あおぞらrag

文章を書いてみたいと思います。 特にジャンルはありません💦 また、やろう。 ここから。

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最近の記事

収穫前夜

しばらくは 神々座せる 稲穂の間。

    • solid

      わたしは固体ではなかった わたしは均質ではない 心根も 暮らしぶりも 物言いも 仕方がないのでコップの中にそろり 満たし 大きなスプーンでかき混ぜてみた わたしが均質になるように どこからみても同じ毎日であるように 裏表の無いように でも沈殿もしない マーブルにもならない ゲルに近い私のなかには なにもない気泡だけ いや何かある 何かある ナニカアル おもいつづけよう 混ぜ続けよう 完璧な固体となるまで

      • きんもくせい

        そのオレンジの花の一つ一つから たちのぼる膨大な香りに取り囲まれ 立ちすくんだまま あなたを見ていたら 悲しくなった  この先 誰かとどっかに行ってしまうと 思ったら 悲しくなった  から 明日消えよう あなたの世界から この香りとともに

        • 新学期

          赤い電車を待っている ドキドキしながら 昨日は息は吸えました うんうん、吸えたんだ だから今日もホームに立ってる あ エレベータが到着した その少年は少し難しそうに歩きながら 乗車目印目指す そう 普通だよね、 快特や特急ではなく 普通に乗ろうすぐ降りられるように 普通に乗ろう座れるように だろ?君も その足でよくここまで その足で あ 君 靴ひもほどけてる ちょっと行ってささやきたい それじゃ靴ひも踏んじゃうよ危ないよ 靴ひもほど

          もうすぐ、最終週。

          今期の連続テレビ小説「虎に翼」は 人権問題がてんこ盛りだ。 女性の生理、同性愛者、戦争の犠牲者たち。貧しきものの未来、在日韓国人、 華族の末裔、子供たちの身柄。 およそこの世のいさかいは人権問題と言っても良いと思う。 全ての人権問題はドラマになりうる。 人権を追い求めるドラマ、なるほどやってもやってもきりがない。 でもその思いがその性質が私にこのドラマをまとまりのないコラージュのように見せてしまうのだ。 それほどに一つ一つの裁判が深刻で重く、寅子個人の物語とのバランスが私の

          もうすぐ、最終週。

          頭のなかと胸のうち

          ここのところ精神障害のことをテレビで良く放送している。 私の姉は二人とも精神疾患で長年服薬の憂き目にあっている。 そのうち一人は薬の用法を誤って壊滅状態に陥り挙げ句自傷で亡くなった。 もう一人はゆるゆる服薬しながらなんとかやっている。 そんなこともあってついつい精神の病に関する本や番組など見てしまう。 先日も精神科医のドラマのPRで当事者である双極性障害をお持ちのお二方が出演されていた。 同じ双極性障害という病名をもらった私としては興味を引かれるものがあった。 実は約15

          頭のなかと胸のうち

          死が手の内にあるならば

          今日も目覚めてタメ息 自分で死にたいやつ 死を認められたいやつ そろそろ死んでもいいやつ ひとつ屋根のした ひしめき合う生身のからだたち 死は個人的なもの 命はその人だけのもの それでよい それでよいが 自分で絶てば非難され 渋滞、遅刻、とばっちり、行方しれずと、探しがち 制度化されればまんまとお上に利用され、強要、詐欺、騙し討ち 数は容易にコントロール もう十分いきたでしょ? お迎えだよとさとされて一服盛られるお粗末さ、 目を離したすきに転んで落ちて

          死が手の内にあるならば

          のぞみ

          いたくなく なみだない わすれられるこわさもない あとしまつさえしんぱいない いきぐるしくなく おとろえない この私 死ねばしばらく困るだろう 悲しむひとはいないとしても でもそれよりも なかったことでありたいような。 そんなようすで きえてみたい

          とりあえず8.6に寄せて

          今日は8月6日。 どうしても条件反射してしまいます よ。 げに恐ろしきは平和教育のノロイで す。 平和記念式典やるよ!ってえねーち けーでニュースやってましたな。 気づいたんだけど今年は 「今日1日広島は静かな祈りに包ま れます」 って結びの言葉じゃなくて 「強い危機感をもってナンタラカン タラ」 って言ったので「あれ?それいつか ら?」と違和感で。 まあ、世界情勢そうなんですが。 そんでもって福田須磨子さんの詩 「ひとりごと」が思い起こされ

