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VRイベント とまりぎの短編小説【公認】

以下の内容はVRChat内で不定期開催されているバーイベント【とまりぎ】様公認の短編小説です。
お店の雰囲気がわかるように書かせていただきました。(内容は以前Xで上げた内容と変わりません)

お店の入り方

①Xのこのアカウントをフォロー&通知入れる
②ツイートが来たら、指定の人へjoin


本編

ざっくばらんに笑い合える場所こそ、人生が一番味わえる気がした。

電子空間の片隅にひっそりと佇む不定期営業のバー「とまりぎ」。
ふらりと新規の客が立ち寄ると、店主が優しい穏やかな声で接客する。

「いらっしゃーい」

店主のにこまる氏にどんな店なのか伺ってみると、生き辛さを抱えた人々がバーで愚痴ったり笑い話をしにくる店だそうだ。
店内は酒や食品が混ざり込んだ、雑多で明るく人懐っこい匂いがした。

ビールや各種酒類・豊富なつまみ・名物のにこまる寿司を頂く。
傍らでは軽い調子で深刻な話題も聞き漏れる。
病気・障害・家庭環境・人間関係等生きるのに必死で何もかも投げ出したくなる話題。

しかし、どの客も話し出すと口角が緩む。

笑みがこぼれたり、酒も手伝って爆笑もする。
似たような辛さや重みを抱えてる人達がいるからなのだろうか。
グラスを片手に訥々と語り、話のオチもないような拙い出来事でも。
聞いてもらい頷いてくれるだけで救われたような気がする。

不思議な場所だ。
辛気臭くもなく、穏やかで緩い。
でも、決して訪れた人間を野ざらしにせず、傍に佇んでもらえるような安心感があの店にはあった。

そして、私はそういった人生の儚さや徒労、拭えない心労の僅かを不思議な清涼感で晴れやかな気持ちで忘れられた。
また来よう。


素直にそう思った。



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