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《絵本レビュー》だれのせい?

春が来て、今度は夏が来るのかと心の中では8月9月あたりを想像しては、ため息をついている今日この頃です。

春は昔から「木の芽期」と言い自律神経が不安定になるそうな。そこに大人も子供も社会的な変化が重なりダブルパンチ!!(しかも春の疲れは五月病へと移行することも….こわ)

無理せず乗り越えたいものです。
イケると思っても、ツケは来ますぞ!

今日はですね、そんな因果関係を考えさせられる絵本【だれのせい?】のレビューをしたいと思います。

〔作〕ダビデ・カリ
〔絵〕レジーナ・ルック・トゥーンペレ
〔訳〕ヤマザキマリ(初翻訳)
〔初版〕2023年2月

《ストーリーについて》

主人公は、気高いクマの兵士。
手当たり次第、剣でザクザクザクと切り刻んでばかりいました。

ある日、自分の剣がどれだけすごいか試してみようとして森中の木を全部切り倒してしまいました。

そうしたら、自分の砦に突然水が勢いよく流れてきて壊されて犯人探しをすることになったのですが….

犯人は、一体誰だ?

クマの兵士が犯人探しをする中でたった一つの衝撃的な真実を知ることになる普遍的な真理の物語です。

《10コの視点》

【表表紙・裏表紙】
表表紙はクマの兵士が木を育てている様が、裏表紙は気の種から芽が出ている様が描かれている。(物語を読めば解る)

【見返し】
木が育っていく様子が描かれている。そこにトリがとまってるところに平和を感じる。

【題字の文字】
縦書きの明朝体がアンバランスにレイアウトされている。クマの兵士の、整わない心情が表れている。

【絵】
落ち着いたトーンで丁寧に細部まで描かれている。ここに登場しているクマの兵士をはじめ、他の動物たちも洋服を着ているところに擬人化されているような親近感が湧く。

【文】
淡々とした文体の中にも、クマの兵士の心情が溢れている。そして、熊の心情の変化が剣や盾の使い方、住処の在り方を言葉を介して表現されているところが良い。

【構成】
何でもかんでも手当たり次第、切り刻むクマの兵士

自分の砦を壊した犯人探しの旅に出る

いろんな動物に聞き、巡り巡って自分のせいだと自覚する

できる限り動物たちに償って、一つの砦ではなく大きな家を建てる

【キャラクター】
クマの兵士・ダムの門番・バビルサ・キツネ・トリ

【舞台設定】


【イチオシ】
気高い兵士が奢ることなく対等な姿へと成長するところ。

【ハッピーエンド】
トリたちが巣を作れるような大きな家を建ててハッピーエンド

《読み聞かせをしてみて》

『わかった! はんにんは クマや!(7)』
『らんぼうじゃん このクマ(9)』
『でもさ ほら やさしくなったよ?(7)』
と言ってました。

読み聞かせしながら、娘たちが本当にこの物語を理解できるのかな?と思ってました。でもこの歳でも解るんですよね。途中で閃いたように答えた娘たちに、わたしはビックリしましたよ。いやはや、舐めちゃいかんですね。

《おしまいの言葉》

今の社会情勢を映し出したコチラの絵本。

いつの時代も、私たちの在り方もなかなか難しいものがありますね。
学ぶこと・理解すること・行動に移すことは、言葉にするより10,000倍難しいです。

本来私たちは、無意識(潜在意識)が95%を占めていてココが変化を嫌うんです。なぜならば、楽をしたいという気持ちや、自分のリズムや安心安全がココにあるから。そして依存も有ると。

乱したくないから、きついんですよね成長することって。

ところが、この絵本の主人公クマの兵士は成長したんですよ。あんなに我がままで感情的、それから無知だったのに。

これらは、仏教では貪瞋痴(心の三毒)と言われています。

でも、彼は素直さを持ち続けてたから成長できたのかもしれないと私なりに考え解きました。心の〝三毒〟から〝三徳〟へ変えていけたわけです。

心の在り方が、生き方を決めるのかもしれません。

わたしも、この症状は春のせいだ!ウララララと、そんなことばっかり言ってないで自分の中で出来る対策をとらなきゃですね。



☆彡
鼻ムズムズのコボシより


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