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グリム童話V ラプンツェル

ラプンツェル
ドイツ語原題 Rapunzel 
場所 Trendelburg 
 
この物語の舞台となったのは、Trendelburg。
いばら姫の舞台、Sababurgから近い。

Sababurgを訪れた後に、こちらに立ち寄った。
 
塔の窓から、金髪の長い髪が垂らされていて、まるでラプンツェルが、まだそこに住んでいるかのようだ。

 私達は、こんな風に青空が綺麗な日に訪れた。

塔には、入場料を支払うと登る事ができる。
少し薄暗い螺旋状の階段を登ると、塔の中にはラプンツェルやグリム童話にちなんだ展示品、騎士の鎧などが飾られている。

塔の頂上まで行くと、一気に明るくなり、ハッとした。
他に高い建物がないので、見晴らしがとても良い。

麓の様子。
遠くに風力発電の施設も見える。

塔に添うように建っているお城は、古城ホテルとして宿泊も可能だ。

私達は日帰り旅行だったので宿泊はせず、お城の庭のカフェでアイスを食べた。
アイスのメニューには、ラプンツェル、白雪姫、いばら姫など、グリム童話の名前が付けられており、私は迷わずラプンツェルを注文。
塔に登って身体が火照っている中、空が美しく晴れた日に、木陰で食べるアイスは一段と美味しく感じた。
 
そして、こちらがホテルの内部。
こちらの受付で、塔の入場料も支払する。
近隣の観光スポットなどの案内もおいてあり、受付のかたもとても親切に説明してくださった。

受付のかたとお話したところ、ディズニー映画になってから、観光客が激増したのだとか。
私は子供の頃にラプンツェルに憧れ、髪を長く伸ばしましたよと話したら、日本人の髪は黒くてツヤツヤで綺麗ですねと褒めてくださった。
もちろんお世辞と分かっていても、髪を褒められて嬉しくない女性はいないと思う。
 
実は、私は大人になるまで、直毛で真っ黒な自分の髪があまり好きではなかった。
友達のフワフワとカールした髪が、とても羨ましかった。
その友達は、私の髪が羨ましいと言っていたので、お互いに無いものねだりだったのだが。
 
ドイツに来てから、この真っ黒な髪を褒めてくださる機会がたくさんあり、自分にはこの髪が一番似合っているのだなと、大切なことに気が付いた。
 
いばら姫のお城は修復中だったけれど、こちらの塔を訪れる事ができて、本当に良かった。
もし観光の順番が違っていたら、残念な気持ちになっていただろう。
 
 
ちなみに、お話の中に出てくるラプンツェルという名の野菜について、幼い頃の私は、一体どれほど美味しい食べ物なのかなぁと、色々想像していた。
 
お隣の庭からくすねたいほどの美味しさって、どのくらいの美味しさなんだろう?
きっとどこか遠い国には、そんな美味しいものがあるんだなぁ。
いつか食べてみたいなぁ。
 
ドイツに住み始めてから、Feldsalatという名前のサラダが好きで良く買っていた。
ある時、週末市で、八百屋さんの前を通りかかった時、そのFeldsalatに『Rapunzel』という名前の付いた札が付いているのが目に留まった。
 
えっ?FeldsalatがRapunzelなの?
 
私はどうしても知りたくて、八百屋さんのお兄さんに聞いてみた。
すると、知らなかったの?と笑って教えてくれた。
 
知らなかったよ!単語を覚えた記念に『Rapunzel』を一つください。
 
そうして私は、その日に初めて『Rapunzel 』を『Rapunzel 』として買った。
 
どんなに美味しい食べ物なんだろう?と想像していたあの頃の私に、教えてあげたい。
とっても美味しいよ!と。
 
このように私は、自分が知らないことに気付きながら、少しずつ言葉を覚えている。
無知の知とは、こういう事だと思う。

ちなみに、Rapunzelについて調べてみたら、日本では外来雑草扱いなのだそうだ。
こんなに美味しいのに!
 
 
 
今回の小旅行は、パートナーの両親を誘い、皆で揃ってお出かけをした。
両親の自宅からそれほど遠くないので、もちろんそのお城を知っているけれど、両親、パートナー共に訪れたことがないと言っていた。
 
パートナーは三兄弟。
 
もし私達に女の子が授かっていたら、あなたのようにお城に行きたいと言ったでしょうし、もちろん連れて行ってあげていたでしょうね、とパートナーの母が言う。
あなたがいるお陰で、今までできなかった事ができて嬉しい、と言ってくれる。
 
ふとした時に、このような温かい言葉を紡ぎだせるパートナーの母。
私は、そんな彼女がとても好きだ。
 
そして、こんな素敵な両親を持ったパートナーを、心から羨ましいと、常々思っている。

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