綾部まと

作家・エッセイスト/メガバンク出身/お仕事のご用命はXのDMかこちら→https://…

綾部まと

作家・エッセイスト/メガバンク出身/お仕事のご用命はXのDMかこちら→https://note.com/happymother/message

マガジン

  • 小説

    短編小説、ショートショートです。ミステリ、恋愛、ファンタジー要素強め。

  • ノンフィクション

    エッセイです。生きづらさ、自己肯定感、悩みが中心。

最近の記事

  • 固定された記事

綾部まとのポートフォリオ(2024年5月更新)

「エリートたちの恋愛事情、強者が抱える生きづらさ」に詳しい、綾部まとです。過去に書いてきた小説やエッセイ、インタビューの仕事について紹介します。 「綾部まと」とは作家/エッセイスト。1989年生まれ、名古屋出身、東京在住。明治大学法学部卒業。職歴は、三菱UFJ銀行の法人営業部門(総合職)と、『NewsPicks』で有名な経済メディアUZABASEのセールス&マーケティング部門(正社員)。 「OTONA SALONE」での連載小説主婦の友社のWebメディア「OTONA SA

    • 令和サラリーマンのリスクゲーム

      あらすじ八菱銀行の法人リテール・リスク統括部の黒川(女主人公)は、支店長と副支店長の不倫について、調査をすることになった。その支店では、かつて恋心を抱いていた部下:七瀬が働いていた。束の間の再会を喜んだ直後に、支店長らしき男性が首を吊っている姿が発見される。七瀬に協力してもらいながら調査を進めるが、彼からの誘惑や、趣味であるポルノ小説を書き進めていくうちに、調査は泥沼にはまっていき……。令和の時代についていけないサラリーマン女性の葛藤を描く、お仕事要素が強めのミステリー小説。

      • モンスターボールを99個集めないと気が済まない

        自分がゲームの趣旨から逸れた遊び方をしていて、取り返しのつかないところまで来ていることは、小学三年生の私でも、気付いていた。 ゲーム「ポケットモンスター」は、今でこそ多様な遊び方ができるが、初代と次世代までは「ポケモンを集めること」と「ジムリーダーに勝って、ポケモンリーグに挑むこと」に重きを置かれてゲームが設計されていた。ポケモンの数は初代「ポケットモンスター赤緑」では181匹、次世代「ポケットモンスター金銀」では251匹であった。 しかし、私はモンスターを集めることより

        • 「人生の引き算」をはじめる

          新しく何かを始めようと思うと、だいたい足し算になってしまう。ダイエットのためにジムを契約したり、英語のために英会話レッスンに申し込んだり、その先には忙しい日々が待っている。特に都会は選択肢が多いから、ぼーっとしていると、どんどん足し算された人生になってしまう。 でも、これって結局、他人の欲求でしかない。本当に瘦せなくてはいけないのか? 本当に英語を話せなくてはいけないのか? 腹落ちしていないまま「なんとなく良さそうだから」と始めてしまう。そうして日々を慌ただしく過ごしている

        • 固定された記事

        綾部まとのポートフォリオ(2024年5月更新)

        マガジン

        • 小説
          21本
        • ノンフィクション
          41本

        記事

          小学5年生からの夢は、まだ叶えられていないけれど

          恥ずかしくて今まで誰にも言ってこなかったけれど、私は「なりたい自分」の姿がはっきりしている。小学5年生くらいの頃から、ぼんやりと輪郭はあったと思う。あの頃から日記を欠かさずつけていたり(「ウザい。ぜんぶ爆発すればいいのに」という一言で終わった日もあるが)、小説やエッセイを書いている。しかし、まだ実現できてない。それは「専業作家」だ。 小説を書いて、印税で生きていくという意味ではない。私の書いた文章を読んで「良いな」と思ってくれた人から、お金を払って書くように依頼されて、それ

