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犬にとって人間は厄介者?

連日この本について書いているが、今日もこの本から。

この本の著者は辛辣で真面目な本なのにくすりとくる部分も多い。
日高教授の訳もそれだけ上手だということだと思う。

真の文化をもつひまさえない現代文明人の少々ばかげた忙しさは、動物には全く縁がない。勤勉の象徴であるミツバチやアリでさえ、一日の大部分をなにもせずにすごす。(中略)この偽善者たちときたら、巣にもどってすわったら、もう何一つ仕事はしない。

「ソロモンの指環」

著者は動物行動学は忙しくしていたい人には向かないと言う。
日がな一日動物のペースで暮らし、動物の行動を観察するのが仕事だからだ。

体質的に活発で勤勉な人は、私がやってきたように、一夏じゅうガンたちの中でガンになりきって生活せよといわれたら、きっと気が狂ってしまうだろう。

「ソロモンの指環」

犬と暮らしたことがある人ならわかると思うが、犬は一日のほぼ大半をただ、だらだらして過ごす。主人が留守なら、その時間ほとんど眠って過ごしている。

これは私にとって僅かながら衝撃を与えた事実で、「犬ってこんなに寝るの?」と思ったものである。
立ち上がったと思ったら、場所を変えてまた眠りにつく。

主人が一日中家にいるゴールデンウィークなどの長期休暇の後、犬は体調を崩しやすいと聞いたことがある。
人が一日中家にいて、いつもの睡眠時間が取れず、疲れてしまうらしい。

犬を置いて仕事に行くのはいつでも可哀想に思うが、一人になりたい、いや一匹になりたいと望んでいるのは犬の方なのかもしれない。
「ああ、ようやくいなくなった」と思われているのかもしれない。

6月29日 木曜日


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