ステージを前にした黒装束の歌姫たち
リサイタルを前にして楽屋にいる越路吹雪は、めったに笑うことのない一人の神経質な、か細い女性だった、と岩谷時子は伝記に書いている。
越路自身は、「私は、ふるえている哀れな小鳩よ」と言っていた。光輝く舞台の上の堂々と歌う大スターの外見からは、裏側で怯えるように出番を待つ越路の姿は想像がつかない。
同じようなことが、本場フランスの著名なシャントゥーズにもあった。
しかも、奇しくも3人とも黒を基調としたシンプルな舞台衣装を着ていた。
ピアフ、ジュリエット・グレコ、バルバラの順でご紹介