見出し画像

法務省「たたき台」への意見書~共同親権にしよう!

1)子どもの利益確保とは?
父母の離婚で最も懸念される子どもの被害(権利侵害)に、「親子分離」が挙げられます。
「親子の不分離」が「子どもの利益確保」である理由は、国際法「子どもの権利条約」9条(親から不当に引き離されない)、また国内法「こども基本法」第三条の二(愛され保護される保障)に示されてもいます。
日本が国内外の法を遵守することも含め、今回の法改正の目的である「子どもの利益確保から逸脱しないよう、「子どもの利益確保」の基本に「親子不分離」を明示することを求めます。
つまり、「親子不分離」対策である「親子交流」について、親子が多くの時間を過ごし子どもが愛情を十分感じられる状況の確保ができるよう重要事項としての位置付けを明確にするべきと考えます。
 
 
2)なぜ、中間試案の「離婚時の情報提供」(親教育)が、たたき台ではなくなってしまったのか?
「「家族法制の見直しに関する中間試案」に対して寄せられた意見の概要 【暫定版】」には「反対」した団体は1団体(主婦連合)のみです。
「義務付け」や「離婚時では遅い」など意見はあるものの情報提供自体についての反対意見ではありませんでした。
夫婦が不仲になった際の、子どもへの対応の仕方を学ぶ機会の創設や子どもの利益の考慮の重要性を社会に訴求する」ことについて異論はなく、むしろ、積極的に導入を求める声が強いと感じます。
なぜ、たたき台にはないのかの理由を教えてもらいたいです。
 
 
3)なぜ、「子ども連れ去り・引き離し被害者」への配慮がないのか?
DV被害者への配慮はかなりの割合を占め、たたき台に盛り込まれています。
知りたいのは、「子ども連れ去り・引き離し被害者」はDV被害者として考えられているのかどうかです。
もしそうでないのであれば配慮をしない理由を教えて下さい。
 
「「家族法制の見直しに関する中間試案」に対して寄せられた意見の概要 【暫定版】」には「子ども連れ去り」「実子誘拐」の言葉が40箇所以上あり議論から排除するべき事項ではないと感じます。
※連れ去りが生じるのが婚姻中のことであるため「離婚時の親権」の議論の対象外とする言い訳は通用しません。なぜなら「婚姻費用」については議論の対象になっているからです。
 
 
 
 
4)親権者変更の請求権を「子」に付与することにした経緯とは?
民法819条6項「…子の親族の請求」の部分に「子又はその親族」と「子」を追加する案を提示していますが、中間試案にもなくまた審議会で議題になったか不明なこちらをたたき台に提示されたのはなぜでしょうか?
意思表示ができないまたは難しい子どもの意見を代理するとしてその立場の悪用が容易に想像できますが、この点についてどのように考えられているのか非常に知りたいところです。
 
 
5)養育費の確保について(立法事実なき強制徴収は危険!)
「先取特権」や「法定養育費の新設」の提案が示されています。
今まで政府は「なぜ養育費を支払わないか?」の調査をしたことがないはずです。支払側への実態調査結果はない
国が国民に徴収を強いる強い権限を発揮するには実態調査もしていないのにも関わらず上記のような提案を積極的にしてくる姿勢は、国民としては非常に抵抗感があります。危険に思います。
一方で、受け取り側への調査はしています。(※参照)
「児童扶養手当」は「養育費の8割」を収入認定しますが、児童扶養手当申請時には口座の開示は義務付けられておらず、よって、児童扶養手当欲しさに養育費を受け取っていることを隠すことができる運用になっています。
このことから、受け取り側の「養育費」と支払側の「養育費」には乖離がある可能性があります。
 
養育費を受け取ることに積極性のない親が子どもの利益を考慮した養育ができるのかと親である私たちは危惧します。
「2)なぜ、中間試案の「離婚時の情報提供」が、たたき台ではなくなってしまったのか?」に話を戻しますが、養育費の確保について国民に養育費の支払いを強制する前に、「親の意識改革」につながる「親教育」を先にするべきことでないでしょうか?
 
※厚労省「令和3年度全国ひとり親世帯等調査結果報告」の「母子世帯の母の養育費の取り決めをしていない理由」を見ると、受け取り側の意識に問題があることで受け取りがされていない理由(「取り決めの交渉がわずらわしい」6.3%「相手と関わりたくない」34.5%)が全体の40.8%を占めます。
 
 
 
 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?