みっきー

名古屋で菓子製造業をしている登山者です。 高いアルプスも好きだけれど、低山も好き。 人…

みっきー

名古屋で菓子製造業をしている登山者です。 高いアルプスも好きだけれど、低山も好き。 人と一緒に登るもの好きだけれど、ひとりで自然を味わいながら散策するのも好き。 自然と人との最適な関係を目指す、「山のパートナー」を目指して日々勉強中です。

最近の記事

みっきーのリアル登山者の端書き#772『環境の豊かさとバランス』

芋農家さんとのお話の際に、興味深いお話をいただきました。 それが「さつま芋を育てるには土地が豊か過ぎるとダメ」というお話です。 土地が豊か=窒素分が多い環境のとき、さつま芋はたくさん葉を広げるのにエネルギーを使ってしまい、根=実には栄養が回ってこずに芋が太らないということでした。 殆どの植物はタイミングよく施肥(肥料を与えて窒素を増やす)することで、実りを良くしますが、必ずしもそれがプラスになるとは限らないようです。 人についてもサツマイモタイプな方もいらっしゃるのか

    • みっきーのリアル登山者の端書き#770『土の生き物の力』

      先日ベランダの鉢植えの移植作業をしていたのですが、途中で土が足りなくなってしまいました。 そこで半年近く放っておいたプランターの土を移し替えて使おうとしたところ、掘り返すとそこから、ミミズが出てきました。 ミミズの生命力に感心しながらも、更に掘り進めたらもう一匹。 更に一匹。またまた一匹。 最終的にプランター1つに4匹のミミズがいました。 彼らは、水やりもまともにせず野ざらしにしていただけのプランターの土の中で半年以上生息していたことになります。 限られた環境であっても

      • みっきーのリアル登山者の端書き#771『道中の油断』

        岐阜と福井との境に「夜叉が池」というスポットがあります。 標高1,000m前後にある山上池で、周辺には高木も少ないので面白い景観が楽しめる場所として人気を集めています。 私はこの山に一度登りに行ったことがあり、最高の眺めとニッコウキスゲの群生を楽しんだのですが、問題はその道中にありました。 名古屋から出発し、岐阜県に入り、揖斐郡あたりから山間部に入りました。 私は早朝から登山がしたかったので夜中に移動をしており、道中のコンビニで当日の昼食を買って登るつもりでした。 山間

        • みっきーのリアル登山者の端書き#769『プロセスとゴール』

          登山において、プロセスは山を登ること。ゴールは登頂することが一般的です。 ただ、中には登頂がゴールではなくて、「見晴らしのいいところでコーヒーを一杯飲みたい」とか、「山の中の植物を観察したい」ということもあり得ます。 そこは登山者の多様性ですね。 そんな多様性の中のひとつには「山を登ること」自体が目的の方もいるように思います。 「自然の中で体を動かす」ということが好きな人ですね。 そこでは「健康な体を作りたい」とか「自然を愛したい」という意識は薄く、あくまで自分の中でフォ

        みっきーのリアル登山者の端書き#772『環境の豊かさとバランス』

          みっきーのリアル登山者の端書き#767『環境と生長』

          元庭師の妻から、ベランダで育てている柚子について「枝ぶりが悪い」との指摘をもらいました。 私自身も柚子の枝の伸び方は気になっていて、幹が途中から二股に分かれているまではいいのですが、それが少し上の方で交差しており、柚子特有のとげのせいで絡まってしまっているような状態になってしまっています。 これについては妻は「日当たりが悪い場所に置きすぎたせい」と話していました。 植物の生長と環境は密接に関わっています。 日当たりが悪ければ今回のように枝ぶりが悪くなったり、樹形が乱れた

          みっきーのリアル登山者の端書き#767『環境と生長』

          みっきーのリアル登山者の端書き#766『朝焼けのタイミング』

          出勤時にちょうどいい感じに朝焼けを眺めることができました。 朝の住んだ空気と緋の色の組合せには、心を気持ちよく洗われました。 自然は作られた芸術作品などと違って、「人間に美しく見せよう」と思っているわけではないのに、そうした魅力を持つことは不思議ですよね。 少し異なりますが、人間が緑に癒されるのは、原初の人類(類人猿くらいの頃)は森の中で生活していた生き物だから、それに囲まれることに安心を覚えるという話があります。 では朝焼けの場合はどうなのかと考えると、人間はその目の

          みっきーのリアル登山者の端書き#766『朝焼けのタイミング』

          みっきーのリアル登山者の端書き#765『同行者の視点』

          長野県の白馬連峰を縦走していた時のことです。 私は息も絶え絶えで登っていたのですが、同行をしていた友人が目の前にずっと続いている稜線を俯瞰してこう教えてくれました。 「稜線のピークを挟んで、右と左で地形が全く違う」 これは積雪のある高山帯のアルプスで発生する地形で、非対称山稜と呼ばれるものです。 稜線を挟んで西側は山を越える前の湿った空気だけが当たりやすく、東側は山を越えて積雪となって雪が積もりやすい。 雪は地形を削る効果が高いため、東側が西側に比べて険しい地形となり、非

          みっきーのリアル登山者の端書き#765『同行者の視点』

          みっきーのリアル登山者の端書き#764『いくつもの峰々』

          仕事柄東海道新幹線をよく使うのですが、北側の席からは山々の風景が良く見られます。 特に静岡辺りでは低山がいくつも頂を連ね、ギザギザと波打つ緑が見受けられます。 電子国土地理院の色別標高図を見てみても、どの山域もほとんどが細かいしわが刻まれた(=細かい起伏がある)地形となっています。 例外は富士山、八ヶ岳、浅間山などが比較的周囲がなめらかですが、これらは近年(といっても地球史上の近年ですが)に火山噴火があったものと考えられそうです。 低山と言っても標高が1,000mもあれば

