坊ちゃん

何年か前に脱サラしてトマト農家になりました。 そんな僕がトマト農家になるまでの話をまと…

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何年か前に脱サラしてトマト農家になりました。 そんな僕がトマト農家になるまでの話をまとめてみようと思いますので、良かったら読んでみて下さい。

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  • ノルウェイの海

    長々と書いている、僕がトマト農家になるまでのお話です。

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浪人生の時、勉強が嫌になって自転車旅に出た話

 これは僕が浪人生の時、勉強に嫌気がさして九州一周の自転車旅に出た時の話です。  同じく浪人生の友人と二人、夏期講習をサボって行った20日程の夏休みは、つまらない浪人生活の中で唯一輝いていた思い出です・・・。  高校三年生の冬、現役での大学受験に全落ちした僕は晴れて浪人生の身となり、春からは近くの街の予備校に通うことになりました。  予備校の初日、やけっぱちになって入った東大クラスの教室に入り自分の席につくと、隣の席に座る男がひらひらっと手をふって、「やあ。」と声をかけて

    • バンド「ノルウェイの海」4

      ◆これまで  大学に入学し、「映画研究会デ・ニーロ」というサークルに入った僕は映画撮影にのめり込んでいきます。  ビートルズみたいな音楽ドキュメンタリー映画を作るべくバンドを結成しましたが、先輩達の方針転換により喧嘩あり乱闘ありのヤンキー映画みたいになってしまったのでした。  そしてライブイベントでの乱闘騒ぎを終えた僕たちは・・・  ライブイベントでの乱痴気騒ぎから逃げ出し一人トボトボと歩いていた僕は、やがて辿り着いた駅から世田谷線というやけに遅い路面電車に乗り込んで下北沢

      • トマト日誌 2024年5月25日

        晴れ 暑い  昨日は甲府で31℃まで気温が上がったみたいで、一足先に夏を堪能させていただいています。  そして暑くなってくるこの季節になると必須なのが麦わら帽子。  近所のホームセンターで買ってきました。  僕としては、ワンピースのルフィみたいな、赤い布の巻いてある麦わら帽子が良いのですが、探すとなかなかないんですね。  かわりに買ったのがこのピンクのしましまの可愛い麦わら。あご紐もピンクのリボンになっていてとにかく可愛い。ご婦人用です。  僕みたいなおじさんがこんな可愛

        • バンド『ノルウェイの海』 3

          ◆これまで  大学に入学した僕は、『映画研究会デ・ニーロ』というサークルに入って映画製作に熱中していました。  次なる映画は音楽ドキュメンタリー映画で、バンドを組んで練習したりライブで演奏するところを撮影していたのでしたが・・・。  佐伯先輩の言い出した「ライブイベントで乱闘騒動を起こす」という演出案には僕はもちろん大反対で、間借りしている軽音部にも他の大学の人達にも多大なる迷惑をかけることになるから絶対に止めるべきだと主張しました。  しかし当の軽音部部長ヤマカン先輩の

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        浪人生の時、勉強が嫌になって自転車旅に出た話

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        • ノルウェイの海
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          バンド『ノルウェイの海』 2

          ◆これまで  大学に入学し『映画研究会デ・ニーロ』に入った僕は、映画撮影に没頭しているうちに、気がつくと留年が確定していました。  そしてその勢いのまま、2作目の音楽映画を撮るため結成したバンドではボーカルに抜擢されたのでした。  僕たちは、大学の部室棟の地下にある軽音部の部屋でバンドの練習をしていました。  地下階にはビッグバンドクラブやJAZZ研究会、ピアノサークルなどの大きな音を出すサークルが集まっていて、応援団なんかも一緒にいました。  一応防音対策が出来ている体で

          バンド『ノルウェイの海』 2

          バンド『ノルウェイの海』

          ◆これまで  大学に入学した僕は、『映画研究会デ・ニーロ』というサークルに入ったのでした。  文化祭を終えて平穏な日常へと戻った僕でしたが、戻ったら戻ったで今度は何もすることがなくなってしまい、先輩達と部室で麻雀なんかをダラダラするだけの毎日になってしまったのでした。  というのも、大学の前期でほぼ全ての授業に落第していた僕は、後期の授業を受講することができないため何もすることがなかったのです。ついでにこの時点で留年も確定していました。  何もすることがない日々というのは

          バンド『ノルウェイの海』

          映画研究会デ・ニーロ 8

          ◆これまで  大学に入学した僕は『映画研究会デ・ニーロ』というサークルに入り、先輩達と夏休みにゾンビ映画を作ったのでした。  「ゾンビ館の殺人」を完成させた僕たちは、それを大学の文化祭で公開することにしました。  正直言ってとうてい人さまに見てもらうほどの出来のものではありませんでしたが、僕らが一夏をかけて作り上げた怪作をやっぱり誰かに見てもらいたかったのです。  文化祭の間、スクリーンのある大きめの教室を借りて、そこで映画上映会を開くことにしました。  部長の国木田は、

          映画研究会デ・ニーロ 8

          トマト日記 2024年4月30日

           4月の初めに植えたトマトの苗も早いもので一月がたち、ぐんぐんと成長しています。  今は3段目の花房が開花しそうです。    今年は4月にしては雨の日が多く、ジトジトした湿気と日照不足のためか、いくつかの苗が病気になったりしましたが、特に大きな被害はなく、ここまではおおむね順調に来ているところです。  青々と茂り、プリプリした可愛い葉っぱのこのトマトは「プチぷよ」という品種で、その名の通りさくらんぼみたいなプヨプヨした食感をしています。  女性や子供、あと歯の悪いお年寄りに

