私があなたを好きな理由

あなたの、真っ直ぐな視線が好きです。
それは、私に向かいあう時の正直さや、誠実さを表しているのでしょう。
あなたの印象は、まずこの誠実さなのです。
時にそれは頑な過ぎて、私を困らせる事もあります。そこまで正直に話さなくとも良いのにとも思うのですが、私はそんな不器用ささえも好きなのです。

あなたの、自分を飾らない所が好きです。
自己否定や自己卑下とは違い、そのままの自分を私に見せてくれる姿が好きです。
昨今は、承認欲求が強く自分をより良く見せようとする人が多い中、私はあなたの温度が心地良いのです。
そして私はというと、気が付けば自己肯定感が低下してしまうので、あなたのその生き方にとても憧れています。

あなたの、終わりのない探究心が好きです。
私が何かを説明しようとすると、あなたは既にそのほとんどを知っていて、私の感動した事、興味のある事を深く共有できる事は、私にとって喜びです。
そして、知らない事については、目を輝かせて話を聞いてくれる事も、とても嬉しいのです。

あなたが持つ、さりげない優しさが好きです。
街ですれ違う見ず知らずの人にも、私より先に目を配り、さりげない助け船を出す度に、私はその洞察力に驚きます。
私もあなたのようでありたいと、そう願うのです。

あなたが持つ、変わらない厳しさが好きです。
間違いは間違いだと、そう言える強さ。
それは私に対してだけでなく、街の中で起こる不快な出来事についても、きちんと相手を説き伏せる事のできる厳しさと強さに憧れます。
私には、他人に意見を言える強さは、まだ無いからです。

あなたの、不器用さが好きです。
私が焼きリンゴが好きだと話したら、以前一度だけ作ったことがあると言って、早速私のために食材を用意してくれましたね。
しかし、出来上がったのは、シナモンの効いた温かいリンゴでした。
私達はそれを、Bratapfel(焼きリンゴ)ではなく、Warmapfel(温かいリンゴ)と名付けましたね。
でも、私はオーブンから出てきたその温かいリンゴを、とても美味しく感じました。
それは、私の知っている焼きリンゴではなかったけれど、あなたの不器用さが美味しいスパイスだったのです。

あなたの、子供っぽさが好きです。
きっと私にしか見せないであろう、その甘えるような姿はとても可愛らしいです。
あなたは一人の大人として、落ち着いて話している事がほとんどですが、時には話に夢中になり、子供のようにキラキラした目で話すことがあります。
私はその瞬間が、とても好きなのです。

あなたが、イライラしている姿も好きです。
こんな事を書いたら、あなたはまたイライラするでしょうか。
絵に描いたような『への字口』になったり、唇を尖らせたり、あなたの表情はクルクルと変わっていきます。
私はあなたをからかい、何でそんなに怒っているのかと尋ねます。
あなたは、自分の感情を私にぶつけながらも、話しているうちに次第に冷静になっていくのです。
私は、そんな変化を見るのが嬉しいのです。

あなたが幸せそうにしている姿は、私を幸せにします。
言葉が一言も無くとも、あなたの目が私に向けられ、その奥が輝いている時、私はあなたがとても幸せだと分かるのです。
私にその幸せを向けてくれることに、私は感謝します。

私があなたを好きな理由。
本当は、もっともっとたくさんあるのです。
でも今日は、思い浮かぶ事をここに書き残しておきます。