見出し画像

「末っ子の『優しくなるまでまって』」の話 byとけいまわり

去年、末っ子は「ほーくえんのAくんが怖い。声が大きい」とか言って苦手なようだったのだが、いつの間にか仲良くなっていた。この前Aくんに抱っこで運ばれていて、キャッキャしていたのだ。

「末っ子ちゃんは、ほーくえんでまた新しいお友達ができちゃった」と毎日報告してくるので、すでに保育園の幼児の数を超えてきた。「そっかー、今日は何人新しいお友達が増えたの」と聞くと、「今日は3人~」と答える。
2年前は一人でぽつんと教室の隅っこに座っていたり、先生の足にしがみついていたりしたのでえらい変化だ。

「すごいね、もう全員お友達かな?」と聞くと、
「たぶんね・・・ちょっと苦手な子がいても、待つから」と返ってきた。
「待つ?」
「そうそう、ちょっと声が大きかったりして苦手だなって思ったら、優しい顔が見られるまで待ってるの。」
「そうかそうか、ずっと見てたら優しい顔になるときあるもんね」
「そうそう、あ、今、やさしーなーって思ったら、その時声をかけるの。そうしたら、末っ子ちゃんに優しくしてくれて、それでお友達になるの。
まだお友達になってない子がいたら、優しい顔になるときあるかな~って時々見てるよ。だから、もうお友達になってる子か、待ってる子のかのどっちかなの。」

人は、人の事を全て嫌いになるのは難しいのかも知れない。嫌な一部分を見つけたら、そこから自分を守りたくて全部を嫌いだと言って見ないようにしてるのかも知れない。その人の中にも、自分は共感したりいいと思うところが見つかるかもしれない。「そんなお顔をじっと待つんだ」と末っ子が教えてくれた。人の中はいろんな面があって多様なんだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?