          トマト日記 2024年4月30日

          映画研究会デ・ニーロ 7

          ◆これまで  大学に入学し、『映画研究会デ・ニーロ』というサークルに入った僕は先輩達とゾンビ映画を撮ることに。  富士山の麓にある先輩の別荘で撮影合宿をはじめましたが・・・。  気絶しているチンピラ役の酒井を別荘の客室に連れていって寝かせた僕でしたが、やがて酒井の目がパチリと開きます。  ゾンビウイルスに感染していたこの男もまたゾンビ化していて、今度はチンピラB役の僕に襲いかかってきたのでした。そのまま僕は食い殺されてゾンビ化し、二人してさらに他のヤクザ達を殺戮していくので

          映画研究会デ・ニーロ 7

          映画研究会デ・ニーロ 6

          ◆これまで  大学に入学し、『映画研究会デ・ニーロ』というサークルに入った僕は、夏休みに先輩達とゾンビ映画を撮ることに。  夏の暑さもだんだんと落ち着いてきた9月の中ば、長かった夏休みも残すは10日ばかりとなり、僕たちは自主制作映画「ゾンビ館の殺人」のクライマックスシーンの撮影に取り掛かりました。  舞台は人里離れた山中の別荘で、ヤクザ達がドラッグパーティーをしている所にゾンビが襲いかかってきて、一人また一人とゾンビ化していきます。  この最初のゾンビは、ヤクザ達によって

          映画研究会デ・ニーロ 6

          トマト日記 2024年4月24日

           今日は山梨県が主催する「農福マルシェ」というものが県庁前の広場で開かれていたのでそれに参加してきました。  県や国でも推進している「農福連携」という事業がありまして、障害者作業施設と連携して、障害を持った方たちに農業の現場で働いてもらおうという試みで、国や県から補助金を出してくれたりします。  僕のトマト農園でも一昨年からこの「農福連携」事業に取り組んでいて、週に2回火曜日と金曜日に市内の障害者作業施設からやって来てくれて、トマトの収穫や箱詰めなどを手伝ってくれています。

          トマト日記 2024年4月24日

          映画研究会デ・ニーロ 5

          ◆これまで  大学に入学し、『映画研究会デ・ニーロ』というサークルに入った僕は、先輩達と自主制作映画「ゾンビ館の殺人」を作ることに・・・。  伊豆での撮影を終えた僕たちは、こんどは真っ暗闇の深夜の富士の樹海へとやって来ていました。  夜も更けて暗い木々が鬱蒼と立ち並ぶ森の中、僕らは懐中電灯やランタンを引っさげて辺りを照らしながら、大きなコンポからよく分からない黒人ラッパーの騒々しい音楽を爆音で流していて、眠れる森の静寂を台無しにしていたのでした。  これは、撮影した後の編

          映画研究会デ・ニーロ 5

          映画研究会デ・ニーロ 4

          ◆これまで  大学に入学した僕は、『映画研究会デ・ニーロ』というサークルに入って、先輩達と自主制作映画「ゾンビ館の殺人」の撮影を始めたのでした。  映画撮影のロケ地を伊豆のあまり人の多くなさそうな海水浴場に決めた僕たちは、8月の終わり頃、二泊三日の映画撮影合宿に出かけることになりました。  宿は部長の国木田が「飯付きで超安い民宿見つけた。」と不気味に笑っていたので大変不安でしたが、たしかに一泊数千円という驚きの安さなのでした。  かくして僕たちは、国木田の持つボロボロのフ

          映画研究会デ・ニーロ 4

          映画研究会デ・ニーロ 3

          ◆これまで  大学に入学し、『映画研究会デ・ニーロ』というサークルに入った僕は、2留3留よろこんでな先輩達と触れ合っているうちに、僕自身も留年が確定してしまったのでした。  しかし、くよくよしてもしょうがないので自主制作映画「ゾンビ館の殺人」の撮影に全集中していきます。  夏休みのはじまりとともに「ゾンビ館の殺人」の撮影を開始した僕たちは、まずは近所で撮れるシーンや、室内のシーンを撮っていきました。  今まで、テレビや映画を何気なく見ていただけでしたが、やってみると短い1シ

          映画研究会デ・ニーロ 3

          映画研究会デ・ニーロ 2

          ◆これまで  大学に進学した僕は、『映画研究会デ・ニーロ』というサークルに入り、授業にも出ず留年を繰り返している先輩達と自主制作映画「ゾンビ館の殺人」を作ることになったのでした!  「ゾンビ館の殺人」は、サスペンスとパニックムービーを合わせたような脚本で、B級映画のダメなあるあるネタを詰め込んだような大作でした。  ストーリーは、ある日運び屋の男がヤバい薬を運搬していたところ、敵対するヤクザに捕まってしまい、男は咄嗟にそのヤバい薬を飲み込んで隠しますが、それが人間をゾンビ化

          映画研究会デ・ニーロ 2

          映画研究会デ・ニーロ

          ◆これまで  浪人生活にほとほと嫌気がさした僕は予備校の悪友とともに、夏期講習をサボって九州一周の自転車旅に。  最終的に船で奄美大島まで行って、夏休みを満喫した僕たちは再び勉強漬けの生活に戻ります。  その後もあまり勉強は進みませんでしたが、抜け道的方法で何とか大学合格を手にし、浪人生活を抜け出すことができたのでした。  上京した僕は、中央線の三鷹駅から歩いて30分程の所にある、四畳半ワンルームの安アパートを借りて一人暮らしを始めました。  大都会東京をイメージしていたわ

          映画研究会デ・ニーロ