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息子のバレンタイン

バレンタイン三部作の第二弾。元ブログより 2015年02月14日に書いた記事を載せます。

母(私)・息子・娘 三編の内のふたつ目です。

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この前書いた、バレンタインのバカ話(毛)。
バカなワタシは挫けなかった。
翌年、ひとつ上の先輩に憧れて、バレンタインにおずおずと差し出した。
受け取ってもらえて天にも昇るキモチだった。

先輩と対峙したのはほんの数秒のことである。

その後どうなったわけでもないが、大人になってから一度だけ飲みに行ったことがある。

その先輩は医学部に通っていた。
当時ワタシは社会人で、会社で利用していた店しか知らないからそこに連れて行って、若干飲んでカラオケを歌っただけなのだが、先輩はワタシのほうがオトナと思ったらしく感心ばかりしていたのであった。

思い出がこの程度で繋がっているくらいがちょうどいい。

で、娘はそういうことがアリや無きや。未だにわからぬ。

息子はいちいちわかりやすい奴で、まずこの母を懐入する。
ワタシを手懐ければあとあと楽なことを本能的に知っている。

息子のバレンタインとの関わりは幼稚園の時だった。
仙台から転園してきた息子に、なんと一目ぼれしたという、ひらひらと可愛い子がいた。
Iチャンという。
その子のお母さんが、転園したばかりでキンチョーしていたワタシタチ親子にとても親切にしてくれ、クスクスと笑いながら
「うちのIったら、Rクンと初めて会った日、お迎えに行った私に
 『ママ、Rくんスキ』
って言うのよ」

以来5年もの長きに渡り、彼女から熱烈なラブコールと、バレンタインにはチョコを貰ってきた。

あんなヤツを5年も変わらずに恋してくれたありがたい子。
息子も、ワタシに手伝ってもらいながら、クッキーなど作ってお返ししていたが、息子と彼女の仲はいつまでたっても発展しなかった。
息子は、どうも
「オセオセ」
タイプが苦手のようであった。

Iチャンは息子が好きだというコトを公言して回り、小学校に入学すると、変な子が近づかないように常に監視していた。
それはそれは天晴と言うほかなく、息子はそれをどう思っていたのかは知らぬが、何しろ園児から児童の時代。
親同士も仲良しで、微笑ましく見ていたものだ。

高校の時、とみにキレイになったIチャンを見て、娘が兄に

「もったいないコトシテ」
と言い、からかっていた。
が、Iチャンと息子は高校が別だった。


息子には彼女が出来、で、彼女とは大変仲良しだったが、所詮高校生の恋、ある時を境に友達になったようだ。

しばらく折に触れてメールのやり取りはしていた。
ワタシは彼女が大好きだったので、当時はぜひ復活してほしいと願っていたが、まあ良い。

息子は大学へ行ってすっかりモテナくなったと言っていた。

なんでも学内で
「話しかけづらいオトコナンバー1」
だそうだ。

「なんでよ」
「怖そうなんだと」

「どこがよ」
「見た目」

「微笑みなさいよ」
それも怖いんだと」

「多分その髪型とカッコだ」

当時息子はギター抱えて、ロン毛にパーマ、古着ばかり着ていた。
衣装もちのクセにいつもいつもオンナジ格好なのだ。

同じ友達とつるんでいて、その中の一人はたいそうイケメンでモテルそうだが、息子とばかりいるので
「ホモ」
「絶対ホモ」
ということになっていた。

ある時
「今度連れてくる」
ということで、ワタシは隣県のイケメンをひそかに楽しみにしていた。

娘に言うと
「えー、めんどくさい」

わくわくどきどきがないのかどうなのか、そんな素振りを一切見せない。

息子は高校の時も、しょっちゅう友達を家に連れてきていたので

「どう? カレは、イケメンだし頭もいいのよ」
「・・・?」
「お兄ちゃんの友達と妹のカップルってあるじゃん」
「・・・」
「反応しなさいよ」
「・・・(大溜息)」

娘の恋話を聞いたことがまだ、一度もないのが遺憾だ。

兄の友が好みでないとしたら、彼女は同い年か年下好みだろうか。
年下好みであればワタシとオンナジであるが、彼女の年で年下となるとまことに頼りない。

痛し痒しのバレンタインである。


前出のIチャンのお母さんは何年経っても我がことのように、息子とワタシを案じてくれる。
息子の結婚の報告をすると、心から喜んでくれた。
「お互い、姑同士になる予定が狂ったよね」
と笑った。
つくづくありがたい。

息子と彼女たちのそれぞれの道・・・
みんな幸せであって欲しい。自分らしい道を見つけられるといいな。

ワタシも覚悟を決めなきゃ・・・なんのだ?

今日はチョコはどうこうしません。
オットは大変モテ男で
「本当に困る」
ほどチョコを貰った過去がある(らしい)。

オトナのワタシは、なにか美味しい手料理でまたオットを懐かせるのさ、ウケケケケ(`∀´)。


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