病院って、もしかしてヤバい環境なのか?
私は、学校を卒業してからは、看護師として仕事をし、途中、専業主婦の経験もありますが、医療福祉の世界でずっと仕事をしてきました。
仕事をする上で、病院って、ある意味狭い世界で、医師は様様なところがあって世間知らずなところがあると思っています。
いつも聞いている木下斉さんのvoicyで、2月の放送なのですが、「ヤバ病」の話をして、頭を縦にふること!ふること!
有料放送なのですが、医療関係者にはぜひ聞いてほしい内容です。
クレームを生きがいにしている人
以前の勤務先の病院での出来事です。
当時、入院してきた患者Hさん、80代女性、ほぼ寝たきりで、肺炎を繰り返し、衰弱していました。
このHさんの息子さん。
お母さんが大切で、心配だからなのでしょうが、病状説明の場面では質問が多く2時間以上時間がかかる状態。
毎日のようにかかってくる電話、そして病院宛てのメール。
どんな内容か・・・。
肺炎をおこさないようなケアをきちんとしているかなど、治療やケアに対する質問の数々。そして、カルテ開示要求などまで・・・。
院内では、入院病棟の看護師、電話やメールの対応をする事務の人たち、担当する医師、たくさんの人が対応に追われている状態でした。
一人の患者さんは大切。だけど、患者さんは一人ではない。
他にもたくさん大切な患者さんがいます。一人の患者家族の対応に何時間も割かれていては、他の患者さんに対応できなくなってしまいます。
医師も面談に2時間以上拘束されては、他の患者さんの診療が出来ない状況となってしまいました。
つまり、病院内の業務に支障を来たしてしまっていたんです。当時は、病院職員は、ただでさえコロナの対応で疲弊していました。もしかすると、Hさんの息子さんも精神的に不安定な状態だったのかもしれない。
Hさんの息子さんへの対応は、Hさんを良くするための対応にはなっていない気がして、Hさんの息子さんをそうさせているものは何だろうって思っていました。
これは、少し極端な事例ですが、似たようなケースはかなりあります。
カルテ開示とは?
少し、話が逸れますが、カルテ開示って知っていますか?
カルテ開示とは、
診療情報のコピーをもらったり、見せてもらうこと(閲覧)
個人情報保護法で定められており、医療機関に請求すればカルテを見ることが出来ます。そして、請求理由を伝える必要はありません。
手順を踏んで請求する必要があったり、少し費用がかかったりしますが、病院は、カルテ開示の請求があった場合は、特別な理由がない場合を除き、カルテを開示しなくてはならないのです。
(費用は、コピー代程度のところから、5,000円ほど必要なところがあります)
つまり、カルテというのは病院のものではなく、患者さんのものなんですよね。でも、実際、カルテ開示はやっぱりハードルは高いんじゃないでしょうか。それでも、年間一定数の開示請求はあるようです。
認知症患者の対応
冒頭、紹介したvoicyですが、木下斉さん自身が入院中のエピソードも話されています。
昼間、ナースステーションで車いすに乗ってほぼ寝ている患者さん。看護師に起こされていたそうですが・・・。
これは、昼夜逆転した患者さんが昼間に寝ないように、一生懸命声をかけているんです。人の少ない夜間、寝てほしいからです。
他にも、ナースコールをひっきりなしに押す患者さん。
動けないのに動いてしまい、転倒している患者さん。
点滴を抜いてしまう患者さん、等々。
認知症患者の対応に追われ、疲弊しているのが、現在の病院の現状なのです。
医療費に対する説明不足
木下さんが、入院中に追加される検査の目的や費用の説明がまったくない、と話されていましたが、これ、ホントにそうだなって思ったのです。
医療費って上限があるので、入院費って検査を追加しても患者さんが支払う金額は変わらないことがほとんど。だからか、医療費について説明する場面ってほぼなかった気がしますし、それに疑問を全く持たなかった自分にも、今はびっくりします。
そう言えば、以前勤めていた病院の看護部長は、「看護師はお金の話はしません!」と言い放っていたなぁ・・・って思い出しました。
そう言えば、最近の我が家の出来事。今年に入り、夫の検査が続き、検査入院や外来での検査。たくさんしてきました。検査の説明はありますが、費用の説明ってほぼないんです。さすがにPET検査だけは説明があったけれど、それ以外はなし。
その結果、料金を支払う段階で万単位のお金が必要になるわけです。
これには参りましたね。
医療費の説明って大事、患者家族の立場になって、ホントに思います。
病院って、やっぱり世間一般の考え方とかけ離れているのかもしれないって最近すごく思うようになりました。それとともに、働く環境としても、病気をみる以外のことにかなり労力がかかっている現状って、ヤバい状況になってきているということかもしれないって思ったのです。
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