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ドイツのお城

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今までに訪れたドイツのお城、宮殿や要塞など(その他ヨーロッパの国々も含む)
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記事一覧

コペンハーゲン①物憂げな人魚姫

コペンハーゲン①物憂げな人魚姫

ドイツの隣国、デンマーク。
首都コペンハーゲンと言えば、まず思い浮かべるのがアンデルセン童話。
この街にある人魚姫の像には、不名誉なニックネームが付けられている。
それが、世界三大ガッカリ。
ブリュッセルの小便小僧、シンガポールのマーライオンが仲間として挙げられている。

ブリュッセルの小便小僧を見ても、私はがっかりしなかったのだから、人魚姫を見てもきっとがっかりしないだろう!
焦る気持ちを抑えな

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ミュンスター 天国へのはしご

ミュンスター 天国へのはしご

ミュンスターを初めて訪れたのは、学生時代。
あれはたしか、クリスマス時期だった。

デュッセルドルフから北東に120km。
この辺りはNRW州の中でも、ミュンスターラントと呼ばれている。
近隣の街ボルケン、コースフェルト、シュタインフルト、ヴァレンドルフ等がそれに含まれる。
現在のNRW州の州都はデュッセルドルフだが、かつてミュンスターはプロイセン王国のWestfallen州の州都であった。
その

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ヴッパータール 123歳の現役最古モノレール

ヴッパータール 123歳の現役最古モノレール

Wuppertal ヴッパータール

デュッセルドルフから東へ30km。
電車では、20分ほど。
街はその名の通り、東西にヴッパー川 Wupper が流れ、川に沿って渓谷 Tal のある町だ。
この街は、ドイツ産業革命の中心的役割を担っており、特に紡績が発展していた。

この街を有名にしているのは、懸垂型モノレール。
今も使われている現役モノレールの中では、世界最古。
その長さは13kmで、ほぼヴ

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ドイツ三大名城 エルツ城

ドイツ三大名城 エルツ城

今週末でサマータイムが終わる。
秋も深まり、冬の足音が聞こえ始める季節だ。
今回は、私が秋に訪れた、美しいお城の記憶を。。。

Burg Eltz
エルツ城は、ノイシュバンシュタイン城、ホーエンツォルレン城と共に、三大名城や三大美城に選ばれている。

このような、三大○○という表現は、いかにも曖昧だ。
ドイツにはかつて、二万五千程のお城が存在しており、今も姿を残す物は約三千。
その中でも、三大美

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オランダ デン・ハーグ①王子の日のパレード

オランダ デン・ハーグ①王子の日のパレード

オランダの、9月3週目の火曜日。
この日は国の祝日ではないそうだが、Prinsjesdag(王子の日)と呼ばれており、非常に大切な日だそうだ。
この日には、デン・ハーグ市内で王室のパレードが行われ、金の馬車に乗った国王にお目にかかれるという華やかなイベントがある。
そのため、デン・ハーグ市内の学校は、お休みになるそうだ。

さて、このパレードは、一体どんなパレードなのだろう?
毎年、テレビに映し出

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ブラウンフェルス城 ヘッセン州の新白鳥城

ブラウンフェルス城 ヘッセン州の新白鳥城

ブラウンフェルス城。
このお城の事は、ドイツの美しい城10選を読んだ時に知った。
(このような10選は、選んだ人の好みによるので、多様な10選があるようだが)

ドイツの風景として必ず登場し、シンデレラ城のモデルにもなったと言われるノイシュバンシュタイン城(新白鳥城)。
蛇足だが、つい最近、ノイシュバンシュタイン城は、世界遺産登録に動き出したそうだ。

そのヘッセン州版と形容されるとは、それだけで

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グリム童話X グリム兄弟が学んだ街 マールブルク

グリム童話X グリム兄弟が学んだ街 マールブルク

日本で一番有名なドイツの街道といえば、ロマンチック街道だろう。
ドイツには他にも、木組みの家街道、古城街道、エリカ街道、そしてメルヘン街道などが存在しており、それぞれ魅力ある街並みを見る事ができる。

