《絵本レビュー》なずず このっぺ?
ブーーン!!!ブンブンッ!!
突然ですが皆さん、クマバチはご存知でしょうかっ?あのマルマルとしたフォルムのハチです。
朝のお散歩中、その羽音の先を見るとクモの巣に小さなクマバチの片足が、ひっかかっていたんです。
さぁどうなるのかなと、一部始終を観察していると、クモがヨダレを垂らしながらチラチラとクマバチの様子をうかがっているんですよ!!
でも、さすがクマバチ!羽ばたく力で見事に脱出しました。もう、その羽音の大きいこと、大きいこと。
軍配は、クマバチにあがったわけです。チャンチャン。
本日は、そんな印象深かった虫の音から絵本を選びました。【なずず このっぺ?】をレビューしたいと思います。
〔作〕カーソン・エリス
〔訳〕アーサー・ビナード
〔発行所〕フレーベル館
〔初版〕2017年11月
《ストーリーについて》
植物の芽を発見した虫たちが会話するところから始まります。
『なずず このっぺ?(なに これ?)』
『わっぱど がららん(さっぱり わからん)』
その植物は、どんどん大きくなって…
虫たちは、この植物をどうするのかな!?
さぁさぁ、基礎昆虫語講座の始まり!始まり!
たくさんの昆虫語が飛び交う毎日を季節と共に描いた物語です。
《10コの視点》
【キャラクター】
・昆虫たち
・鳥
・花
【舞台】
・草原
【構成】
昆虫たちが植物の芽を見つける
↓
植物が成長し、ここに昆虫が家を建てる
↓
その家を丸ごとクモが襲うが、鳥が飛んできてクモをさらっていく
↓
花が立派に咲き、虫たちが歓喜の声をあげる
↓
花が枯れて、季節が巡り巡る
【絵】
最初は、昆虫語が理解できなかった為、絵だけが頼りだった。いろんな虫がポップにリアルに描かれている。帽子をかぶったり、メガネをかけている虫たちに人間味を感じる。
【文】
まず5回くらい読み返した。読めば読むほど、昆虫語の謎解きをしている感覚になり、カタカナの言葉が難しくアナウンサー講座のように発音に気をつけている自分がいた。それほど夢中になったのだ。
【イチオシ】
さんざん昆虫語が飛び交うページの中で、唯一コオロギがバイオリンを弾くページだけが言葉がなく、秋の音色を感じた。ココをお見逃しなくっ♫
【ハッピーエンド】
季節が巡り、また違う昆虫が植物の芽を見つけ『なずず このっぺ?(なに これ?)』でハッピーエンド。
【表表紙・裏表紙】
表表紙は、物語の始まりにつながるような絵が描かれている。
【見返し】
植物をイメージさせる緑色の用紙。、
【題字の文字】
こだわりの強い創作フォント。これは、一見の価値有りっ♫
《読み聞かせをしてみて》
『わかった わかった コロジンはダンゴムシっていう いみじゃない?(7)』
『くものやろうが じゃましてかにっ(9)』
『難解だ〜全然わからない〜(母)』
早押しクイズの如く、ページをめくるたびに、この昆虫語はこうなんじゃないか?あーなんじゃないか?とワイワイ話し合いしながら読み聞かせしました。
《おしまいの言葉》
もしも昆虫語が聞き取れたら、私の朝のお散歩は、だいぶにぎやかになることでしょうな。
それはそれで毎日は大変かもしれないと想像しました。(笑)
わたくし鳥や昆虫、木や花の声は、一括して自然の音として心地よく感じています。だから、心地よいお散歩ができるっちゅーもんです。
でももし、この絵本のように昆虫たちが会話のやり取りを理解できるのであれば、たま〜にたまに、お散歩終わりにのぞいて盗み聞きしてみたいものですね。
では最後は昆虫語で。
『じゃじゃこん!(ばいばい!)』
☆彡花のように舞うコボシより
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