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暖かい家庭を築く

駐在制度があって、
私のお父さんが任命を受けて。
お母さんは従うしかないって、
勝手に思い込んで。

それで、私は小学校1年生の秋に、
アメリカに飛び立った。

最初の1年間の記憶は全くない。
その後もチラホラとしかない。

まぁ、もはや30年以上前だしね。
ないのも不思議じゃないのかも?

とりあえず、
アメリカに行った頃の記憶として、
唯一、残ってるのは、
恐らく駐在が決まった時の
両親の喧嘩。

お母さんは泣き叫んでて、
お父さんは怒鳴ってた。

推測だけど。
お父さんの事だから、
決定事項、NOはない。

そんな風に伝えたんだと思う。

私は玄関のとこで、
うずくまりながら
耳を塞ぎながら泣いてた。

それでも聞こえてくる、
両親の声。
滅多に聞かない声。

そして、
ちょっと顔を上げたら、
物が宙を舞ってた。

なぜか鮮明に覚えてる。

アメリカにいる時の事で、
鮮明に覚えてることは2つ。

お母さんと2人で買い物してた時。
You’re mom’s great helperと
店員さんに言われたこと。

そして、もうひとつは、
お母さんが妹を妊娠してる時。
お腹を抱えながら苦しんでて。

泣きながら、
お父さんの同僚のお宅に
電話をしたこと。

他のことは、
写真で記憶を埋めてる状態。

自分が見た映像として残ってない。

アメリカから戻った後も。

母が父の文句を言ってる状況。
イメージや音として残ってるのは、
こればっかり。

当時は、父が嫌いだった。
大嫌いだった。

お母さんを苦しめ続ける父。

仕事が落ち着いたのか、
私が高校生になる頃から
やたら家族サービスをし始めた。

でも、お母さんがなんだかんだ
嬉しそうだったから。
それで良いと思ってた。

カッコいい車に乗るのも好きだった。
どう考えても2シーターでしょ、
な見た目の車なのに。
なぜか後部座席もあって。

そこに、10歳離れた妹と
縮こまりながら座るのが好きだった。

私は、暖かい家庭が
欲しかったんだな。

お互いの気持ちを素直に伝えあって、
時にはぶつかりながらも、
家族にとっての幸せを大切にする。

そんな家庭に憧れてた。
そして、今。
それを叶えてる。

** カバー写真 **
🇺🇸アメリカ合衆国・ニューメキシコ州
愛犬とのドライブ旅行中のひとコマ
2015年3月

photo by たっちー

カバー写真は自分で撮った写真です。日常のひとコマに加え、旅先や美術館での写真を増やして行きたい!サポートして頂けると嬉しいです💖