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1月をやり過ごして

あれから1ヶ月。
2024年元日に起きた痛ましい出来事。

金沢市の自宅にて
静かなお正月を過ごしていた私。

その時その瞬間には、
〝年始を迎えての抱負〟のようなことを
noteに したためて
まさに投稿しようと
公開ボタンをタップする直前だった。
(……そんな文面はお蔵入りとなり、
今日まで他には何も書く気分にはなれなかった)

激しい揺れの後には、
隣接する用水路を遡り
津波が来るかもしれない恐怖に襲われ、
近くの高い建物に避難した。

避難の際、
築後1年のこの家や
〝hapPIANOさん〟の愛称で呼ぶ
大切なピアノを
置いて出ることへの不安などには
正直なところ
あまり思いは至らなかった。

そんなことより
離れて住む家族や
いろいろな人の顔が浮かんだ。
そして
飼い猫2匹が姿を隠して
家中探しても見つからず、
テレビからは
「一刻も早く逃げて!」と煽られ、
やむにやまれず
猫たちのことを置いて
家を出たこと……
これには強い後悔に苛まれることになる。

やはり何が無くても
生命(いのち)が第一、
身をもって感じた。

結果的に私の家には
被害と言えるほどの事象は無かったが、
能登半島に甚大な被害をもたらす事になった地震。

とりわけ奥能登には、
私にも思い入れがある。
幼心に刻まれた情景。
かつて曾祖父母の家があり、
幼少期から夏休み毎に訪れていた
思い出の光景が蘇る。

……そんな
かつてない不穏なお正月が明け、
予め決めてた日程の
ピアノ教室レッスン日になる。

生徒さん達の個々の事情はわからないが、
通常通りに教室で待っていて、
無事に来れた人には
通常通りのレッスンをした。

新年の挨拶を交わすことなく。
子どもにはできるだけ笑顔で接して、
ピアノに集中できるように……
私にはそれしかできないのだから。

ただ、おうちの事情が大変になった生徒さんも何人かいた。

ご親族の家が被災し大変な中、
なんとか平常を取り戻そうと
ご家族交代でお子さんに付き添う親御さん。

ピアノどころじゃなくなったと、
教室を辞めていった生徒さんもいる。
いつもきちんと練習して来て
先々楽しみな人だったので
淋しいがどうにもならない。

語らずとも
辛い目にあった人や
心に傷を負っている人が
他にもいるかもしれない。

また、逆に今こそ
やりたいと思ったことをやるんだ、と
レッスンの申し込みをして来られた人もいる。

私の所でさえ、
直接的ではないにしろ
震災の影響があちらこちらに見え隠れしている。

まだまだ春は遠いようだ。

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私事だが、
レッスン日以外にやっていた仕事を
先月末にて辞めた。

こちらに引っ越して来て、
教室オープン・生徒募集を始めてから
近々辞めることを考えてはいたが、

秋頃から
教室への問い合わせや生徒数が増えて、
一人ひとりに対応した
レッスン内容の計画や教材研究の
時間の割り振りが
難しくなってきたので、
満を持しての退職である。

そちらの仕事も
私なりに最後までちゃんとやり遂げたい、という思いで
1月も忙しく過した。

生命がある、
仕事がある、
いろんな感謝の念をかみしめることになった1月でもあった。

ただ、選んだ今後の道筋は
一点集中。
ピアノレッスンを
ライフワークとしていきたい。

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生きていると
多かれ少なかれ
辛いことにも行き当たる。

もちろん私なんぞには
想像を絶する思いをされている方々に、
掛ける言葉も無い。

ただ、誰もが、
……ピアノを諦めざるを得なかった人も、いつの日にか
ピアノに触れることがあれば……

そんな誰もが、
…もちろん私自身も…

ピアノを奏でるひと時に
一瞬でも
幸せ感が湧くように。

その為のレッスンを
目指したい。













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