          小学5年生からの夢は、まだ叶えられていないけれど

          山手線外側のネズミと、内側のネズミ

          Mちゃんと恵比寿駅のカフェでお茶をした。彼女は数か月前に渋谷区から世田谷区に引越していて「超、住みやすいよ!」と、語ってくれた。 Mちゃん(以下、M)「恵比寿は車と言えば、ベンツだったじゃん? 世田谷ではトヨタとかスバルとか、国産車がたくさん走ってる。あとね、し〇むらで買った、ヨレヨレの服を着た人も見た!」 私「恵比寿はちゃんとしてる、きちんとした服を着てる人が多いよね。それか、やたらとがったファッションの人」 M「レストランに行っても子連れが多いし、ファミリーを前提とした

          山手線外側のネズミと、内側のネズミ

          愛と死

          あらすじ八菱銀行で働く黒川礼子は、ポルノ小説を書くために休暇を取得していた。彼女はかつて家族を惨殺された経験があり、「生き残ったのだから、何か意味のあることをしなくては」と思い、小説を書くに至った。思うように筆が進まず困っていたところ、部下の風間から連絡を受けた。彼女の所属する「法人リテール・リスク統括部」は銀行員の不正を調査する部署で、ある行員の不倫の通報があったらしい。風間を相手役にしたポルノ小説を書いていくうちに、問題の行員と風間との、意外な関係性が見えてきて……黒川は

          もう、入園準備は怖くない。 #メルカリで見つけたもの

          保育園に入園すると、そいつはやってくる。苦手だからと今までの人生で避け続け、なんとかして直面しないように生きてきた――「裁縫」が。 街中に布地やボタンなどの裁縫用品は使う店は多い。本屋にもコーナーがあることから、世の中の需要は高いのだろう。しかし、私は悲しいくらい裁縫が苦手だ。そもそも針に糸を通すことすらできない。諦めて針をその辺に置いといて、後で足や手に刺さってしまい「くそ、裁縫め……」と余計に嫌いになる日々であった。 もちろん「裁縫が苦手な俺だけど、どんな服でも破けな

          もう、入園準備は怖くない。 #メルカリで見つけたもの

          わたしは料理ができない

          わたしは料理ができない。冷凍餃子はほぼ確実に焦がしてしまう。パンケーキは何度やっても丸く焼けない。ゆで卵は中身がドロドロか、硬すぎるかのどちらか。これらは3人の子どもたちの要望に応えてほぼ毎週のように作っているのに、一向に上達しない。 そんな我が家だが不思議なことに、週に3回くらい、誰かしら他人が家で夜ご飯を食べている。それは長男の悪童仲間であったり、長女の同じ保育園の友達であったり、彼らの気分によってバラバラである。 私は家で仕事をしており、そのことを知っているキッズた

          わたしは料理ができない

          ムカついたら夫のクレカで爆買いする

          新年度は何かと忙しい。令和なのに昭和の価値観を引きずった上司、Z世代のトンデモない新入社員……会社だけでなく、子どもの環境も変わる。進級に伴う細かいルールの変更に追われることになる。当然、ストレスがたまる。 筋トレ、ピラティス、サウナ。これらの類でストレスが解消できるのは分かっている。でも仕事がやっと終わったと思ったら、育児が待ち構えているのだ。1日が終わる頃に、これらに手をつける気力は残されていない。 そもそも、この手のビジネスモデルは金になると目をつけられているため、

          ムカついたら夫のクレカで爆買いする

          10万課金で気付いた、サウナ向け最強トリートメント~相性最悪な「髪質改善」メニューも紹介~

          サウナが好きだ。それでも髪は傷めたくない。そんな浅ましい欲望を抱く同志たちに朗報だ。ついに最強のトリートメントを見つけた。 初めに断っておくが「こちらのリンクから購入したら55%オフ!」「今なら定期購入が初回99円!」というクソみたいなアフィリエイトは貼っていないから安心して欲しい。 私は美容系のライターではないし、美容師でもない。ただハイライトを入れていることもあり、傷むのが早い。髪が傷むと、急に老けて見える。せっかくボトックスやハイフなど美容医療に精を出しても、髪の毛

