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石丸伸二氏の東京改革

 noteクリエーターの花やんです。今回は「安芸高田市長・石丸伸二氏の都知事選出馬」と題してお話しします。

今年の都知事選挙に石丸氏が出馬することが明らかになりました。彼の挑戦には、東京の一極集中から多極分散への転換を掲げています。


 いよいよ今年の7月に都知事選挙が行われます。小池知事が3期目に出馬するのかに注目が集まっていますが、そんな中、日本の地方自治体で今一番注目を浴びている都市があります。

それが広島県安芸高田市です。かつての橋下徹さんが知事・市長時代の大阪以来の注目度です。

ここで市長を務めているのが石丸伸二氏です。彼はメガバンク出身で、河合事件により前任の市長が辞職した際に行われた安芸高田市長選挙で初当選しました。

それ以来、議会と根回しなしの丁々発止の議論が話題を呼び、個人的には橋下徹さん2世かと感じるほどです。石丸氏自身も橋下徹さんを参考にしていると公言しています。

石丸さんは、今年の安芸高田市長選挙には立候補しないと明言した後、『都知事選挙への挑戦』を発表しました。

以前、石丸さんが古舘伊知郎さんの公式YouTubeに出演した際、『東京解体論』を語っていました。私はその時にもしやと思い、期待を抱きました。

石丸さんは、現在の東京一極集中と地方の衰退に対して強い危機感を持っています。

私自身、この地元地域発信共同運営マガジンで何度も東京一極集中の問題点と多極集中型社会の実現の重要性について触れてきました。

そのため、石丸さんの考えには賛同できる部分があります。彼は立候補表明会見で、東京一極集中を是正し、多極分散を実現して東京・地方の両方を発展させることを述べていました。

しかし、多極分散が一体どのようなことを指すのかはまだ具体的に明かされていません。

もし私が述べている多極集中型社会を意味するのなら賛同できますが、そうでない場合には賛同しかねます。

私は、一極集中でも多極分散でもない、多極集中型社会でしかこの先の日本は生き残れないと考え、それを発信し続けています。

ですから、石丸さんがどのように考えているのかは今後具体的な公約ができた段階で評価したいと思います。

ただ、石丸さんが都知事選挙に出るとは予想していませんでした。以前の記事で、次期東京都知事には東京一極集中是正を本質的に実現する人がなるべきだと述べていますので、その意味で石丸さんに強く期待しています。

 石丸さんの立候補表明後のSNSの反応を見ると、意見が割れています。「世界一の東京を弱体化させ、一極集中の是正をするのは反対だ」とか、「東京は世界一住みやすい都市なのでそんなことをする必要がない」という論調が目立ちます。

一方で私と同様に石丸さんに期待する意見もありますが、多くの人は「なぜ都知事になって都民のためにならない政策を実現するのか」という批判をしています。

これに対しては「一極集中の是正は国会議員になってやるべきだ」という考えもありますが、これは決定的に勘違いをしています。

まず、この国の政治家で『予算権限』を持っている立場は誰でしょうか?答えは内閣総理大臣と首長(都道府県知事・市区町村長)です。

総理大臣以外の国会議員と地方議会議員は『予算権限』を持っていません。予算権限は国・地方それぞれにおける政策方向性を決める上で重要な権限です。これを握っている立場の人は自分の思い描いている政策を実現することができます。

国会議員になってから総理大臣になるまでに何年かかるかを考えると、日本では相当な時間がかかります。

一年生議員が総理大臣になれることは皆無です。国会議員になって東京一極集中を本気で是正すると言っても、一年生議員の立場で何ができるでしょうか?せいぜい政策提言ぐらいしかできません。

ましてや図に乗るようなことをしていたら大物議員に握りつぶされてしまいます。それに比べて地方の首長は、直接住民から選ばれ、即自分がやりたい政策を予算権限にて実現することができます。ただし、地方議会からの激しい抵抗や邪魔があるのでそう簡単にはいきません。

橋下徹さんは、大阪維新の会を立ち上げて府市議会で過半数を取り、大改革を進めました。石丸さんが仮に都知事に当選できたとして、その後どのように進めるかはわかりませんが、安芸高田のように根回しせずにガチンコ議論をすることになるでしょう。

そうしたことを踏まえると、予算権限も有している首長は、石丸さんにとってご自身の東京一極集中是正・多極分散による東京・地方の発展、つまり日本の発展を図る政策の実現にはうってつけです。そして、その首長の中で一番力を持っているのが東京都知事です。

東京都は全国47都道府県の中で唯一地方交付税を交付されていないほど潤沢な予算を持っています。特別な立場にある東京都が一極集中の元凶となっていることも事実です。

現状、東京一極集中が地方衰退の直接的な原因でないという考えや論調もありますが、東京一極集中を野放しにしておくことは東京の未来にもよくないです。

SNSで「東京は世界一住みやすい」と言って、一極集中是正に反対する人たちは、これから東京が超高齢化していくことをわかっているのでしょうか?

