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「伝え方」によって逆効果になること。

気持ちを伝えるって、本当に難しいですよね。

子どもたちの生活にSNSが浸透したここ十年。学校でも、「情報モラル」の授業が行われるようになりましたが、改めて、「相手の立場に立った巧みな言葉の技術」の必要性を感じます。

そんな人間関係に深くかかわる「言葉」ですが、単語選びもさることながら、伝える「内容」にも巧みさが求められる昨今。

「とにかく伝えりゃいいってもんじゃないよ!」という記事を書いてみようと思います。

▼伝えられることで裏目に出る?「平均」の力

ずっと昔、こんな記事を書きました。

簡単に説明すると、「僕たち人間は、多数派の行動に流されてしまう特徴があるよ。」というもの。もっと言えば、

「子どもたちによりよい行動をとってほしければ、よい行動をしている人がたくさんいるように紹介した方がいいよ。」

ということでした。

その情報をさらに深掘りしていきましょう。

本日、ご紹介したいことは、

「人間は、平均値に引き寄せられてしまう。」

という特性です。おもしろい実験を紹介させてください。

ある町で「電力量」に関する大規模調査が行われました。

各家庭の電気使用量を調査し、「平均値」と比較したのです。

そして、平均値と比べた各家庭に電気使用量をフィードバックしていったのです。すると、不思議な現象が起きました。

「平均と比較して『電気を使いすぎ』と報告された家庭は、電気使用量が減った。」

この結果は、「素直でよろしい!」と言いたくなります。しかし、特に不思議なことではありません。不思議なのは、平均と比較して「省エネ」ができていた家庭の反応でした。

なんと、

「平均と比較して省エネできている家庭は、使用料が増えてしまった。」

というから驚きです。きっと、「みんな結構使ってるじゃん!うちは、平均以下だからもっと使ってもいいんじゃない?」みたいな家族会議が開かれたのかもしれません。

さて、この問題は、どのように解決されていくのでしょうか。次章にまとめていきます。

▼「平均」へ集まることを止めた意外な方法とは

さぁ、あなたは、どのように「平均値に引き寄せられてしまう。」という人間の特性にまったをかけるでしょうか。

これが、簡単、お手軽な方法だったのです。それは、

「省エネ家庭には、スマイルマークをはった。」

「そんなんで!」と思いますよね。

実は、こんな簡単なことで人間は大きく行動を変えるのです。もっと詳しく説明すると、

「平均値よりも省エネしている家庭に、スマイルマークをプレゼントしたことで、平均値に寄せて電気使用量を増やしてしまう家庭を防ぐことができた。」

というのです。これは、簡単だからこそ、どこでも使えるテクニックです。例えば、学校で「宿題忘れを減らしたい」場合を考えてみましょう。

「宿題をたくさんの人が忘れている。」

という報告をすると、「忘れる人がむしろ増える可能性がある」ということは、過去の記事で話題としました。クラスの隠された事実を知って、油断してしまうというなんとも切ない現象です。

その現象に待ったをかけるのであれば、この「スマイルマーク」が使えます。

もちろん、シールでなくともスタンプでもいいでしょう。

宿題プリントにプラスのフィードバックをして「価値づけ」していくことで、「ちょっとした油断」を防ぐことができるでしょう。

さらに、フィードバック方法に付け加えると最強です。

詳しい実験は、過去記事に書いたので省略しますが、子どもの記述に対して、「期待しているよ!」という一言を添えるだけで、学習効果が高まるということも報告されています。

やはり、フィードバックという「価値づけ」は、必要不可欠なのです!

▼まとめ

本記事では、「伝えない方がよい情報もあるよ!」という内容をまとめました。

同じ内容でも、一人一人の価値観が違う分、予想外の効果が生まれるのが人間の難しさでもありおもしろさです。

そう言えば、何の意図もなく「平均点」を発表すると、「平均点以上だし、まぁいいか。」と勉強しなくなるなんて子どもさんもいますよね。

やはり、情報は「伝えるかどうか」と「伝えるとしたら、どのような効果をねらって伝えるのか」という方向性は、意識したいところです。

ところで、こんな【メンバーシップ】があるのですが、いかがでしょう?伝えるべき内容として自信をもって紹介します。

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