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革のハギレの活用

今回は革のハギレの話です。

私は会社員をしながら、副業?として革製品を作っています。

革製品を作っているとどうしてもハギレが多く出てしまいます。

このハギレの活用についてこれから色々考えていきたいな、という話です。


ハギレって無価値?

革のハギレは革製品を作っていると出ます。

製品に使うパーツを切り出した後に残る微妙なサイズの革だったり、大きな傷が付いていて(動物が生前に付けた傷)製品に使えない部位だったり、かなりの量のハギレが出ます。

製品に使える面積と、ハギレとなってしまう部分の面積の比率を計算したことはないですが、ハギレの比率はかなり高いのではないかと思います。

これらのハギレって、革の問屋さんなどに行くと格安で売られています。職人さんによってはタダで配っている人もいるかもしれません。(これらが悪いとは決して言っておりません)

そのため、ハギレ = 無価値
みたいな印象を持っている方も多いかもしれません。


本当にそうでしょうか?


革は大事な命からの贈り物

革とは、元々は動物の皮であったものを、鞣しなど様々な加工を施すことによって革に生まれ変わります。元々は動物の皮なのです。
大事な命から頂いているのです。

(一応補足しておくと、食用肉の副産物として革が生まれます。つまり、革を作るためだけに動物を殺傷することは基本的にはありません。とはいえ、大事な命からの贈り物であることには変わりありません。しっかりと感謝の気持ちを持って革、革製品を大切に使っていきたいですね。)

大事な命から頂いて生まれた革は、端だからとか、ちょっと傷があるからといって価値が下がるものではないと思うのです。

むしろハギレとして避けられやすい傷などは、動物の生き様が一番良く表れている部分です。その革の個性が最も出ている部分と言っても良いです。
全く同じものが無いからこそ尊い素材なのではないでしょうか。


ハギレ=価値が無いと思わせているのは我々ものづくりをする人達?

むしろ、ハギレを価値が無いものと思わせているのは、私達のようなものづくりをしている人なのかもしれません。

私達が、革の端切れを使った製品を安く販売したり、端切れをタダで配ったりすると、世間には、端切れ=価値が無いという印象が付いてしまうかもしれません。


革を問屋から仕入れる時は、傷や端部も含まれた状態で購入します。単位面積あたりの価格が決まっており、革の面積によって値段が変わります。個体によってサイズが大きく異なるのでこういう価格の決め方をしています。

傷が多いから安くなることは中々ありません。つまり、問屋さん側からすると傷も含めての価格で提供頂いているということになります。


そういう意味でも、やはり私たちのようなものづくりをする人達が、ハギレは価値が無いものだ、と思わせないような販売方法を考えていく必要があるのかもしれません。


ハギレの活用アイデア ハギレアート

そんなことを考えながら、一つの活用アイデアとして作ったのがハギレアートです。

ハギレが持つ味を引き立てるように、ハギレを魅せられるように、まるでアート作品のように考えました。

革の端部はそのまま使い、また傷も目立つように配置しています。
生きていたんだな、というのが良く分かります。

一般的な革製品は革の綺麗な部分を使っていて、「製品」になってしまっているので、ちゃんとに意識しないと忘れてしまいますが、元々は生きていた動物から頂いた贈り物です。

ハギレアートはそんなことを思い出させてくれる作品でもあります。
見ていると、持っている革製品を大事にしようと思えてきます。



結局の所、一つのものを長く大事に使うことが一番のエコですよね。

これは一つのアイデアなので、これからは他のアイデアも考えていきたいです。

ハギレは無価値ではないんだ、とアピールできるものづくりをしていきたいです。

そんなお話でした。

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