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パッケージの少量生産という意味

弊社は「貼り箱(はりばこ)」と呼ばれる紙製の化粧箱/パッケージを、企画/製造している小さな町工場です。同業者でも自動化された機械を使って、お菓子などの貼り箱を大量生産(数万個〜数十万個以上)するところもあります。

それに比べると、現場スタッフ数名でロット100個(もっと少ない数も)から500個、1,000個程度の小ロット生産をやっています。

生産量としては、規模の大きな会社とは全く太刀打ちが出来ません。ただし、生産量が多いのがいいかと言われると、もちろん大きな売上げになりますしそれは素晴らしいことです。

弊社の生産量では、大きな売上げは見込めません。とても小さなビジネスです。
大量生産の良さはもちろんありますが、量が多い分一つ一つの利益は多くありません。それを機械化で効率よく量産することで、売上げと利益を上げるビジネスです。

極端な例でいうと、量産の安価な腕時計と高級腕時計の違いです。
日本メーカーでも、海外で量産して単価数万円くらいのもの。数万円ですから、日常で使うには十分いい腕時計です。

対してスイス高級ブランドの少量生産のものなら100万円くらいから、トゥールビヨン(姿勢差による重力の影響を抑えた精密機構)などの超高級品だと1,000万円を超えます。

各々では価格も違いますが、ターゲットとなる客層が違います。
どちらがいいという話ではないですが、企業の考え方や姿勢が全く異なります。

量産には量産の良さ(大規模、売上の大きさ)があるし、少量生産は少量生産の良さ(限られた顧客向けに、高付加価値な商品を提供する)があります。

値段も手頃で、いい腕時計は「役に立つ」もの。超高級な腕時計は「役に立つ」というよりもそれ自体、あるいはそれを所有することに「意味がある」ものです。その意味に対して高いお金を支払うのです。

これに似ていて、弊社では「意味がある」貼り箱を少量生産しています。
もちろん、超高級腕時計とは比べものになりませんが、お客様にとっての「意味」を提供したいと考えています。

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