《絵本レビュー》あかてぬぐいのおくさんと7にんのなかま
長女は今年小学4年生になります。
そうです『10歳の壁』です。
ギャングエイジとも言われ、親や先生といった大人の評価よりも自分と同世代の友だちからの評価を第一に考えるお年頃。
たしかに、自己主張が目立ってきましたね、承認欲求も強いっす。まぁ、できるだけですがサポートできればと私思うております。もう無理は致しません。
そんなこんなで本日は、この承認欲求が強い1人+7人がでてくる絵本【あかてぬぐいのおくさんと7にんのなかま】のレビューをしたいと思います。
〔作〕イ ヨンギョン
〔訳〕神谷 丹路
〔初版〕2000年10月
《ストーリーについて》
昔々、頭に赤い手拭いを被っている奥さんがいて〝赤手拭いの奥さん〟といわれておりました。
奥さんは、裁縫が上手で7つの道具を7人の仲間たち(妖精みたいな小人)と使っています。
〈以下その7人の仲間たちの名前〉
ものさしふじん(担当:ものさし)
はさみおじょうさん(担当:ハサミ)
はりむすめ(担当:針)
いとねえさん(担当:糸)
ゆびぬきばあちゃん(担当:指ぬき)
のしごておとめ(担当:コテ)
ひのしねえや(担当:アイロン)
ある日、奥さんがうたた寝をしていると、なんだか7人が騒がしいのです。
みんな、〝裁縫ができるのは私のおかげだ〟と主張します。
言い争いの騒がしさで、起きてしまった奥さんは、〝私こそが1番偉いんだ〟と腹を立てて7つの道具を乱暴に裁縫箱に入れてしまいました。
そして奥さんはまた寝るなり、悪夢を見てしまい…
韓国の〝古随筆閨中七友争論記〟をもとに創作された、生活工芸品を作る中での女性たちの物語です。
《10コの視点》
【表表紙・裏表紙】
表表紙/裏表紙共に、家の玄関と窓からこちらを7人の女性(小人)が伺って見ている様子が描かれている。
【見返し】
奥さんと7人の仲間たちが裁縫をしている様が描かれている。
【題字の文字】
明朝体に、深めのえんじ色でデザインされている。
【絵】
雰囲気は、当時の朝鮮半島を感じさせるような色味の水彩画に、チマチョゴリの装いが素敵。7人の女性たちの服装や髪型もそれぞれ違って古風なのに華やか。7つの道具も丁寧に描かれている。
【文】
全ページ、見開きの右側に固定でレイアウトされているので、読みやすい。文書量は絵本の中では多い方で、奥さんと7人の仲間たちの関係性に共感する部分も多い。(言うならば大奥みたいな…)
それぞれ7人の誇張した話の言い方が、女の特徴を表し今も昔も変わらないなと感じる。
【構成】
昔々、裁縫の得意な奥さんと7人の仲間がいた
↓
奥さんが、うたた寝をしている時、7人の仲間たち(小人)の言い争いがスタート
↓
うるさくて目を覚まし怒った奥さんは、私が1番偉いんだと注意した後また寝るが、悪夢を見る
↓
7人の仲間たちは、奥さんを助けようと起こす
↓
夢から目が覚めた奥さんは7人の仲間たちに謝り、みんなで仲良く裁縫をする
【キャラクター】
・赤手拭いの奥さん
・7人の仲間たち
【舞台設定】
・自宅
【イチオシ】
奥さんも7人の女性たち(小人)も、〝私がいるから裁縫が成り立っている〟と口々に主張している言い方が女子らしいところを是非読んでいただきたい!the女子!
【ハッピーエンド】
みんなで仲良く唄を歌いながらハッピーエンド
《読み聞かせをしてみて》
『おはりって さいほうのことなんだー(7)』
『わたしの クラスにも こういうひと いるよ いばるひと(9)』
『ハリで ぬいたいなぁ(7)』
と言っておりました。
うちの娘たちは、この7人の女性(小人)の中から推しの女の子を指さしてましたね(笑)読み聞かせが果たして届いているのかは定かではありませぬ。
あとは7人の仲間たちを、わたくし裁縫道具の小人だと勝手に解釈して読みましたよ。ガリバーも、靴屋も、白雪姫のお話も小人ですよね。小人アルアルです。
《おしまいの言葉》
この絵本を読んでいると、全員強め系女子なんですよね。ヒエラルキーとかナッシングです。
まぁ、裁縫の工程はどれも欠かせないので皆んな強めに出ると言うことになるんでしょうかね。
だから、本文中にもやれ〝私が1番偉い〟とかやれ〝主役は私ですわ〟なんてことを言いたいんですよね。つまるところは認めてほしいんです。
こういう風に、うちの長女も、この絵本の女性たちもそうですが、全ては承認欲求なんですよね。
それも10歳までで自己肯定力は決まると言われてますが、まぁ頑張ってたら何歳になっても褒められたいんじゃないかなぁって思います。
少なくとも私はそうですがね。
そうやって、褒め合いながら生きていきたいものです。
それでは…このレビューを読んだ、そこのあなたが1番偉いっ♪オンリーワン♫
いつも、読んでいただきありがとうございます。
☆彡カムサハムニダのコボシより
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