ふりかえるということ
今行っている勉強会でナラティブのふりかえりのワークをやる機会があった。
ナラティブの独特の質問を受けながら、今の仕事を選んだ時のことをふりかえるというものである。
ナラティブの質問というのは、よく考えられているとは思うのだが、視点がナラティブ独自なのと、もともと英語で翻訳されたものなので、日本語として違和感があるという二重の大変さがあるのだが、主催者側からは違和感はあると思うけど、なるべくそのままの言葉でやってみてくださいと言われたので、そのままやることに。
ちなみに最初の質問は
「今の取り組んでいる領域で働きたいと思ったときのことを思い出してください。この領域で働くという行動の背景にあった意図、希望、価値観、世界に望んでいたこと、あるいは望んでいたコミュニティのあり方について、できる範囲でよいので教えてください。」
こんな感じでもろに英語直訳っぽく続くので、途中、うまく変換できずに、あれ、聞かれたのは何だった?みたいなことも起きたりしつつ、30分ほど話をしていく。
その後インタビュアーから5分ほど話してもらい、その後また自分で話すという形で、終了。
この5分返してもらうといのが、とても大きい。ちなみに話してもらう内容は
「わたしの語りは、あなたの琴線にどのように触れたのでしょうか?」
仕事の選択に関わる話なので、個人の価値観や経験に触れるかなり濃密な内容なのだけれど、それを聞いてどんなふうに受け止めたかを話してもらうことはなかなかない体験である。
この日は私は遠距離介護をしている母の体調がこのところ不安定で、こちらもいろいろな意味で物理的にも精神的にも日程的にもかなりふりまわされる状況のピークで、へろへろしていた日の夜のオンラインという状況だったのだが、終わってみると、とても元気になっていた。
自分自身で、今の仕事を選ぶに至った、それを決定したときのポジティブな気持ちを思い出したこと。
その話を聴いて、共感したという気持ちを返してもらったこと。
その二つが元気になった要因なのだと思うけれど、改めて、ふりかえるってこんなにチカラをもらえるのだと実感した。
キャリアデザインでもよく自分を振り返るということは行うけれど、過去の自分と今のつながりを感じて、その時の自分を思い出すことは、そのままその瞬間の自分に立ち戻って、そのパワーを思い出すことでもあるのだ。
そして一人でなく、相手がいることで、そのチカラが増幅していくのも、大きい。
よくゲシュタルトの先生が頭の中で思っているのと、口に出すのは違うというのを思い出した。やはり相手がいるというのは全然違うのだ。
この何年かずっと忙しくて、自分をふりかえる作業はしていなかったけれど、あらためてふりかえることの効果を思い出した時間だった。
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