見出し画像

在宅介護の現実、介護サービスの利用は難しくなっている

GW明けの仕事、初日。
なんとか仕事を終え、帰ってきました。休みボケかなと心配していましたが、なんとか仕事がいつも通りできたので、良かったです^^

それでも、割と忙しく、バタバタとしていたのですが、先月、入院にむけての面談を行い、今週、入院を予定しているご家族から電話がかかってきました。ご家族の思いと現実のギャップみたいなものを考えさせられたので、シェアしたいと思います。


自宅介護の壁

電話をかけてこられたのは、80代の患者さんの姪御さんです。平日は仕事が忙しいと聞いていたのですが、仕事の合間をぬってかけてこられたようです。

入院にむけての面談は済んでいますので、どうしたのかと思ったら、入院前にもう一度話があるのか?みたいな質問でした。

入院当日の流れをもう一度説明し、その後、少し質問など不明点を確認していたのですが、その中で姪御さんが「できれば、今後自宅でみたいとも考えているのです。」と言うのです。

患者さんは、今は自分で動くことができず、食事、排泄、移動はすべて介助が必要な状態です。食事はどろどろの形態のものを介助で摂っていますし、少し前までは食事量が少なく、点滴をしていました。

患者さんは、もともとご主人と2人暮らし。ご主人は、癌を患っていて、治療中です。患者さんのお姉さんの子どもが姪御さんです。ご主人もお姉さんも80代です。姪御さんはお仕事があり平日の日中は家にはいません。

私には、食事、排泄、すべての介護を自宅でみれる状況とは思えませんでした。なので、食事が摂れるようになり点滴が不要になった場合には、施設を探していきましょうと話をしていたのです。

姪御さん曰く、「介護保険のサービスを使えば、なんとか家でみれないだろうか?」

もちろん、理論上は1日数回ヘルパーさんに入ってもらうことで対応できるかもしれませんが、介護サービスの事業所も人手不足があり、希望する利用回数のサービスが入れる状況ではありません。

これは、田舎に行けば行くほど、サービス利用が難しいという現状があるのも事実。高齢者が増え、介護する側の人材が不足しているのです。

介護保険サービス利用の課題

介護保険が2000年に始まり、介護サービスの利用が出来るようになった現在。今は、介護保険の利用料がどんどん増えていて、私達、現役世代の社会保険料が上がっていることも、話題になることが増えてきました。

実際、ネットで介護保険の財源を調べてみると・・・。
23% ⇒ 65歳以上の高齢者(1号保険者)
27% ⇒ 40~65歳(2号保険者)
残りの50% ⇒ 税金
これで、今後もこの制度は成り立つのだろうか?って首をかしげたくなります。

財源の問題は深刻です。

でも、財源より深刻なのは、人が足りない状況です。サービスを利用する側から考えるとかなり厳しい状況。

私が勤務している地域は特に社会資源が不足していて、ヘルパーさんも思うように利用ができないですし、ショートステイなども使えるところが限られているのが現状。

以前、千葉県で仕事をしていたことがありますので、地域によるサービス利用の差というのは、かなり感じるところです。

自宅で介護するのは、覚悟が必要

私も、少し前まで義父の介護を自宅でしていたことがありますので、毎日のキザミ食の準備、排泄の介助、汚れた時の着替えなど日常的な介護の大変さを知っています。

私が介護できたのは、やっぱり1人ではなく、義母や夫も一緒にしてくれていたからです。そして、デイサービスやショートステイ、ヘルパー等、介護サービスの利用もしていたからです。

介護サービスは利用の限度額を限度いっぱい、時にはオーバーして利用していました。それでも、目がはなせなくて、休日に出かけられないことなど、日常の不都合は多くありました。

なので、先ほど紹介した患者さんのご家庭で、在宅介護するのは、それこそ姪御さんが仕事をやめてでもみたいと言うなら可能かもしれませんが、現状ではきっと難しいでしょう。

そんな話を、電話で姪御さんに話してみましたが、どこまで理解ができたでしょうか。今まで介護の経験がないので、イメージがつかず、理想を追い求めているのかもしれません。

私は、在宅介護は賛成の人間ですが、やっぱりバランスは大切。家族の生活が成り立たなくなるような在宅介護はおすすめしません。

感情と現実の難しさと言うのでしょうか。
でもね、やっぱり在宅介護は、覚悟が必要なんです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?