          有料
          500

          10万課金で気付いた、サウナ向け最強トリートメント~相性…

          東大医学部の卒業式で見た、親の共通点

          東京大学の卒業式へ行った。そこで見た「親の共通点」がはっきりしていることに衝撃を受けたので、話そうと思う。誤解を生まないように説明しておくと、私の卒業式ではない。参加の理由は、今回の記事では関係ないので省かせていただく。 東大の卒業式は例年2日間にわたって行われる。22日は修士と博士、23日は学部生だ。1日の中で3部制に分かれており、学部によって式の時間が違う。私が見てきたのは22日の第2部で、農学部・薬学部・医学部などが対象だった。 卒業生は安田講堂で参列するが、卒業生

          有料
          500

          東大医学部の卒業式で見た、親の共通点

          雨の日は軽率にタクシー使っていいよ~仕事の成果は"仕事以外"で8割決まる~ 

          大事な会議の直前に、親から憂鬱なLINEが来た。"お願いだから、この日だけは"という日に、保育園から「お子さんがお熱で……」とお迎えを要請された。正直言って仕事どころじゃない。そんな経験は、誰もがしたことがあるんじゃないだろうか。 子連れ共働き世帯は、仕事以外の環境をどう整えるかで、仕事の成果が決まる。仕事の成果は"仕事以外"で8割決まると言ってもいい。3児の母である私は十数年に及ぶ社会人生活を通じて、これを痛感してきた。 例えば雨の日の朝。太陽が出ないせいか、いつもより

          雨の日は軽率にタクシー使っていいよ~仕事の成果は"仕事以外"で8割決まる~ 

          育児が"無理ゲー"なのは小学生になってから~休日クライシス~

          木曜がくると気が重い。金曜なんて最悪だ。土曜には「早く週末が終わってくれ」と、朝目覚めた瞬間に思ってしまう。 第一子を産んだばかりの女性たちは「お産の後、すぐに仕事を始めちゃった」「育児って意外と楽だね。もっと大変かと思ってた」と言う。最近は保育園の数も増えたし、あらゆる業務がリモートにもなり(裁判所もリモートになったので、弁護士ママは家からzoomで裁判に参加したと言っていた)、"男性も育児をしろよ"という風潮になってきたからだろう。 そんな彼女たちに伝えたい。育児の大

          育児が"無理ゲー"なのは小学生になってから~休日クライシス~

          人前で屁をこき続けてきた半生でした。俺はどうやら、とんでもない思い違いをしていたようだ……

          私には18年間思い込んできた事実がある。それは「人間がおならをしても、その臭いがわかるのは自分だけ。他人には決して臭いがばれることはない」というものだ。 今思えば、恐ろしい話である。なぜそのように思い込みに至ったのかは定かではない。おそらく当時の私を取り囲んでいた優しい人たちが、私をおならをしても知らんぷりをしてくれていたからだろう。幸か不幸か、一人も「うわ!お前、屁こいただろ!臭えよ!」と言ってくる人はいなかった。 これらの経験から、幼い私は「おならをしても臭いを感じる

          人前で屁をこき続けてきた半生でした。俺はどうやら、とんでもない思い違いをしていたようだ……

          大丈夫じゃなくても大丈夫なふりをしてしまう

          先日アフタースクールの面談で、小学1年生の長男がどう過ごしているか教えてもらった。「基本的には問題ないんですが、大丈夫じゃないのに大丈夫なふりをしてしまう時があるんですよね」と先生から言われた。 長男にはよく一緒に遊ぶ、Aくんという男の子がいる。Aくんは長男と二人きりで遊びたいタイプの子だ。だから他の子たちが「仲間に入れて!」とやってきた時、Aくんは長男に「なんか、人いっぱい来ちゃったな……あっちで遊ぼうぜ」と誘うのだという。 長男もAくんのことが好きだだから「うん」と言

          大丈夫じゃなくても大丈夫なふりをしてしまう