          みっきーのリアル登山者の端書き#764『いくつもの峰々』

          みっきーのリアル登山者の端書き#763『空気の浄化』

          先日の台風の大雨の後の青空が、気持ちよく広がっています。 雨で空気中の余計なものが全部落とされることで、すっきりとした空気になっているからでしょう。 こういうときは、遠方の山々も澄んで見えるものです。 ところで、よほどの黄砂とかでもない限り、空気中の塵とかは意識しないですよね。 ですがそれらが積み重なって、遠くの山が見えないといった現象にも繋がっていきます。 日々の生活の中でも気づきにくい何かの積み重なりがあり、それが解像度を下げてしまっているかもしれません。 ですので

          みっきーのリアル登山者の端書き#763『空気の浄化』

          みっきーのリアル登山者の端書き#762『木の物理的な力』

          木は枝葉や根を伸ばす以外、基本的に動きを見せないので「静的」な印象を受けます。 ですが、その内側ではどうでしょうか。 何mもある高い木であっても、先端には青々とした葉を茂らせています。 その葉たちにはしっかり水が行き渡っているわけですが、それは木が根から吸い上げ、何mもの高さまで水を押し上げるという木の力によって成立しています。 動物の筋力などとは違い、蒸散や圧力差など、色々な条件を駆使してるのでわかりにくいところではありますが、木の中にもしっかりと力強い動きが存在してい

          みっきーのリアル登山者の端書き#762『木の物理的な力』

          みっきーのリアル登山者の端書き#761『木の建物への関心』

          日本の古い木造建築では、釘などの金属部品を使わずに、木材の組合せ&かみ合わせを工夫することで強固に建てられたものがあります。 以前、宮大工さんの本を読んでからその辺りに関心があり、つい木造建築に入るとその辺りに注目している癖がついてしまっています。 先日とあるアミューズメント施設に遊びに行ったのですが、そこに建てられた木製の建物について、目に見えるところでは金属が使われておらず、同じような工夫が凝らされているように感じました。 現代の建築基準では一切使わないのは難しいので

          みっきーのリアル登山者の端書き#761『木の建物への関心』

          みっきーのリアル登山者の端書き#760『カエルの擬態』

          沢沿いや湧水が出ている場所が近い山道を歩ていると、カエルの鳴き声が聞こえてくることがあります。 それも結構大音量で。 それだけの鳴き声がするのなら、何匹かカエルがすぐ見つかるだろうと思いがちなのですが、これが意外と見つからないのです。 鳥なんかは敵のいない安全圏で鳴くことができますが、カエルの場合は空を飛ぶわけにはいかず、また山地の少ない水源では、池などのように水の中に逃げ込むこともあまり得策ではありません。 となると、必然として別で身を守る術が必要となり、石や葉への擬

          みっきーのリアル登山者の端書き#760『カエルの擬態』

          みっきーのリアル登山者の端書き#759『ギャップ更新』

          ギャップ更新とは、森林で木々が成長するプロセスのひとつを表した単語です。 前提として、木には陽樹と陰樹が存在することがあります。 陽樹は日向ですくすくと育つパイオニア。 陰樹は日光が少なくてもじわじわと育つ樹木です。 通常、森では色々な木がめいっぱい枝葉を伸ばしていて、上から見ると隙間がなく枝葉で覆われています。 これの枝葉で覆われている屋根を樹冠と呼びます。 この樹冠に、例えば台風などの影響や木の寿命などによって、倒木が発生することでぽっかりと穴が開くことがあります。

          みっきーのリアル登山者の端書き#759『ギャップ更新』

          みっきーのリアル登山者の端書き#758『金華山・めい想の小道』

          金華山は岐阜市の中心にある低山で、標高は329m。 山頂には岐阜城があり、現在は新築された博物館になっていますが、かつては斉藤道三・織田信長の居城があった場所です。 少し前の大河ドラマ「麒麟が来る」でも話題となりました。 この山はいくつもの登山ルートがあるのですが、そのひとつに「めい想の小道」というルートがあります。 https://gifu-nature.net/post-37 こちらについてはファミリー向けという記載があって、ビュースポット(眺めがいい場所)もあるとい

          みっきーのリアル登山者の端書き#758『金華山・めい想の小道』

          みっきーのリアル登山者の端書き#757『変わらぬ姿』

          私の知り合いが岐阜の白草山という山に登ってきた写真をFacebookに掲載していました。 その方とは6年前に一緒にその山に登っていたのですが、そのとき稜線の上で突出して並んでいた針葉樹の景観があり、それを当時の私たちは「トサカみたいだね」と話題にしていました。 そのことをその方も覚えていたようで、同じところから撮った写真を掲載されており、「モヒカンは健在」とコメントされていました。 私が6年前の写真を持っていたので、画像を比較してみたのですがやや葉の茂りが増えているよう

          みっきーのリアル登山者の端書き#757『変わらぬ姿』

          みっきーのリアル登山者の端書き#756『登山をする人と話す』

          久しぶりに、登山を楽しまれる人とお話しをする機会がありました。 その中で感じるのは、登山の楽しみ方は多様であるということ。 好きなものも、推しポイントも一緒であるとは限らない。 そうした違いがありながらも、相手の好きなものも排他せずに受け入れ、一体感を感じられるかどうかが、趣味を多くの仲間と楽しめるかどうかのポイントのように思います。 折角なら、山のように多くの生物の多様性を受けいれられる、そんな生き方が素敵ですよね。

          みっきーのリアル登山者の端書き#756『登山をする人と話す』