          とりあえず8.6に寄せて

          ヘイワの使者

          79年前 一本の筆 漆黒の墨汁 悪魔のささやき が 推し進める変革 「無かったこと」が大得意。 この国のハンドルを握るものたちは。 支配のために統率し管理していく 傀儡の一手。 教えてくれ、一本の筆。 お前がもたらしているこの国の安穏 それは長い長い癒しなのか お前は誘う。 さあ、 ハクチの国へいこうぢゃないか。 よだれを垂らしながら 倒錯のテーマパークへ 教科書の説教、 法律の脅迫、 映像の誘導 巧妙につくられたこの国のルール 何もかもがなかったことに。 見せ

          くずをかきあつめて

          むかしのむかし。 詩人になりたいと作文に書き 小学校の卒業記念にタイムカプセルにいれた それから8年経って 夏の暑い日成人式の時取り出してみた ずっとずっと覚えていたのに 何篇も詩を書いたのに たぶん伝える力がないんだろう 詩を創りたいんじゃないんだろう 文章を作りたいだけなんだろう 今どき風に言うと 「いいね」がなければ意味がなく 「いいね」がなければ捨てるべき 「いいね」がなければ恥ずかしく 「いいね」がなければ消えるべき 私の世界はどこにある 私を世界にいれてくだ

          くずをかきあつめて

          歳の取り方イロイロ。

          卒業とか入学の時期、とにかく春になるとよくラジオやテレビから流れてくる歌がある。 そのなかでも私の心に引っ掛かる歌のひとつが「手紙~拝啓十五の君へ」だ。 これを聴くたびに冷や汗をかき、ゾッとしながらいろんなことを思い出している。 そのほとんどが後悔ばかりだという情けなさだ。 勉強や部活などもっと頑張ればよかったなどというありがちなことから、 いい大人になってからのあれこれ、つまりいまの行き詰まった事態に対する言い訳じみたことばかりだ。 アンジェラ・アキの声を聴くたびに、 十五

          歳の取り方イロイロ。

          己を守れ、バカになれ。その四

          初めて利用者の死と遭遇した頃、 NHKで「お別れホスピタル」というドラマが始まっていた。もう完結したのだがつい先日録りためていた全4話をやっと見終わった。 末期や行き場のない患者が過ごす療養病棟の日々を綴ったドラマで、 見慣れた役者さんたち、それもみていて安心できる、力のあるかたたちに囲まれてヒロインの岸井ゆきのが彼らの演技に見事に応えた良作だったと思う。 なかなかにシビアな場面が連続していて見終わって重たいものが心に沈んでいくようだったが、まずは岸井演じる看護師の辺見が寒

          己を守れ、バカになれ。その四

          己を守れ、バカになれ。その参

          その日。 いつものように掃除用具を車に積んで出かけた。 前の週の退出時次回の訪問の確認はしてあった。その時顔は見せてくれなかった。 「ちょっとお顔だしていただけますか?」との問いかけに 「いいえいいです」 「なにかお困りのことはございませんか」 「ありません」 「体調はどうですか?何かあったら連絡ください。」 「はい」 次の週行くとドアには鍵がかかっていた。 もとより玄関の鍵は預かっていない。 呼び鈴をおす。 こえをかける。 返事はない。 おでかけ?散髪とか…。 倒れている

          己を守れ、バカになれ。その参

          己を守れ、バカになれ。その弐

          毎年その人の住まいの庭は季節ごとの顔を見せる。 印象にあるのはくちなしやキンモクセイの香り、たわわなるみかん。 植え込みはたぶん職人が入っているのだろう、よく手入れされていて最初の2年はほとんど荒れている印象はなかった。 そのうち独居となってから相談支援室の依頼で週に一度洗濯とトイレと風呂の掃除を任された。 しかし庭の方は手配する人もなくみるみるうちにまとまりを欠いていった。 花壇には雑草があふれ、見たこともない大きくてカラフルな蜘蛛が巣をはり私を出迎えた。 乱れた芝生、枯

          己を守れ、バカになれ。その弐

          己を守れ、バカになれ。その壱

          私の仕事は障害児者の訪問介護士。 ここ3年精神に障害がある方40代の方のサポートをしてきた。 人生で初めて担当した利用者だ。 最初の頃はまだその人は家族と暮らし、 まずまず人並みの暮らしをしていた。 自室で過ごしてはいるものの食事は家族ととり、美容院にも出かけ、風呂にも入る。 精神科で診察も受けていた。 私の役目は当初は診察に付き添うというものだった。 月に一度の通院。 コロナウィルス蔓延時期だけに様々なことに気を遣わねばならなかった。 マスク、検温、消毒。 乗車前のそれら

          己を守れ、バカになれ。その壱