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一橋経済研究科に合格した話(参考書)

 初めまして。現在一橋経済学研究科に所属するマダオと申します。この記事では、私が経済学研究科入試で用いた参考書についてシェアできればと思い、記事を作成しました。

1. 数学


 当方学部時代から数学をほとんど勉強してこなかったため、全く数学がわからない状態から勉強を始めました。その中で、良いなと思った参考書を挙げていきます。

・微分積分

巷には、分かりやすすぎて数学の厳密性を損なっている微分積分の教科書が多いですが、この本はわかりやすさと厳密性をどちらも担保しているため、非常にわかりやすく、また、ためになる本でした。

・線形代数

これは学部時代に履修した線形代数の教科書だったので院試の時にも用いました。証明などが一部省かれているのですが、そこはネット検索などを行えば埋めれる部分です。とにかく、線形代数は微分積分以上に理論より実践の面がある(行列計算で、なんでこうなるのとか考えても仕方ない)ので、こう言う参考書は為になりました。


2. ミクロ経済学


ミクロは、自分は一冊しか勉強しなかったので、そちらを紹介します。自分の専攻がマクロだったので、あまり難しい問題を出すような教科書がいらなかったのもありますので、ご自身の専攻などと相談して、以下の教科書に足す形がいいと思います。

ミクロは、ゲーム理論以外、本当に神取ミクロのみで大丈夫と言い切っていいと思います。初学者にも分かりやすいのに、内容は学部中級レベルのミクロ経済学(特に価格理論と一般均衡パート)なので、これ一冊やっていれば、ゲーム理論以外のミクロ経済について、理論面の理解は大丈夫だと思います。また、練習問題集も素晴らしいです。

基本的には、読んだ章に対応する問題が入っているため、1章やる⇨1章の問題を「ミクロ経済学の技」で解く、と言うプロセスで勉強を進めていました。

ゲーム理論なのですが、自分は奥野ミクロを読んで、ゲーム理論の数学的記述を読み、その問題集をやった程度で入試を迎えました。


3.マクロ経済学


さて、私の専攻であるマクロですが、これに関しても以下の2冊しかやってないです。

やはり、二神・堀マクロが、院試の上では全てだと思います。ここの1~8章、10~14章の問題を完璧にすれば、大体の院試問題は解けると思います。ただ、二点懸念点を挙げるとするならば、第一に解答解説がないです。厳密には回答はあるのですが、その解説がないので、問題の解き方がわからなかった時に、悩み混んでかなり時間を使ってしまいます。この点に関しては、私も院試受験生時代にかなり悩んだので、自分で解答解説ページを作りました。以下を参考にして頂き、二神マクロを完璧にしてください。(追記: 著作権法に引っかかるかもしれないと思ったため、辞めました。すいません。)

第二に、ラムゼイモデル以降のパートは、少し一般的な大学院での教え方と違うため、他の教科書で勉強する必要があることです。ただ、ラムゼイなどの本当の動学マクロは院の入試では出てこないので、院試を考えるならば全く問題ありません。一方で、マクロ経済学を専攻する場合、ほぼ十中八九何らかの動学的マクロモデルを用いると思うので、マクロ経済学専攻者は、研究計画書対策・口述試験のために、以下の本をやるといいと思います。

この本は、ソローから、ラムゼイ、RBC、NK(ニューケイジアン)と、様々なマクロモデルを、極めて分かりやすく説明しています。これを読めば、学部中級レベル〜大学院初級レベルのマクロ経済学の知識は身に付きますし、DSGEとは何かなどを口述試験で聞かれても対応できます。個人的な所感としては、二神・堀マクロは、経済学のミクロ的基礎(オイラー方程式等)とISLMなどの静学的な従来のマクロ経済学を学べるため、マクロ以外の専攻者にはこれで十分であり、マクロ専攻者は、蓮見を読んで、現代マクロ経済学のツールを学ぶべきと言う認識です。

・計量経済学


エコノメは、大学院入試で用いなかったので、どの参考書がいいか全くわからないのですが、M2の先輩に聞いた限りでは、以下がおすすめのようです。

確かに、パッと見た感じ、学部中級レベルの内容は含まれているため、この本で十分そうだと感じました。あと、大学院で役立つレベル(大学院の授業で楽ができるレベル)だと、以下もお勧めらしいです。

ただ、多分これを一冊目にやるのは厳しいと思うので、山本計量をやった後に、末石計量に移れば良いのではないかと思います。

終わりに

かなり長文になってしまったので、ここで終わろうと思います。お読み頂きありがとうございます。

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