マールブルクは、メルヘン街道の街の一つ。
グリム兄弟がマールブルク大学に通っていた事から、彼らの下宿先やグリム童話にちなんだオブジェが街の至る所に飾られている。

旧市街地 市役所と広場

木組の家

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ハルツ地方④ドイツ発祥の街クヴェトリンブルク

ハルツ地方④ドイツ発祥の街クヴェトリンブルク

ハルツ地方最後の記事は、クヴェトリンブルク(Quedlinburg)。

ハルツ地方を巡る旅。
私の一番の楽しみは、このクヴェトリンブルクだった。
この街には、なんと2000軒もの木組の家が残っている。
その広さは80ヘクタールで、ドイツで一番大きな世界遺産としても有名だ。
木組の家好きの私としては、何としてでも出かけねばならない。
この街はヴェルニゲローデと同じく、ザクセン・アンハルト州に位置す

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ギリシャ②アテネ 女神に愛される街

ギリシャ②アテネ 女神に愛される街

Αθήνα アテネ

この言葉を聞くだけでワクワクするほど、私はアテネの街に強い憧れがあった。
特別な場所であるからこそ、まだ若かった私は、いつか愛する人ができたら二人で一緒に訪れるのだと、そう決めてしまった。
そのため、欧州旅行をした学生時代にもギリシャは避け、訪れることはしなかった。

その後、何度か愛する人には巡り会えたものの、ギリシャ旅行を実現する事は出来ずにいた。
そして、ようやく長年

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ハルツ地方③世界遺産の街ゴスラー

ハルツ地方③世界遺産の街ゴスラー

ハルツ地方2つ目の街は、皇帝都市、そして鉱山の街、ゴスラーGoslar。
ヴェルニゲローデから30分ほどの距離だが、こちらはニーダーザクセン州内。

この街を豊かにしたのは、ランメルスベルク鉱山。
現在は、街と鉱山が世界遺産に指定されている。

鉱山資源は、すなわち財力。
中世よりこの地を支配する事は、重要視されたそうだ。
そのため皇帝の直轄領に指定され、神聖ローマ帝国の重要な都市の一つとなった。

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レーゲンスブルク③ 街の栄華の歴史に触れる

レーゲンスブルク③ 街の栄華の歴史に触れる

Schloss St. Emmeram Thurn und taxis 聖セバスチャン トュルン ウント タクシス城

現在も侯爵が住むお城は、駅から旧市街に向かう間にある広大な敷地内にある。
この建物は、オルフェウスの窓の音楽学校のモデルにもなった。

このトゥルン ウント タクシス家は、ローマ帝国内での帝国郵便事業を手掛けた事で、巨万の富を得た。

帝国議会の皇帝代理となり、フランクフルトから

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クロアチア ① ドゥブロブニク アドリア海の真珠

クロアチア ① ドゥブロブニク アドリア海の真珠

クロアチア ドゥブロブニク Dobrovnik

ドゥブロブニクの街で休暇を過ごした人がドイツに帰ってきて、みな口を揃えて、素晴らしかった!というので、私もどうしてもこの街を訪れたくなってしまった。

『アドリア海の真珠』
そう呼ばれるドゥブロブニクは、城壁で囲まれた旧市街が、世界遺産に指定されている。(1979年)
一時は、街が破壊されて、世界遺産登録が抹消され得る危機もあったそうだ。

ジブリ

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イタリア⑤ミラノ 2つの最後

イタリア⑤ミラノ 2つの最後

初めてミラノを訪れた時、ドゥオモ広場まで地下鉄で移動した。

地下鉄の駅から、地上に出る階段を上がろうとした、その時・・・
隣にいた友達と一緒に、同時に『わあ!』と声を上げてしまった。

思わず、階段を上がる足が止まった。
気持ち的には、2~3段ほど下がってしまうほどの驚き。

薄暗い場所とは対照的に、目の前に、真っ白で巨大な建物が聳え立っていたからだ。
想像していたよりもずっと大きなドゥオモに、

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ジーゲン ルーベンスの郷を訪ねて

ジーゲン ルーベンスの郷を訪ねて

先日、デュッセルドルフの美術館の記事で取り上げたルーベンス。

この記事を書いている時に、ある街を思い出したので、今日はそちらのお話を。

ジーゲン Siegen

ドイツにお住いのかたも、この街を訪れた事のあるかたは、なかなかいらっしゃらない。

ルーベンスの生涯について読んでいた際、彼がここノルトライン・ヴェストファーレン州の小さな街で生まれたと知り、どうしても行ってみたくなった。
Siege

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