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前半キャラクター紹介no.1:臼井瑞樹[著:あざみ]

イラスト:江良エス子

皆様こんばんは、犯罪者隔離世界へようこそ。

本日は臼井瑞樹(ウスイミズキ)について語りたいと思います。
本編1話のネタバレを含みますので、もしまだゲームをプレイされていない方はそちらご了承の上、お進みください。

さて、先日あざみのアカウントの方でもツイートしたのですが、「臼井」の苗字の元となったのは千葉の地名(駅名)になります。

2021年10月頃、ぼんやりと、犯罪者だけが隔離される世界で、たくさんの登場人物が出てくる群像劇のような物語に挑戦したいと思っていた時にひらめいたのが彼でした。1話は、村人Aくらい温厚な感じの、人畜無害なイメージのキャラクターが登場するとよいかな~という。臼井はどことなく影も「薄い」と、かけてたり。

さて、前編をプレイされた皆様からすると、他のキャラクターが濃すぎて、彼はひじょうに大人しいように見えるかもしれないですが、よくよく考えてみるとなかなかにやばい言動をしています。

まず、社長がにらみをきかせていなかったら、彼は2人に出したコーヒーに睡眠薬を仕込もうとしていた、という背景があります。実際に、エリア1を最初に訪れた何人かは、睡眠薬で眠らされて、地下に収容され、単純労働を強いられるという仕打ちを臼井瑞樹から受けていました。

その考え方の根本が、「人間は間違えても困らない単純労働だけすればいい」、「ロボットの方が、人間なんかよりよっぽど優秀だよね」なので、まぁなかなかに拗らせてます。ただ、単純労働といってもエリア1の国民に、鞭を打つように無理をさせていたわけではなかったです。食事や睡眠はきちんととれるような環境を構築しておりましたし、働いてロボットを動かした分だけの対価はきちんと支払われていました。
ただし、エリア1の地下から出ることは許してもらえなかったわけですが……。

そんな臼井瑞樹ですが、このやり方が本当に正しいのかどうかは自信がなかったようです。社長からも指摘されておりましたね。彼は地方出身の天才と本編でも触れられておりましたが、天才がゆえに、ずっと孤独でした。自分が興味を持つもの、面白いと感じるものは、他の人からすると難しすぎてしまったり、理解できないと突き放されてしまったり。

だからこそ、自分と同じ土俵で話をしてくれる、大学教授の先生と出会えた時の彼は底知れぬほどの安心感を抱いたことでしょう。ゆえに、その教授が自分の研究成果を横取りしてしまったということが分かった時の彼の絶望は、計り知れません。
臼井瑞樹は、自身が不法侵入をした理由として、「教授が横取りした研究成果が、自分のものだという証拠が欲しかった」と口にしておりましたが、その中には、自分の勘違いだ、嘘であってほしい、教授を信じたい、という切実な思いも、含まれていたかもしれないですね。

その後、エリア1に来て、臼井瑞樹がどうやってリーダーになったのかは、中編で語られるためこちらでは深くは言及はしませんが、彼が人付き合いというものに恵まれず、他者と関わった経験が浅い人間である、ということは伝わっていたかと思います。だからこそ、主人公である秘書ちゃんが自分のパーソナルスペースに入ってきたとき、彼女を欲しいと思ってしまったんでしょうね。エリア1を統率する自分をずるい、ではなく、そんな大変なことを一人で引き受けているなんて、と心配してくれた秘書ちゃんなら、今度こそ裏切らずに、自分を理解してくれるのではないかと。

まぁ、多分秘書ちゃんは、いわゆる勉強ができる天才、というタイプではないので、臼井瑞樹を理解できるかと言われると微妙……ですが。秘書ちゃんは秘書ちゃんで、常識に疑問を持つことができるという頭の良さがあると思っています。こちらもまた別の機会に語れたらと思いますが、臼井瑞樹は、そんな秘書ちゃんだからこそ、「難しい論文も秘書ちゃんにわかるように説明するよ。」と最後に言えたのかもしれません。天才として区別され、理解ができないと突き放されてきた自分の話も、秘書ちゃんなら聞いてくれる、知ろうとしてくれる、という信頼があったからこそ言うことができたセリフです。その言葉に、楽しみにしてます!と即答できる秘書ちゃんはさすがですね。

そして、そんな臼井瑞樹を演じてくれたのは癒屋シズヤさん。前作SummerMissionでもお世話になりました。(また三白眼、という……笑)
シズヤさんに最初にミズキ君の台本を共有した際に、「僕、なんか心に闇を抱えているキャラクターを任されることちょこちょこあるんですよね……。適役に見えますか?笑」と、打ち合わせの時に笑いながらお話ししていただいたことを覚えています。私の中では、そうは思ってなかったので意外でした。
前回お任せしたトワという役は、完全に純粋ないい子の孫というキャラクターだったので、シズヤさんのお声のイメージは、その延長線上にありました。今回のミズキ君をぜひお願いしたいと思った経緯は、その演技のすばらしさはもちろんのこと、地声の雰囲気から「完全に無害な素朴な少年」というブラフを演じていただけるのに最適な役者様だと思ったからでした。シズヤさん本人は、普段はキャラクターが強めの役も演じられているようですが、私がお話をした印象では、本当に、素直に意見を述べてくれる落ち着いた雰囲気の方だったので、ミズキ君をぜひお任せできませんかとオファーを出させていただきました。

実際、ハンカクはどんでん返しのオンパレードで、先の読めない展開を楽しんでいただけたら、というコンセプトでシナリオを書いているので、「ミズキ君がリーダーとは思わなかった」という感想をお見かけして、シズヤさんにお願いできて本当によかったと思っています。そして、上記に書いた考えはそれはそれとして事実なのですが、ご提出いただいた「心の闇を披露する時のミズキ君のボイスは最高」でした、ギャップのさじ加減が絶妙!!!!これは、適役と言われるのもわかる気がする……と思わず呟いてしまいました。笑

まだまだミズキ君について、語りたい設定はたくさんあるのですが、ひとまず前編ではここまでといたします。

ここまでお読みいただきまして、ありがとうございました。
またお会いしましょう:)

犯罪者隔離世界:主催
あざみ

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