ふるさと…紋別

昭和25年生まれ。ふるさと「紋別」の思い出を中心に、その後の人生の思い出もランダムに綴…

ふるさと…紋別

昭和25年生まれ。ふるさと「紋別」の思い出を中心に、その後の人生の思い出もランダムに綴る自分史。そこに創作物語も突っ込んじゃう。昭和44年(1969年)の占いで「命の方で74.5才位迄は大丈夫と思う」と鑑定された。信じる信じないは別として2024年末を目途にしている。

最近の記事

眠ったふりしてる森の美女

1.危機一髪 ある日のことです。一人の王子さまが白馬に乗って森を通ると、眠っている美しいお姫さまを見つけました。 「なんと美しい人だ。」 王子さまは子供のころに読んでもらった「眠れる森の美女」というおとぎ話を思い出し、お姫さまにキスすることにしました。 ドキドキしながら顔を近づけていくと、どうしたことでしょう。 お姫さまが口をギュッと閉じてしまいました! 「これは魔女の罠に違いない」 驚いた王子さまは慌てて逃げていきました。 でも、それは「魔女の罠」でも何で

    • ギターよお前は

      1.ギターよ おまえは 覚えているかい 去年の浜辺の もう一つの影を 風に流れた お前の口笛を やさしくつつんだ あの人の黒髪を けれど今年は おまえと二人 波のささやきは去年と同じだけど ギターよおまえは分かってくれるだろ さよなら告げずに別れてきたことを (語り) 悲しんだよ とってもさ。 だって無理したんだ、いい人だったから あれ、ぼく、ぼく泣いちゃうよ でも泣かないの、泣かないの、泣かないよ… 2.ギターよ おまえも 忘れて行く

      • ガンさんと土鍋と年賀状

        岩(ガン)さんとの出会いは大学時代に遡ります。当時私は25歳でした。 大学時代、僕は4年に進級してすぐに「短期労筋ビザ」が取得できるプログラムを通じてアメリカへ渡りました。ひと夏を避暑地のホテルでウェイターをして過ごした後、そのヒザでは滞在延長が許されず、追われるようにイギリスへ渡ったのは秋も深まる中でした。 ロンドンでは2年半程過ごしましたが、「過ごした」というより、帰ってくるお金が無かったから「じっとしていた」と言う方が正解かも知れません。そうした放浪に近い生活の後、

        • 走馬灯の一時停止

          人生の断捨離の真っただ中である。 4月には高校卒業後、故郷を離れてからの手紙の数々処理をしました。 箱や衣装ケースにため込んだ手紙のほとんどは母からの物で、これまで2度ほど処分しようとしたことがありましたが、手紙を開いて読み始めると、処分どころか、一歩も前に進めなくなり、断念していました。 でも、なにしろ今回は今年11月までには終わらせたい「人生の」断捨離。心を鬼にして手紙を読まず(少ししか)、無心にシュレッダーしました。 次に多いのが結婚前に交わした僕と妻の手紙。

        眠ったふりしてる森の美女

        マガジン

        • エッセイ
          6本
        • 高校時代
          16本
        • 中学時代
          21本
        • 幼少~小学時代
          28本
        • 北国ダンサー物語
          41本
        • 紋別
          3本

        記事

          娘たちからのプレゼント

          僕の人生には思いもしないことが良く起こる。  それは2011年10月のことだった ―    *  *  * 話は変わるが、僕たち夫婦はロンドンで出会った。 妻は1972年の9月末、本場イギリスでダンスを習うため香港経由の南回りでロンドンに入った。 僕はアメリカの避暑地でウェイターをしてから同年10月にロンドンに流れ着いた。 だから、後年になって、 「僕たちは地球を抱きかかえるようにして巡り会ったんだね」 と妻に話して笑われたことがある。 それはさておき、僕たちは

          娘たちからのプレゼント

          実験室での失敗談

          それは高校の化学の時間のことでした。 クラスが実験室に移動し、グループに分かれたところで先生が、 「では、ガスバーナーに火をつけてください」と指示。 向かいの友達が元栓を開き、僕が点火する役目でした。 実験テーブルの上には三つ又のガス管があり、ガスバーナ3台同時に使えるようになっていてましたが、その日は1台だけ設置されていました。 当然友達は、ガスバーナが接続されている元栓を開けるべきところを、なにを思ったか、ガスバーナが付いていない元栓を開けたのでした。 不幸に

          実験室での失敗談

          交換日記

          処分できない青春の思い出の物に「交換日記」がある。 当時読んでいた「中三時代」の読者コーナーに「交換日記をしている」との女子の投稿があった。「交換日記」には女子のイメージがあるが、「俺たちもやろうぜ!」と親友たちに提案し、僕が口火を切って書き出したのは1965年(昭和40年)6月7日。 日記は主に合唱部の3名の間で交換した。3名とは ――  井矢見 比賀見 苦砂見 僕たちの仲間に最初にバク転を成功させた高橋君がいて、僕が彼に「お前、チビ太に似てる」(漫画、おそ松くんに

          第5回児童生徒音楽コンクール

          なぜか僕は故郷を離れてからの手紙が捨てられなくて、引っ越しする先々迄ずっと持ち歩いてきたが、遂に人生の断捨離としてシュレッダーすることにした。 しかし、なにぶん卓上シュレッダーなので、一度に裁断できるのは2枚まで。よって、事前に手紙を開封してばらしているのだが、その作業中に、友人が送ってくれたこのプログラムが出てきたので、記録しておこうと思う。 お宝、お宝(笑)。 僕は小学3年生だったので1959年(昭和34年)のコンクールという事になる。当時の小学1年から高校3年まで

