私は考え始めた葦

地に足の着いたアメリカ暮らし

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最近の記事

息子と関わる上で気をつけていること

すやすや気持ち良さそうに昼寝をする息子の横で『育児の原理』から心に残った部分をメモしてあるノートを開いている。 息子が生まれる前、上記の文章を読んで、ふむふむ、そうだな、母である私の心が安定していることが一番大事だな、などとわかったような気持ちでいた。 子育てを始めてまだたった数か月。 これがいかに難しいことか早速気づき始めている。 それでも私はこの本に出会えてよかったと思う理由は、この言葉をふと思い出しては悩める時も出来るだけ息子に笑顔を見せるようにしている。 口角を上

    • 私と赤ちゃんの授乳の旅

      前回の記事から3日後、突然陣痛が来て予定日より1週間以上早く息子は生まれてきた。 それから約一ヶ月。 この小さな存在が私達と一緒に住んでいる不思議を幾度となく感じながら、幸いにも息子はすくすく(ぷくぷく)成長している。 アメリカでは通常分娩で産後に問題が無ければ、産んでから48時間以内に家に帰される。 私も2/23の夜7時に息子を生み、2/25の朝6時に看護師さんに「2,3年後に二人目産みに戻ってくるのよ〜Good luck! 」と笑顔で送り出された。 今にも壊れそうな

      • 現代のママ、情報を取り入れることの良し悪し

        今日もこの本から。 この本の一節に昔のママと現在のママを比べる項目がある。 この本の出版は1989年、ちょうど夫の生まれ年。ちなみに私はその3年後の92年生まれ。 著者の言う「昔のお母さん」とは、きっと著者自身の母親や祖母世代のことだろう。 だから、これから話す「現代のママ」が私の母親世代のことなんだろうと思う。 この本が書かれた時点で「現代のママ」は神経質気味で、情報過多に悩んでいると作者は考える。 現在の私たちなんて、この「現代のママ」の数倍数十倍は情報過多なのでは

        • 赤ちゃんを育てていく上で

          何かの本を読んでいた時に作者おすすめの本として出てきた『千年の読書』。 実は私はまだ全部読んでいないのだけど、最初の数ページをめくっただけでもわかる魅力的な本だった。 読書好きな人が正直に真摯に書いているストレートな文章、という印象。 この本の端書きには、 とある。 この一文を読んだ時に本当にそうだなぁと妙に納得してしまった。 現在私は臨月を迎えた妊婦だが、数か月前妊娠のお祝いに、と母の友人が彼女の大切な育児のバイブル的な本を授けてくれた。 私はその本を読む前に、乳幼

        息子と関わる上で気をつけていること

          私の「赤毛のアン」

          最近この本を読み始めた。 脳科学者の茂木健一郎氏が「赤毛のアン」の物語を通して幸せとは何かを探求する。 面白いコンセプトだと思った。 赤毛のアンは、子どもの頃から私にとって身近な物語だった。 大判のハードカバーの絵本が家にあったため、繰り返し繰り返し読んだ。 大人になると、同じ本を読み返すことがめっきり減ったが、子どもの頃は気に入ったものは絵本でも映画でもアニメでも繰り返し繰り返し見たものだ。 大人になり、アメリカ人の友人から「これ私が一番好きな本」と勧められて原書で「

          私の「赤毛のアン」

          多方面から大戦を見つめる

          先週末、私の住むカリフォルニア州には約100年ぶりのハリケーンが上陸した。 大変なことになる、とニュースで散々脅されたが私の地区は特に被害もなく台風が過ぎ去っていった。 日本ならこのくらいの雨なら一年に何度もあるよ、くらいの降水量でも普段本当に雨の少ない地域故、道路の水捌けの悪さによる冠水やアパートの雨漏りなど心配した。 水道が止まった時の備えとして飲料水を余分に買ってきたり、調理なしで食べれる食料を準備したり、トイレの水を流すのに風呂の水を貯めたり色々考え得ることをして

          多方面から大戦を見つめる

          恐るべきデビュー作

          今日やっとこの本を読了できた。 AmazonでKindle本を買おうとするとプロモーションでやたらと出てくるので、嫌でも目にしていたし、アガサ・クリスティー賞受賞!この小説が熱い!みたいな何枚も熨斗がついたような本だったので、天邪鬼な私は「うーん、なんか人気あり過ぎて違う…」と拒絶反応を示していた。 セールになったところでようやく、レビューくらいは見るかと商品ページに飛ぶと「ロシアがウクライナと戦争している今だから読むべき」という趣旨の投稿を見て、何これ?ロシアの戦争の話

          恐るべきデビュー作

          コナンファンが読むアガサ・クリスティーの名作

          最近この本を読み始めた。 ミステリーの女王、アガサ・クリスティー著の『そして誰もいなくなった』は長いこと読んだ方がいいと思っていたが、なかなか手が出なかった。 言うのを憚られるが、なんかタイトルが魅力的に思えなかったのだ。 英語で人は見かけによらないというのをYou can't judge a book by its cover.(本の表紙を見ただけでその本のことをわかったと思うな)と言うが、本当にその通りで、読んでみたらすぐにこれは面白い!となった。展開も速く、次々と物

