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情緒について(1)2023/06/22

情緒について(1)2023/06/22

最近情緒について思うことがある。
しかも、かなりの質と量に問題がありそうだ。このシリーズは続くものとみられる。

久しぶりにインゲン豆を買った。
インゲン豆は京都宇治にある、黄檗宗萬福寺を建立した中国の僧隠元(いんげん)が日本に持ち込んだものとされている。
起源は江戸時代ということになる。
(諸説あり)

インゲン豆は細長い筒状の豆で、湯がいて胡麻和えにしたり、炒め物、煮込みの彩りなどに使われている。

近時買ったインゲン豆には情緒がない。

ただの食材のインゲン豆だが、インゲンに情緒を感じたのは、インゲンがインゲンでなくなってからのことだった。

子供の頃、お母さんがインゲン豆を買ってくると「筋、とっておいて」と手伝いをさせられた。

インゲン豆には筋がある。

けっこう硬い筋で、筋をむかずに調理すると筋がはさかって美味しくないのだ。
自ずと筋をとってから調理しなくてはならなかった。

筋とりは子供の仕事でもある。
インゲン豆がインゲン豆ということを、物を見て、触って、細工して知る。
この感触で情緒を感じるである。

手伝いをするとインゲン豆に興味がわく。
茹で上げると色が美しい緑色に変わっている。
まずそうなインゲン豆が美味しそうに見える瞬間である。

茹で加減も難しいことを知る。
ふにゃふにゃでもいけない、固すぎてもいけない。
いろいろなことを知ることができる。
情緒を養ういい材料だった。


それが今では品種改良がされて筋がない。
端をちょっと取ればいいだけである。

それではお手伝いのしようがないから、子供の情緒はえんどう豆では育たない。
しかも冷凍食品まであって、茹でることもなく、初めからあのような色をしていると勘違いしてしまう。

情緒は子供の頃に育つ。
もちろん、大人になっても磨くことができる。

そう思いながら、インゲン豆の筋を取ろうとする行為は今日も無駄に終わった。



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活動のために使いたいと思います。みなさんの人生時間を幸せな時間で満たせたらと思います。読んでいただいてありがとうございます。