          第5回児童生徒音楽コンクール

          「つぶやき」実験: どのように表示されるか実験する初めての投稿。「note」は昨年3月に開始。使い勝手が良ければ兄の作品発表の場として提供する予定だったのだが、その兄が4月に逝去。兄の作品集が見つからなないまま、僕が使い続けている次第。

          「つぶやき」実験: どのように表示されるか実験する初めての投稿。「note」は昨年3月に開始。使い勝手が良ければ兄の作品発表の場として提供する予定だったのだが、その兄が4月に逝去。兄の作品集が見つからなないまま、僕が使い続けている次第。

          5章第6話(最終回)もし、ここに

          【目 次】 かくして、人生最大の無謀な冒険は終わった。 ◇ ◇ ◇ もし、ここに この一枚の写真がなかったら… 僕たちはみんな 同じ夢を見たんだね と笑い合うに違いない。 それほど信じられない 自分たちでさえ信じられない 嘘のような出来事だった。 … … けれど、思い返せば これまでの日々も あの瞬間と同じくらい 幸せだった気がする。 … … もしかすると 幸せとは どれだけ夢中で過ごす時間を持つか―― そういうことなのかも知

          5章第6話(最終回)もし、ここに

          5章第5話 無謀な冒険の行方

          【目 次】  しかめっ面のMCに何度も頭をぺこぺこしている千葉ちゃんを見て、メンバーたちは流氷のように凍り付いています。すると、ざわつく観客の中から一人、二人と手を叩く者が現れました。黒池ダンサーを応援してくれているのです。それが段々と広がりそうになったところで、MCはそれを制止しました。  再び静まり返り、様子を見守る会場。    するとMCが千葉ちゃんを連れてステージに上がったものですから、どんな罰が与えられるのかと、誰もが息を呑みました。ブラックプール大会の期間

          5章第5話 無謀な冒険の行方

          5章第4話 万事休す!

          【目 次】  昨日は夕方から会場に入り、アマチュア・スタンダードの熱い戦いを観戦しました。合間に20分ほどのダンスタイムが何度かありましたが、そんなに踊っている人はいませんでした。しかし、そのスカスカのフロアが、かえって大きなプレッシャーとなりました。目立ちすぎる気がしたからです。それでもみんなは、勇気を奮い立たせてフロアに立ったのですが、膝が震えるばかりで踊り始めることさえできませんでした。  夜のホテル。完全にうな垂れているみんなを前に千葉ちゃんが話しました。 千

          5章第4話 万事休す!

          5章第3話 幸ちゃん到着!

           【目 次】  翌日の午後、東山の幸ちゃんがホテルに到着すると、歓声が上がりました。周囲の人たちは「何事か!」「どんな有名人が来たのか!」という目で驚いたのは無理もありません。なにしろ10数名の団体が騒いでいるのですから。 寿 美: ごめんねえ、大変なお願いしちゃって! 幸 子: なんもさ。こちらこそ、お言葉に甘えてタクシーで来ちゃった。 さとし: いいってことよ。なんぼかかったって心配しないでいいから。  こういう調子になってしまうと、千葉ちゃんが入りこむ余

          5章第3話 幸ちゃん到着!

          5章第2話 出発!

           【目 次】  遂にブラックプールに行く日がやってきました。  去年の新年会で居酒屋「いらっしゃい」に集まったとき、みんなはクリスマスパーティーで踊ったフォーメーションの感激に浸りながら「またあんなことをやりたい」、「できればもっと大きな舞台で」と言い出したのを受け、千葉ちゃんが一つの考えを示した所、余りにも突拍子もない話だったので、寿美ちゃんが「そんな事できる訳ないでしょ!」と怒鳴ったのは無理のないことでした。  あれから早1年5カ月。いま、みんなはホーツク紋別空港

          5章第2話 出発!

          5章 いざブラックプールへ

          第1話 最後の練習日に! 【目 次】  新年になりました。昨年最後の練習で総ての振り付けが出来上がりましたので、1月に入ってからは音楽に合わせて通しの練習をスタートさせました。美和ちゃんと千恵子ちゃんは、新しく振りつけられたシーンを懸命に練習していますし、チャミちゃん先生は突然回ってきた男性役を完ぺきにこなそうと真剣顔です。  通しの練習はブラックプールへ行くメンバーだけではありません。恵美ちゃんの旦那さんの佐藤さん、母親が心配で行かれない鈴木の昭ちゃん、ブラックプ

          5章 いざブラックプールへ

          4章第7話 「グー」サインに溢れたホール

          【目 次】  今日は12月最後の練習日です。窓の外は雪の寒い夜ですが、暖房が効いたホールで練習できるのですから、有難いことです。  いつもの準備体操から始まりましたが、メンバーの顔は、あの日以来、暗い表情で覆われたままです。それは、美和ちゃんがお掃除おばさん役を命じられた日でした。あの日、泣き出しそうになったのは美和ちゃんだけではありません。美和ちゃんのポジションに入るよう言われた玲子ちゃんも旦那のヤスもすまない思いで泣きたい気持ちでしたし、他のメンバーも目を上げ

          4章第7話 「グー」サインに溢れたホール