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赤ちゃんを育てていく上で

教養は順境では飾り、逆境では避難所

アリストテレス

何かの本を読んでいた時に作者おすすめの本として出てきた『千年の読書』。

実は私はまだ全部読んでいないのだけど、最初の数ページをめくっただけでもわかる魅力的な本だった。
読書好きな人が正直に真摯に書いているストレートな文章、という印象。

この本の端書きには、

不思議なのは、人生がうまくいっているときは、あまり本が視界に入ってこないことです。

『千年の読書: 人生を変える本との出会い』

とある。
この一文を読んだ時に本当にそうだなぁと妙に納得してしまった。




現在私は臨月を迎えた妊婦だが、数か月前妊娠のお祝いに、と母の友人が彼女の大切な育児のバイブル的な本を授けてくれた。
私はその本を読む前に、乳幼児の発達の真面目な本を読んでいて始まり方が似ていたから、ちょっと読んでそれから少し休憩をしていた。

とうとう出産時期が近づいてきて、生まれてくる我が子を成人にするまで20年間育てていくんだ、という責任がのしかかってきて気が遠くなったというか、不安になったというか。
今さら不安になるなんて遅すぎる、と言われればそれまでなのだけど、一体どれだけの人が「私は子育てに100%の自信があるので子どもを作りました」と言えるだろう。
皆、直前になって「え?私子育てのこと何も知らないじゃん」と不安になるもんだと信じたい。

はっきり不安だなぁと思っていた訳ではないけど、とにかく私はこの本を開いてみる気になった。

うちの夫はランニングを趣味としていて、週末は長いランニングに出る。
私はその時間を利用してカフェにこの本を持ち込んだ。
南カリフォルニアらしい晴天。
ビーチ近くのパン屋と一体型のお洒落なカフェだった。
周りは家族連れやデート中のカップル、週末の活気に満ちている。

私は本を開いて数行読むなり、涙が止まらなかった。
何か悲しいことが書かれている訳でもないし、もしかしたら妊娠中のホルモンの影響で感情的になっているだけなのかもしれない。
でも本を読み始めてすぐに「これが私が求めていた本だ」という確信があった。

 初乳を飲ませるということは、赤ちゃんの生命を守るばかりでなく、母親であるという意識を強くお母さんに印象づけることになります。「この子のために、強く生きなければ」と、自分がかけがえのない存在であることにお母さんは気づきます。

『育児の原理―赤ちゃんのために―』

自分が育ってきた上で、私は両親や家族に愛されて育ったという実感があるし、これから生まれてくる我が子がそれを感じてくれるようにしなくては、という義務感が私にはある。
自分の両親が私に与えてくれたことは最低限自分の子にもしてあげたいと思う。

でもこの内藤寿七郎先生の言葉で、子育てをするということは最初の一日から、自分自身の成長のためでもあるんだと学んだ。

悩まない、苦しまない、ホッとする育児書です。

「育児の神様」と呼ばれ、愛育病院院長を務められた小児科医 内藤寿七郎先生が綴られた育児のバイブルです。赤ちゃんから幼児期までの子育てに本当に大事なことがこの一冊でわかっていただけます。(中略)公益社団法人 日本小児科医会推薦のお医者さまが薦める育児書。

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これから数回にわたって内藤先生の温かい言葉を紹介したいと思う。

2024年2月18日

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