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【詩】今年の春の僕らは

今年の春の僕らは ずっとおなじ部屋にいて

僕のクセをみつけては 君はあきれてよく笑ったね

今年の夏は僕らが ずっと通ったカフェもお休み

僕がつくったカフェ・ラテを ふたりで毎朝よく飲んだね


部屋の外にある 不安なできごとは

ふたりを離しては ふたりを近づけた


ある日世界がいたずらに 行き先をかくしても

海のむこうに この部屋に

新しい道をみつけたい


はじまりはここから




食事のあとに僕らは ちいさなことでケンカをして

僕は何も言えなくて 君はあきれて少し泣いたね

朝になるまで僕らは ちいさなソファで映画を見た

何度も見たのはサスペンス 君が好きだと言った映画


部屋の外にある ゆがんだできごとは

ふたりを離しては ふたりを近づけた


ある日世界が背をむけて すべての色をかくしても

海のむこうに この部屋に

新しい季節をみつけたい


はじまりはここから



ある日世界が背をむけて すべての色をかくしても

海のむこうに この部屋に

新しい季節をみつけたい


はじまりはここから


君と一緒に






☆☆ミニ作品解説とおしゃべり☆☆

今年のステイホームだった春と夏、どこかにこんなふたりがいたかもしれないと思いながら詩にしました。

各方面、コロナの影響で厳しい状況が続いています。でもやっぱり前を向きたい。軽々すぎる表現は控えつつ、なるべく自然に前向きさを表現したかったのですが何か伝わってくれたら…。





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©︎ 2020 松本アニー


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