ニースで花開いたマティスの切り紙絵
2024年2月某日
マティス 自由なフォルム
国立新美術館
昨年の夏に東京都美術館で観たけど、やっぱり観たくなるマティス。
構成や流れが似通っているのは、彼の画家としての変遷からすると当然かもしれない。
その時々で、画風やマテリアルを広げていったところがマティスのユニークなところだし。
いろいろあったけど、その都度しなやかに乗り越えていったマティス。
そして今回も最後はヴァンスのロザリオ礼拝堂でフィナーレ。
なんというか、さすがマティスの(後半生の)地元だけあって、メジャーな代表作をどーん!と押し出すってよりは、それぞれのフェーズのマティスのエッセンスがどうしようもなくあふれ出たって感じだった。
マティスの人生を網羅したコレクションをお持ちのニース市マティス美術館に感謝。
●セクション1 色彩の道
3 花瓶の側に林檎が置いて在る。的な
678 フォーブの前兆
9 一瞬、点描の道を通ったマティス
13 木彫りのダンス
ちっさい丸太にグルっと踊る女性たちが彫られている
その後も繰り返しマティスが好んだモチーフ
彫刻も結構すごいマティス
13 ドランが描いたマティス像
スナップ写真ならぬスナップ肖像画みたいな雰囲気がいい
背景と髭がオレンジ、ニットが青、パンツが緑 ささっと描いたぽいけど特徴出てるなあ
●セクション2 アトリエ
ニースのアトリエ マティスワールドが確立
23 ヴェネツィアの椅子
肘掛けにケモノがついてる!って思ったら魚だった。ヴェネツィアだからね。
実際にマティスが使っていたパレットがもうすでにマティスの作品のよう
彫刻も結構すごいマティス パート2
ジャネットはまるで仮面
アンリエットはたくましい 3つ並んでいてそれぞれに作風が異なる
貝殻からビーナス 両手をぐいっと後頭部にあげまくりーの貝にすっぽりはまってる。貝から誕生したっていうより貝にはまってるみたいな感じでおもしろい
33 ラフな裸婦
椅子の肘掛けに右足を乗っけてだらーんとリラックス
全体的にすっごくパステルカラーなのが印象的
35 読書する女
「夢」みたいな、ガタイあるんだけどエレガントな雰囲気が漂う
青背景、黄色テーブル、緑の服、花瓶の模様の赤がアクセント
リトグラフ
60 強気な顔のいい女ってかんじー
63 モノクロ裸婦色っペー
58 若い女がアンニュイで色っペー
デッサン
まるで一筆書きのような 少ないタッチで豊かな表現
●セクション3 舞台装置から大型装飾へ
・バレエ・リュス「ナイチンゲールの歌」の衣装
スーパー歌舞伎みたい!スーパーの方がもうちょい派手だけども
鳥がめっちゃ鳥、そのまま鳥
上演の様子の映像あり
●セクション4 自由なフォルム
そして切り紙絵の技法を切り開いたマティス
「ジャズ」シリーズ
壁にずらーっと全画?並んでいて楽しい。
ああこれ好きだな~これもいいな~これは昔ポストカードを飾ってたな~などなど、ずっと観てられる
目次ページが展示されていて、ページ数と共にざっくりしたアイコンが描いてあるのが興味深い
「ヴェルヴ(VERVE)」
かっこいい雑誌。もとい世界でもっとも美しい美術雑誌
大学図書館で閲覧できそうなので、いつか手に取ってみたいと思ってる
実際にタペストリーになってるの、初めて見た。
お部屋にほしいわ~ポリネシアン気分になるわ~
ちなみにオセアニアはタペストリーにはならなかったらしい
マティス最大の切り絵作品。とてもデカい。デカいけどかわいい。ウキウキしてくる
この展覧会のために修復されたとのこと。ありがたや~
紙が重なっていて、推敲の後を感じる~ 紙ごとに彩色具合が異なっているのも新鮮だった
角がありつつも、女体の特徴をよくとらえてるんだなあ
右手を頭の後ろにぐいっとしてるポーズ
●セクション5 ヴァンスのロザリオ礼拝堂
なんというか、観るとすがすがしい気分になるマティス。
ニースの雰囲気をまとっているからだろうか。
春のようにあったかい日も冬のようにさっぶい日もある今日この頃。
そんな2月の東京で、初夏のようなカラッと明るい気分を先取りしてきたんだぜ。
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