          コナンファンが読むアガサ・クリスティーの名作

          Twitterの閲覧制限はいいことか、悪いことか

          Twitterの仕様変更が話題になっている。 一般人だけでなく、有名人や大企業もTwitterの代替サービスを目指すThreadsでのアカウント作成を発表したりとTwitterユーザーにとって大きな転換点となるかもしれない。 多くのTwitterユーザーの反感を買ったのはツイートの閲覧制限だろう。 Twitterを所有するイーロン・マスク氏は「一時的な制限」として具体的な数字と共に閲覧制限を発表した。 認証済アカウントは一日に6000件、非認証アカウントは600件、新規の

          Twitterの閲覧制限はいいことか、悪いことか

          若く苦く、そして誰でも共感できる

          本当に好きな人ができるってこういうことよね、と思わせてくれた本がある。 それは森見登美彦著の『太陽の塔』という本だ。 随分前に読んだ本で内容は詳しく覚えていないが、京都の大学生を主人公にこちらが苦しくなるほどに若く、胸を締め付けられるような青春の恋愛を描く。 作者自身が京大卒で、京都をよく知る人は読みながら情景が浮かぶだろうなと思う。 最後の最後に主人公が彼女との思い出をただ羅列するシーンがある。 私はそのシーンが本当によく若い時の恋愛を現わしているなと思い、ノートに

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          何が何でも花火を打ち上げるアメリカ人

          昨日はこちらアメリカは独立記念日だった。夜中まで打ち上げ花火がバンバン上がり、非常に賑やかであった。 カリフォルニア州では山火事の恐れがあるため、花火は違法と聞いたことがあるのだけど、街の半分が逮捕されるくらいに花火が上がってたので独立記念日だけは例外なのかもしれない。 そもそも日本ではなかなか打ち上げ花火を家の庭で上げる人はいないと思うのだが、こちらはそれなりの規模の打ち上げ花火を一般家庭で上げる。 毎年思うが、割とカルチャーショックだ。 今日は少し山火事について書い

          何が何でも花火を打ち上げるアメリカ人

          スポーツは平和の糸口になるか

          こちらアメリカは、まだ7月3日。ツールドフランスの第三ステージを見ながらnoteを書く。 バスク地方から始まった今年のツールドフランスだが、今日レースはフランスに突入した。もちろんレースは初日から始まるのだが、やはりフランスに入ると「始まったな」と感じる。 連日ニュースで目にするフランスのデモの様子とは裏腹に、ペロトン(自転車競技の集団のこと)はぬるりとバスク地方からフランスに入国した。これが出来るのがヨーロッパのすごいところだ。 これをもし他の地域でやろうとすれば、選

          スポーツは平和の糸口になるか

          7月をツールドフランスに捧げる

          私は7月に入るのを心待ちにしてきた。 理由は一つ、7月1日にツールドフランスが開幕する。 今年はバスク地方からのスタートだ。意外に思う人も多いかもしれないが、ツールドフランスはフランス国外で始まることが多い。 去年のスタートはデンマーク・コペンハーゲンだった。 スタート地点は毎年違うが、パリのシャンゼリゼがゴール地点というのが伝統だ。 去年のツールドフランスでは24日間、21ステージで3328kmの走行距離だった。 2ツールドフランスの魅力はもちろん一流の選手が一同に

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          犬にとって人間は厄介者?

          連日この本について書いているが、今日もこの本から。 この本の著者は辛辣で真面目な本なのにくすりとくる部分も多い。 日高教授の訳もそれだけ上手だということだと思う。 著者は動物行動学は忙しくしていたい人には向かないと言う。 日がな一日動物のペースで暮らし、動物の行動を観察するのが仕事だからだ。 犬と暮らしたことがある人ならわかると思うが、犬は一日のほぼ大半をただ、だらだらして過ごす。主人が留守なら、その時間ほとんど眠って過ごしている。 これは私にとって僅かながら衝撃を与

          犬にとって人間は厄介者?

          大人になりつつある子ども達

          少し前に読み終わったこの本。 この本では思春期の始まる12歳から20歳ごろにどんな人と知り合うか、どんな物と出会うかが大事だと説く。 前回、この本について書いた記事では幼児教育について私も考えてみたが、今回はもう少し大きくなった子どもたちへの教育について本を通して学んだことを書いていこうと思う。 著者は一流のスポーツ選手や芸術家を目指す人は、専門家から教わるのが当たり前の世の中なのに、学校の勉強は専門家といえる人から教わっているのだろうか、という疑問を投げかける。 学

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          渡り鳥ペリカンの神秘

          少し前に夫とハイキングに行ってきた。行き帰り1時間強の散歩程度のハイキングコースだが、太平洋が一望できる景勝地で何度訪れても感動がある。 そこでペリカンが群れで飛んでいるところを見て、ふと思ったことがある。ペリカンはこの辺ではよく見る鳥なのでなんら珍しくはないが、あのサイズの鳥が群れを成して飛んでいる姿は迫力があり、何度見ても目で追ってしまう。 この辺りにいるアメリカシロペリカンは渡り鳥である。 冬はこの辺り、つまりカリフォルニア州やメキシコで過ごすが、夏になると米国北部

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