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カフェイベントをベースにSS書かせて頂きました。【VRChat】

以前書かせていただいた、リクルスさん主催イベント【リクルスカフェ】をベースにした短編小説をnoteに掲載致しました。ありがとうございます。イベントをベースにした創作短編&キャラクター意識して書き上げた意欲作なので、是非一読してもらえると嬉しいです。
リクルスカフェは毎週木曜22時に開催しております。

イベント参加方法(おすすめ)

①リクルスさんのXアカウントをフォロー
②毎週のアナウンスを確認しつつ、木曜22時にリクルスさんへjoin
⇒事前に予約されてる場合、イベントは開かれないので注意!

詳細は下記呟きを確認した上で参加お願いします。


本編


よくしっかり者ってリクルスちゃんは言われる。

リクルスちゃんは他の人からちゃんとした人に見えるよう。
服装もきっちり。笑顔もにこにこ。
優しい、穏やかそうな緑髪の少女が困っている人へ話しかけたらどうなるか。

はい、そうです。サポートセンターと化します。
懇切丁寧、軽妙洒脱にさっさとお守りするんです。

つるっとした頭のふたば。
つやつやした白髪の先に栄養たっぷり。

そんなリクルスちゃんはみんなから慕われてます。
緑と黒の縞模様パーカーを着たクールクちゃんによく慕われてます。
今日も今日とて、リクルスカフェは営業中…ではなく、休業中。
でも、クールクちゃんがリクルスちゃんに会いにやってきました。

「リクルスちゃん、リクルスちゃん!おはーーー!!」
「おはよー。いつも元気だね、クールクちゃん……あれ、木製バットなんて持ってどうしたの?」
「バット必要だよー!野球野球!」
「野球…え、でも私やった事な…」
「よし、今からやろう!ここから!……よっしゃ!」

と、クールクはバッグからボールを取り出し、リクルスカフェの中でバットを振り回す。

「よし…よし…。リクルスちゃん、ヘイかもっ!」
「ちょ、ちょ、私のお店で何をするの?」
「ベースボール!」
「アウト!どうして、セーフになると思ったの!?」
「シヴィちゃん、おバカだなあ。まだゲームは始まってないよー。あははー」

と、クールクは屈託なく笑う。リクルスはあわあわと慌てて、クールクを止めようとする。

「クールクちゃん、ステイステイ」
「リクルスちゃん、ぶいちゃのてっぺん…ベースボールで取ってやろうぜ!私達の未来はこれからだ!」
「だめー!二人の人生がゲームセットしちゃう!」
「えー、野球やろーよ野球!野球ってめっちゃ楽しいよ!」

リクルスはこほんと咳をする。

「あのね、別にカフェの中でする必要はないんじゃないかな」
「え?」
「いやだって、カフェってこう……都会からの喧騒から外れたちょこんとした喫茶店で。お客さんがコーヒーや紅茶とか……パフェも食べておいしいってなりながら……明日ももうちょっとだけ頑張りますかって…癒せる場所…になるんじゃないかって?」
「クーはわかんないよー!リクルスちゃん、難しい言葉たくさん使って…んもーー!だって…リクルスちゃん…元気じゃないじゃん!ほっこりできてないじゃん!」
「それはお客さんが…」

クールクが地団太を踏む。

「だめー!リクルスちゃんもほっこりしなきゃだ!もう一週間も目がクタクタで眠そうだし。元気じゃないリクルスちゃん、クーは寂しいよ!野球しよ、ね!?」
「あ……もしかして」

と、リクルスは彼女なりに自分を気遣ってくれた事を理解した。
リクルスは胸の中がお気に入りのコーヒーを飲んだ時のような、じんわりとした温かい心地で包まれた。
彼女をじっと見てみる。
香りがする。カフェの香りとは違うコーヒーの香り。
カフェインが苦手なはずの彼女から全体的に漂ってきた。
指先も観察してみると、こげ茶色になっている。その様子を見て、シヴィはある一つの考えを導き出した。

「クールクちゃん、私に元気になってほしくて……コーヒーごちそうしようとしたの!?」
「え、なんでそれを…あっ。ナイショにしてたのに」

クールクはぽかーんとしている。

「だって、クールクちゃん。カフェイン苦手でいつもカフェでもミルクしか飲まないじゃない。身体からコーヒーの匂いもするし…指先もこげ茶色で染まってる。何回も焙煎して、頑張ったんでしょ!?」

「えええっ!リクルスちゃん、クーがコーヒーの特訓してたの知ってたのかー。隠してたのにー。ゲームセットだよ」

「しかも、たくさんコーヒーの試飲もしたんでしょ。普段取らないカフェイン取り過ぎて、今日みたいに興奮しちゃったのも…そうでしょ?いくら元気なクールクちゃんでも、いきなり店を球場にする事はしないし」

「あっ……確かに。たくさん飲んだら、心臓がバクバクしてうわーーってなったから、ならシヴィの所へ乗りこんじゃった方がいいかなって…えへへ、ゲームだったら今日一日リトライしたいなあ…うまくいかないなあ」

「ううん。セーブする」
「へ?」

「だって、私に元気づけたくてコーヒー頑張ったんでしょ……今日はいきなり店の存続危機に陥っちゃったけど……最高の一日!絶対にセーブするんだ。……これなら、受け取ってくれるかも…」
「んん??」

リクルスが店の奥に行く。彼女はユニフォームを持ってきた。

「これ。ユニフォーム。クールクちゃん、野球好きだけど。服がいつも泥だらけだから、練習着でもって作ってたけど……えへへ、夢中になってユニフォーム作っちゃった。まだ一つしか作ってないけど」
「やったー!!リクルスちゃん、ありがと!……あれ、元気なかったのって?」

「そう。この関係……寝不足になっちゃって。やっと完成したから、今日はゆっくり休もうかなって」
「もーーー!すっごく心配したんだぞ!そうだそうだ。ちゃんと寝なきゃだめだ!ちゃんとぐっすりしないと楽しく遊べないから!……ホッとしたら、ふわーーっ…眠くなってきた」

「私もー。じゃ、クールクちゃん。寝よっか…一緒に?」
「うんっ!!!!」

そんなこんなで、リクルスカフェ店主のリクルスちゃんは今日も程よく楽しく生きている。

(了)

制作裏話&感想

・リクルスさんの温和さ、善良さを会話劇のラフな形で表現。(ワンチャン、演劇化も視野に入れて作った)
・ふんわり百合キャラミステリーもどきを短尺でやれるか考えながら挑戦。
・noteに転載してみると、文字幅の影響か若干読みづらい。
・難産気味だったけど、楽しく書けて良かった!!
・また機会があったら書きたいなあ

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