現状の東京は確かに世界一住みやすい街ですが、これからは急速に高齢化が進むことが予想されます。戦後、地方から集団就職してきた世代が一斉に高齢化し、東京は「高齢者一極集中」の都市となるでしょう。

良くも悪くも交通網が発達しているため、都心部にも高齢者があふれかえることになります。私は、今東京が世界一住みやすい都市と言っている人たちに、将来高齢者があふれる東京に住み続けたいかと聞きたいです。

石丸さんが市長をしている安芸高田市をはじめとした地方自治体の現状は、未来の東京なのです。今、地方は高齢化が深刻化していますが、これが東京で起きると現状の地方の比ではありません。

そうなる前に先手を打つ必要があります。この人口動態のアンバランスな状況を改善しなければなりません。

私は、東京は世界一住みやすい都市であるがゆえに人口の流出が少ないため、ずっと「ブラックホール東京」と指摘してきました。

一度入ったら出られないブラックホールのような存在です。特に女性に限ればその傾向が顕著です。この状況でいいのでしょうか?

また、石丸市長の決断を支持する理由の一つとして、彼が公約で触れるかはわかりませんが、近年の東京は大した成長をしていないことがデータで明らかになっています。

都道府県別経済成長率で2014年~2019年の成長率は全国平均が1.0に対して、東京は+1.23で14位に過ぎません。そして2019年単年で見るとマイナス成長で16位と順位が下がっています。

つまり、大した成長をしていない巨大都市に人材が集まってしまっているのです。これでは地方における若者主体の街づくりが難しくなります。

最後に指摘しておきたいのは、世界一の東京を有する日本が、ドイツにGDPで抜かされて世界第4位に転落したことです。

これを説明できる人はいますか?さらにインドにも抜かされるのは時間の問題です。2050年にはアフリカ諸国にも抜かされる予測が出ています。

世界一の都市東京を有しながら、国全体では没落していく日本。これを東京一極集中是正反対や東京は世界一住みやすいと主張する人たちはどのように説明するのでしょうか?


 石丸市長が安芸高田市長を辞職して東京都知事に挑戦することは、これからの日本の統治機構改革と本質的な東京一極集中是正につながると期待しています。ただし、まだ具体的な公約がわからないので、手放しで支持するわけにはいきません。

私は神戸大都市圏の住民なので、選挙権はありません。決めるのは都民の皆さんです。その都民の皆さんが石丸さんの基本方針にどう反応するか、公約発表を待たないとわかりません。

ただ、SNSの反応を見ると厳しい状況に見受けられます。しかし、有権者はSNSをやっている人だけではありません。これから東京都でウエイトが増す高齢者が、石丸さんの主張に賛同して投票するかが重要です。

今回の選挙は、石丸さんにとって最大のチャンスであり、最後のチャンスかもしれません。東京は急速に高齢化していくため、高齢者に嫌われるような政策は打ちづらくなるでしょう。

そうなる前に行動を起こす判断をしたのかもしれません。いずれにせよ、石丸さんの決断を基本的には支持します。その上で今後、彼がどのような具体的な公約を詰めていくのかをしっかり見ていく必要があります。

今回の選挙は注目を浴びるかもしれません。石丸さんが当選したら、橋下徹さんのように大胆な改革を進め、東京を新しい姿に変えてくれることを期待しています。ただし、それは具体的であり夢物語でないことを祈ります。

石丸さんが都知事を退任した後も、その政策が持続するものでなければなりません。次の都知事が方針転換しないようにすることが重要です。

安芸高田市という高齢化の最前線を見てきた視点から、これから高齢化していく東京を改革してもらいたいものです。

東京がいつまでも世界一であり続けるためには、今後のリーダーシップが鍵となるでしょう。
さて、誰が次期都知事になるのか、今から楽しみです。


今回はここまでとなります。最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。

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