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何が何でも花火を打ち上げるアメリカ人

昨日はこちらアメリカは独立記念日だった。夜中まで打ち上げ花火がバンバン上がり、非常に賑やかであった。

カリフォルニア州では山火事の恐れがあるため、花火は違法と聞いたことがあるのだけど、街の半分が逮捕されるくらいに花火が上がってたので独立記念日だけは例外なのかもしれない。

そもそも日本ではなかなか打ち上げ花火を家の庭で上げる人はいないと思うのだが、こちらはそれなりの規模の打ち上げ花火を一般家庭で上げる。
毎年思うが、割とカルチャーショックだ。


今日は少し山火事について書いてみたいと思う。

サンディエゴ出身の友達が「秋は山火事の季節」と言っていた。
日本人の私は「食欲の秋」だとか、「読書の秋」だとかが秋のイメージだが、からっからに乾いたカリフォルニア州では秋と言えば山火事の季節らしい。

こちら、どれくらい雨が降らないかというと、半年間一滴の雨も降らないこともあるくらいにからっからだ。

少し古いデータだが、日本ダム協会のページに世界と比較した時の日本の降水量の多さがよくわかるグラフがあった。

日本の降水量は優にアメリカの二倍以上だ。
更にカリフォルニア州はどれだけ雨が少ないかというと、2022年7月から23年6月にかけてロサンゼルス空港で観測された雨は610mmだったそうだ。
これでも例年よりかなり多い方で30年間の平均だとその半分の300mm程度しか降っていない。

夏の終わりから秋にかけて、街には汚れ切った車が溢れる。
何故かと言うと、毎年水不足で洗車は避けましょうというお達しがあるからだ。

からからに空気が乾いているからどんな小さな火花も山火事の火種となる。
例えば、金属製の郵便受けから散った火花が山火事に発展した、なんてケースもあった。

本当にこれ以上ないくらいにアメリカらしいケースなのだが、同じくからからに乾いたアリゾナ州ではこんなこともあった。

こちらでは赤ちゃんが生まれる前にGender-Reveal Partyなるものを開く人が多い。
これは赤ん坊の性別を発表する場で正直私にはそのお祝いの意図がよくわからないのだが、10年ほど前からかなり一般的になったパーティーらしい。

あるアリゾナ州に住むカップルはこの日を派手にお祝いすることにした。
爆薬の詰まった箱をライフルで打つと大量の色の付いた粉が舞い上がるといった仕組みだ。
ピンクの粉だと女の子、ブルーだと男の子の赤ちゃんだとわかる。
もうあまりにも危険なことが想像できる。

結果的に、このお祝い事がきっかけで45,000エーカー以上が焼けた。

私も含めこれがどのくらいの広さなのか想像つかないだろうと思う。
だいたい182平方キロメートルだそうだ。北海道の利尻島がちょうど約182km²なので、利尻島一島まるごと焼き尽くしたことになる。東京ドームだと3892個分という、これもまた想像しづらい広さが丸焦げとなった。

これは2017年に発生した事件だが、ライフルを発射した夫は有罪判決を受け、810万ドルの慰謝料を払うことになった。
あまりにも高いパーティーだ。
不幸中の幸いで死者は出なかったが、生命の誕生を祝うめでたいパーティーのはずが、地域に甚大な被害をもたらす迷惑すぎるパーティーとなってしまった。

こんなこともお構いなしに今年も楽しく盛大に独立記念日を祝ったアメリカ人たちであった。
火の用心。

7月5日 水曜日

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