行く。

小川で川エビをすくい、海でキスや小鯛を釣り、ミナ貝をとってその場でご飯作りをする。

陽が落ちてきて、持ってた小刀で竹を切り杉鉄炮をつくったり、木登りをしたりしながら、家へ帰る。

囲炉裏に火をつけ、長机を囲んで夕食をみんなで食べる。

【文】
長崎の方言と、その時代の遊び方や人間関係、それから豊かな自然がたんまり表現されている。プライスレスかつ、お金がかからない生活をしている。

読めば、夏の子供達は日中外に出て遊んでいることがわかる。今の時代じゃ考えられないし、そもそも夏は暑すぎて外出できない。

【絵】
街灯がない薄暗い朝から始まり、だいちゃんとこうちゃんの昭和な格好、鮮やかな海、立派な魚、海での即席ランチ、手作りのおもちゃなど、版画のように黒い線が目立つタッチで描かれている。エモい。

大人子供問わず、何から何まで全部自分たちの手で使うモノをつくっているからスゴい。

【ハッピーエンド】
みんなで、夕食を食べながらハッピーエンド。

【カバー表表紙・裏表紙】
だいちゃんと従兄弟で船釣りをしている様子が描かれている。

【見返し】
裏見返しには、だいちゃんたちが遊んだ場所の長崎マップが描かれてます。

【題字の文字】
くすんだピンクの太い明朝体。

《読み聞かせをしてみて》


『だいちゃんは うみとなかよしなのかな?(8)』

『うみのことばっかり かいてるやん うみずきね(10)』

『そうね 昔はさ あるもので遊んでたさ(母)』

カギカッコの部分は、娘たちが読みたい言うて横取りされ、わたしはその他の文をナレーションのようにして読み聞かせしました。
ここぞとばかりに張り切る娘たちを横目にね。

《おしまいの言葉》


各々の子供時代は違うのでしょうけど、懐かしかったですよ、この絵本のような暮らしが。

夏は、クーラーつけなくても結構大丈夫でしたよね。朝晩は、涼しかったような記憶があります。

うちの近くには、川がありヤドカリをたくさん集めて宿を変えさせたり、木に登ってカブトムシやクワガタのお尻を叩いて興奮させたり。

右手に花火、左手にスイカを持ってたり夏休みは毎日ワクワクしてました…なんかこうやって書くと、元気っ子そうですハイ。もちろん、ゲームボーイも好きでしたよ、スーパーマリオの〝6つの金貨〟。

結構外で遊ぶ率高かったように思います。自然のもので、作ったり遊んだりね。

まだあの頃は、今よりは地球環境が良かったんでしょうね。時代が平成昭和と流れて、ほんと変わったな。
のびのび育てたいなら自然も守りなはれってことか。

いやー、懐かしいなと思いましたがハッと考えさせられる一冊になりました。


☆彡サスティナブルに生きたいコボシより

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