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シロクマ文芸部 参加作品

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シロクマ文芸部参加作品まとめ。
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記事一覧

[詩]「ハイヒール」#シロクマ文芸部

[詩]「ハイヒール」#シロクマ文芸部

赤色に輝く

ハイヒール

社交場に出向く

黒の革靴

現実で

見ることはなくて

ゆめうつつ

そこにはきっと

美しい

所有者がいる

私とは

相容れないだろう

艶やかな足元が

目に映る

踏みつける

音すら

タップダンス

空想の中の

ワルツに

ひとつ

合図をして

美しい貴方は

何故か

私の手を

取っている

据え膳食わぬは

男の恥

手を取った

そんな

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[詩]「青色発光ダイオード」#シロクマ文芸部

[詩]「青色発光ダイオード」#シロクマ文芸部

青色に輝け

LED

胸の内に

希望を抱いて

青い意志が

光輝く

変わりたかった

幼い頃から

変わらない黒髪に

変われなかった

何かにつけて

着飾れないこの身体に

躊躇ったって
始まんないから

今こそ変わる時

鮮やかに髪を染めて

ネックレスを
掛けてみた

たった

それだけで

何故だか

勇気が湧いた

青色発光ダイオード

始まりを告げた

第二の青春

少しずつ

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[詩]「愛おしきあの夜桜へ」 #シロクマ文芸部

[詩]「愛おしきあの夜桜へ」 #シロクマ文芸部

ああ

愛おしき

あの夜桜へ

街頭に照らされ

輝く思い出

貴方はいつも

冬の耐えがたき

寒さにも耐え

どんな向かい風も

乗り越えて

ここまで来る

ただ

芽吹く時を

待ち焦がれて

ついに芽吹いた

春先の空

咲いた花びらは

いずれ散っていく

けれど

人々の心に

今も残り続けるものがある

ああ

愛おしき

あの夜桜へ

今年も見ることが

出来るだろうか

星々

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[詩]「1/366」#シロクマ文芸部

365日と1日

四年に一度の1日

ズレを合わせるための役割

時が狂わないように

繋ぎ止めている

三年間

空白の29日

そこにない筈の日が

浮かび上がる

0.3%じゃ当てはまらない

 

今年にだけあって

誰かの卒業まであうことはない

閏年

2/29

なんてことない1日だけど

同じ日はもう二度とこない

卒業までの時間を伸ばす

モラトリアムの寿命を伸ばす

春の準備期

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[詩]「青写真とさようなら。」 #シロクマ文芸部

[詩]「青写真とさようなら。」 #シロクマ文芸部

青写真を描く。

妄想だらけのライフプラン。

計画立てただけの

テスト期間の過ごし方。

さよならを描く。

「また会う日まで。」

今が、

きっとその時だ。

シアノタイプの思い出。

鮮やかなあの景色も。

大好きだったものも全て。

過去はやがて

私だけの作品になって。

気付けば、

苦しみも薄れて。

また、歩けるようになる。  

青空の下で目を開ける。

理想にまみれたライフ

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[詩]「冬の誘惑」#シロクマ文芸部

[詩]「冬の誘惑」#シロクマ文芸部

布団から出られない。

少し早く

7:30に目を覚ましたはずなのに。

何故か9:00近くなっている今。

そんなありふれたことを思う。

思い立って。

スマホをやめた。

無理矢理に立ち上がろうとする。

いつまでも布団にいることへの罪悪感。

それに。

冬には布団以外にもたくさんの誘惑がある。

朝から飲むコーンスープ。

焼きたてのパン。

窓を開ければ。

少し寒いけど、澄んだ空気。

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