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《絵本レビュー》せかいねこのひ

〝キララ〟という猫は、わたしがつけた名前で飼ってるわけではありません。

実家の近くの人ん家に、勝手に住み着いてる猫(ウメちゃん)が産んだ子です。どうやら、そこでは〝キウイ〟と呼ばれてます。おしかった。

わたしと娘たちは時々、散歩がてら、その子の成長をみるのがとても好きなのです。なんてったって、成長が早い早い。

本日は、そんなキララを想いながら絵本【せかいねこのひ】のレビューをしたいと思います。

〔絵と文〕井上奈奈
〔初版〕2019年12月

《ストーリーについて》

ある朝、目が覚めると世界中のみんなも私も言葉を忘れていました。

口から出てくるのは『ニャー』
世界中が『ニャー』しか話せません。

こんな日はネコをお手本に1日を過ごします。

おなかがすいたときは?
眠たいときは?
うれしいときは?
イライラしたら?
それから、誰かとわかり合いたいときは?

さてさて、どんな風に過ごすのかな?

8月8日の〝世界猫の日〟と重ねて描かれた人の気持ちを考えたくなる空想の物語です。

《10コの視点》

【表表紙・裏表紙】
表表紙/黄色を背景にネコが大きく口を開けている絵。しかも絵本カバーの口の部分が型抜きされていている豪華さ。

【見返し】
銀刷りで森が描かれている。

【題字の文字】
字間がたっぷりとられている小さな明朝体。こちらも銀刷り。

【絵】
色数が決められて描かれているので統一感がある。銀刷りしているページも多く、スタイリッシュでシンプルな絵がとてもかわいい。ネコの気ままで自由な様が描かれている。

【文】
ネコ好きさんにはたまらないネコの生態が、詩的な文体にたっぷり詰まっている。本文にも、同じように色数が決められていてレイアウトもページによって様々。

【構成】
目覚めると、言葉を忘れて『ニャー』しか話せない

世界中の人々も『ニャー』しか話せない

ネコをお手本にして1日を過ごす、自由で楽しいネコの世界

次の日の朝、言葉を人々が思い出す

【キャラクター】
・ネコ
・世界中の人

【舞台設定】
・世界

【イチオシ】
超個人的な観点で話すと、この絵本の色味のトーンと組み合わせが素敵すぎた。そうだ、ビタミンカラーの配色なのかな、パーッと世界観が明るく感じた。

【ハッピーエンド】
次の日の朝、言葉を思い出した人々が昨日の幸せを感じながらのハッピーエンド。

《読み聞かせをしてみて》

『キララやん!(7)』
『ちがうよ このネコは むらさきだからパープルちゃんにしよ(9)』
『ネコ ほしいなぁ〜(7)』
と言っておりました。

うちの娘たちは、ネコ好きなので読み聞かせが終わったあと、この絵本のように共通言語が『ニャー』になっていました。もちろん、仕草までもネコになりきって楽しそうでしたよ。

《おしまいの言葉》

〝世界猫の日〟を国際動物福祉基金が制定した理由は言及されていないようですが、世界の言葉が統一されていたら、もっと楽しくなるのかもしれないと考えさせられましたね。

私の脳内では、ディズニーの〝It's a Small World〟がエンドレスで流れています。

世界中〜だれだって♪
ほほえめばぁ〜なかよしさっ♫

そういうことなんでしょうね。
そういうことなんですよね。
世界は丸くてただ1つなんだと。
仲良くやったらえ〜やんと。

きたる8月8日に備えて、ニャーニャーの発声練習と爪とぎしなきゃ。




☆彡身だしなみを整えるコボシより 


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